チベタンスパニエルってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

チベタンスパニエル

お散歩目安 1日30分程度
ブラッシング頻度 2〜3日に1回
トリミング 不要
Tibetan Spaniel

チベタンスパニエルってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

チベタンスパニエルの基本情報

英名 Tibetan Spaniel
愛称・別名 ティビー
原産国 中国(チベット地方)
寿命 12歳〜15歳
サイズ 小型犬
体重 4.1kg〜6.8kg
体高 約25.4cm
分類 9G:愛玩犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

チベタンスパニエルの歴史

チベタンスパニエルの歴史

チベタン・スパニエルの歴史は古く、一説によると紀元前1100年ごろには存在していたとされています。
しかし祖先となる犬は確定されておらず、誕生のルーツはいまだ解明されていません。
スパニエルの名称を持ちますが、実際には他のスパニエル犬種のように鳥猟を行なってきた歴史はなく、古く愛玩犬として扱われてきました。

過去にはチベットの寺院で大切に扱われ、チベタン・スパニエルは国王への献上品として重要な任務を果たす役割を持っていたそうです。
寺院での役割は「勤行犬(ごんぎょういぬ)」と呼ばれる大切な経文が書かれたマニ車という仏具を回すことであったとされ、人間と協力したこの役目を果たすことでより功徳を積むことが出来ると考えられていました。
このように名称にもあるチベットに深い関わりのある犬種で、残っている記録のほとんどがチベットであることから、長らくチベットを原産とする犬種であると世界的に認知されてきましたが、近年では政治的な影響を受け、原産国を「中国」や「中国チベット地方」などとする動きが高まり、波紋を広げています。

大変古い歴史を持ちながらも、その存在が証明できる絵画などはほとんど残されておらず、長年門外不出とされてきた背景から、チベタン・スパニエルは20世紀半ばまで世界的にも希少種として知られていた犬種です。
その後もチベタン・スパニエルを基礎犬として作出されたラサアプソやペキニーズ、さらにそこから生まれたシーズーの人気に追い越される形で、チベタン・スパニエルは一時の流行に翻弄されることなく安定した個体数が維持されてきました。

日本では1900年代に起きたペットブームのさなかで、チベタン・スパニエルはペキニーズと合わせて注目を集めた時期がありました。
しかし国内での繁殖者の数が少なく知名度が低かったこと、希少種ゆえに高額であったことが理由となり、飼育頭数の劇的な増加には結び付きませんでした。
ただ、チベタン・スパニエルの様に鼻が低い犬種は鳴き声が低く、無駄吠えが少ない事から日本の住宅事情に合っているという点で高く評価されています。

チベタンスパニエルの特徴や性格

チベタンスパニエルの特徴や性格

チベタン・スパニエルは鼻の低い小型犬に共通してみられる特有の気質を持っています。
性格は甘えん坊で遊び好きという陽気な一面を持ちながらも、頑固でこだわりが強く、意に介さないことには強く反抗をします。
叱られることにも耐性があり、簡単には屈しません。
そのため飼い主側が強気な姿勢で接すると反抗され、噛みつかれることもあります。
しかし、本来チベタン・スパニエルは家族には大変忠実で、しつけの覚えも早い犬種です。

無邪気に遊び戯れるのは子犬の時期だけだと理解しておきましょう。
ドッグランや公園でも一人遊びを好み、他犬と無条件に戯れることはなく軽いあいさつ程度で終わります。

体形は体高より体長が長く、小さ目の頭に小さめのマズル、アンダー・ショットと大変特徴的な外見で、多くの犬種ではアンダー・ショットでの噛み合わせは血統上の欠点と考えられていますが、チベタン・スパニエルに限っては、犬種固有の特徴として認定されています。
近い姿形を持つシーズーやペキニーズに比べ、足と首が長いことも特徴で、比較する際に大きなポイントとなります。

チベタンスパニエルの飼い方

チベタンスパニエルの飼い方

チベタン・スパニエルとの生活においては、飼い主の生活ペースに愛犬が合わせるとうスタンスで十分です。
運動量は少なく、愛犬のために長時間の運動時間を割くという必要は特にありませんが、日々の散歩は気分転換もかねて習慣化してあげると良いでしょう。

チベタン・スパニエルの足の骨格は弓形にカーブした独特な形をしています。
この骨格もチベタン・スパニエルが豊富な運動を必要としない理由となっており、他犬のような激しい運動は骨格に負荷がかかりすぎ、負担になるので注意が必要です。

日々の生活では被毛のカットは必要ありませんが、毛量が多く抜け毛、毛玉ができやすいのでブラッシングは定期的に行う習慣をつけましょう。
また垂れた耳は通気性が悪く、お手入れを怠ると外耳炎を発症しがちです。
外耳炎を発症してしまうと、耳内部の汚れや悪臭が出てきます。
この場合は適切に治療し早期対処が必要となります。

犬種としての適正な体重は4.1〜6.8kgですが、室内で共に生活をする中でつい肥満に陥ってしまうケースも多々あります。
生後一年を迎え、身体的な成長が終わった時点で適正体重を確認し、その後は肥満予防を心がけましょう。

独特な性格からやや頑固、反抗的と感じることもあり、しつけを間違えてしまうと生涯にわたり無駄吠えや噛みつきなど問題行動に悩まされることになるので、トレーニングがうまくいかないと感じたら早期にドッグトレーナーへ相談をしましょう。

チベタンスパニエルの毛色

チベタンスパニエルの毛色

チベタン・スパニエルの毛色は大変バリエーションが豊富で、フォーンをはじめ、レッド、セーブル、ブラック、ゴールド、ブラック&タン、トライカラーまで様々なカラーが認定されています。

日本ではフォーンが最も一般的です。
顔立ちが似ていることから毛色によってはシーズーやペキニーズと間違えられることも多々あります。

チベタンスパニエルの気をつけたい病気や怪我は?

チベタンスパニエルの気をつけたい病気や怪我は?

チベタン・スパニエルは小型犬に多い膝蓋骨脱臼を先天的に患っている場合が多い傾向にあります。
この症状は軽度であれば自身の筋肉で関節を支え、日常生活には支障なく過ごすことが出来ますが、重度の場合は手術や特別なケアが必要です。

また軟口蓋過長、気道狭窄など鼻が低い犬種特有の呼吸器疾患を発症することも多々あります。
過度な運動や興奮で症状がみられることがあり、日ごろから注意が必要です。

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