ダックスフンドってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ダックスフンド

お散歩目安 1日30分×2回
ブラッシング頻度 2〜3日に1回
トリミング 不要
Dachshund

ダックスフンドってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ダックスフンドの基本情報

英名 Dachshund
愛称・別名 ダックス
原産国 ドイツ
寿命 12歳〜16歳
サイズ 中型犬
体重 9kg〜12kg
体高 オス:(胸囲)37cm~47cm
メス:(胸囲)35cm~45cm
分類 4G:ダックスフンド

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

ダックスフンドの歴史

ダックスフンドの歴史

ダックスフンドはドイツを原産とする狩猟犬の一種です。
日本ではダックスフンドというと小型犬の「ミニチュア・ダックスフンド」を思い浮かべる方も多いと思いますが、元々は中型犬程の大きさであるこのスタンダードと呼ばれる大きさが起源となっています。
なお、ミニチュア・ダックスフンドは、正式に犬種として登録されているわけではなく、このダックスフンドの小さいサイズという位置付けとなっています。

ダックスフンドの名称の由来は「アナグマ」を意味するダックス(Dachs)と「犬」をあらわすフント(Hund)から来ています。
ドイツ語ではHundのdは濁らないため、「ダックスフント」と呼ばれることが一般的ですが、日本では英語読みである「ダックスフンド」が一般化しています。

名称の由来ともなったアナグマは、巣穴に潜り生活をする習性を持っています。
ダックスフンドはこの巣穴に潜り込んでアナグマなどを捕らえることを目的に改良が加えられた犬種です。
狭い巣穴に潜り込むために足は短く、猟犬としての強靭な体と体力のために重量感のある胴体を持つようになったダックスフンドは、高い知能も兼ね備え、まさに巣穴狩猟のエキスパートとなりました。

実はダックスフンドの歴史は大変長く、古代エジプトの壁画にもダックスフンドによく似た犬種が描かれています。
直系の祖先犬はスイス・ジュラ山岳地方に生息していた「ジュラ・ハウンド」と考えられており、12世紀頃にドイツやオーストリアの山岳地域にいた中型の「ピンシェル」と交雑することで現在の基礎犬が確立されたといわれています。

誕生当初は10kg〜20kgほどの大柄な体をしており、被毛も「スムースヘアード種」のみでしたが、その高い知能と狩猟能力により、一躍人気犬となったダックスフンドはその後、テリア種の気質を受け継いだ「ワイヤーヘアード種」、ペットとして社交性が求められた「ロングヘアード種」などバリエーション豊かに派生していきました。

また、大きさもこの「スタンダード」をはじめ、先に挙げた「ミニチュア」や、より小さい体を持つ「カニヘン」というサイズが存在します。
この体の大きさは単にペットとしての需要により小型化されたのではなく、狩猟の対象となる獣の種類や、巣穴の大きさに合わせ改良されたものです。
そのため小さいからペットとして飼育しやすいというわけではなく、原産国・ドイツのダックスフンドクラブでは、むしろ一番小さな体を持つ「カニヘン」が最も猟犬としての気質を持ち合わせているとされています。

現在でも国によっては現役の狩猟犬として活躍しているダックスフンドは、その愛らしい見た目に反して、非常に気が強く、喧嘩っ早い一面を持っています。
そのため、この狩猟犬としての気質の問題や、猟犬特有のよく響く声で鳴く無駄吠えなどにより、日本の住宅事情では、度々騒音問題として話題に上がる傾向にあります。
しかし、現在でもダックスフンドは国内人気犬種トップ3にその名を連ね、1999年からのJKCによる犬籍登録数の公開データでは、2007年まで圧倒的な登録数で不動の一位を誇っていました。

ダックスフンドの特徴や性格

ダックスフンドの特徴や性格

ダックスフンドは現在でも現役の猟犬として活躍する犬種のため、猟犬としての気質を強く受け継いでいます。
そのため運動量も非常に多く、活発で警戒心が強い一面を持っています。
ただ遊び好きで、やんちゃな性格をしているため、他の犬とも良好な関係を築くことは可能です。

スタンダードサイズは日本血統証発行団体であるJKCによると、体重9kg〜12kgが認められており、ミニチュアサイズの約3倍ほどの大きさにもなります。

日々の生活では、その短い足に合わせた環境づくりが大切で、階段の昇降やソファーの上り下りなどは腰に過度な負担がかかり、大変危険です。
また、興奮した際に後肢だけで立ち上がることも、クセづけてしまうと後々様々な弊害をもたらしてしまうため、子犬の頃から禁止させる必要があります。

ダックスフンドは、サイズは違っても外見が非常に似ています。
しかし、サイズによって気質や性格は全く異なり、ミニチュアに比べ猟犬としての気質が強いスタンダードやカニヘンは、しつけや社会化トレーニングの際には、一定の注意が必要です。

ダックスフンドの飼い方

ダックスフンドの飼い方

スタンダードサイズのダックスフンドは、子犬の時期から十分なしつけと社会化トレーニングを重ねることが重要です。
背丈は低いものの、強靭な骨格を持つゆえに力は非常に強く、散歩中の引っ張り癖も問題視されます。

日々の生活では十分な量の運動時間を設け、ドッグランなどで全力運動をさせる機会も豊富に作ってあげましょう。
運動不足になってしまうと、肥満やストレス過多を招き、問題行動の原因にもなります。
ダックスフンドにとっての肥満は、将来のヘルニアや寝たきりなどを招いてしまうため、早期の解消を心がける必要があります。
しかし、運動によるダイエットは非常に難しく効果が薄いため、ダイエットの際には一般的に、食事制限を主とした取り組みが行われています。

ダックスフンドは猟犬主ならではのよく通る声質を持ち、吠えた時の声は1km先にいる飼い主にも聞こえるほどだといわれています。
狩猟の現場では非常に優れた能力ですが、日本の住宅事情に合わせて考えると非常に厄介です。
一旦無駄吠えの習慣がついてしまうと改善が難しくなるため、子犬の頃から念入りな無駄吠え対策のしつけを行うようにしましょう。

ダックスフンドの毛色

ダックスフンドの毛色

ダックスフンドの毛色はレッド、ブラックタン、クリームなどあらゆる毛色が認定されています。
ただ、スタンダードサイズの場合は、元来の色であるレッドやブラックタンが主流です。

近年、ダックスフンドの毛色に「パイボールド」と呼ばれる白い毛色やブルー、マーブルなどがみられるようになっています。
しかし、本来持つ色素ではない遺伝子を持つ個体を繁殖に用いることで、先天性疾患が多発する傾向もあり、希少色には注意が必要です。

繁殖を計画する際は、毛色や遺伝的疾患の履歴も踏まえ、十分な検討をするようにしましょう。

ダックスフンドの価格相場

ダックスフンドの価格相場

スタンダードサイズのダックスフンドの価格相場は、10~35万円ほどです。
ミニチュア・カニヘンと合わせ、3種類のサイズがあるダックスフンドのうち、スタンダードは日本での知名度がもっとも少ないといえます。
JKC(ジャパン・ケネル・クラブ)の登録数も少なめであることから、日本での需要は低い傾向にあるでしょう。
スタンダードのダックスがペットショップで販売されるのは珍しく、ブリーダーから迎えるのが一般的です。

なお、ダックスフンドの飼育費用は、1年間で平均38万3273円程度です。
これは食事代・トリミング代など日常にかかる費用で、畜犬登録費などの初期費用は含みません。
ダックスフンドの寿命は約13年であることから、一生にかかる費用は494万円ほどと考えられます。

ダックスフンドの気をつけたい病気や怪我は?

ダックスフンドの気をつけたい病気や怪我は?

ダックスフンドは本来、その長い歴史や犬種としての固定化が確実にされていることから、先天性疾患が少なく、体が丈夫な犬種とされています。
しかし、短い足に重量感のある胴体は、本来十分に発達した筋肉で支えることを前提に形成されているため、日常的な運動不足や加齢による筋力の低下は、胴体を十分に支えることができず、ヘルニアを発症する原因となります。
日頃から運動管理や、体重の管理には細心の注意を払い、見守るようにしておきましょう。

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