バセンジー

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バセンジー

英名 Basenji
原産国 コンゴ民主共和国
寿命 12歳〜16歳
サイズ 中型犬
体重 9kg〜12kg
体高 40cm〜45cm

バセンジーの歴史

バセンジーの歴史

世界最古の犬種のひとつとして考えられている「バセンジー」は、アフリカのコンゴ共和国を原産とする少し珍しい犬種です。
バセンジーが誕生したきっかけや、正確な祖先は実のところはっきりと分かっていませんが、少なくとも紀元前の頃からエジプトや中央アフリカ地域で生息していたとされ、その歴史は大変古くから受け継がれてきたと推測されています。

バセンジーのルーツとして有力視されているのは、古代犬種「チズム」と地域の土着犬の交配により誕生したという説です。
チズムは「ファラオハウンド」や「グレイハウンド」などのサイトハウンド犬種の祖先としても知られ、この説によりバセンジーはこれらの近縁種であると考えられています。
ただ、サイトハウンド犬種よりもバセンジーの狩猟能力は大変優れたもので、サイトハウンド犬種が得意とする視覚による狩猟だけでなく、優れた嗅覚によっても獲物を捕らえることができる「最強のハンター」としての資質を兼ね備えており、バセンジーは地域の人々に大変重宝されていたようです。

世界最古とまで言われるほどに長い歴史を持つバセンジーですが、意外にもその存在は20世紀に入るまで広く知られていませんでした。
歴史に初めて登場したのは19世紀後半のことで、1868年に動物学者「シュバインフルト博士」がバセンジーと思われる犬の記録を残したのがはじまりです。

その後バセンジーは生息していたアフリカからイギリスへと輸出されますが、はじめてバセンジーが輸出された際は、全頭が「犬ジステンバー」に感染してしまい全滅してしまいます。
以降もジステンバーの脅威に悩まされ、なかなか育種に動き出せない上、バセンジーは年に一度しか発情期を迎えない犬種のため、苦難の末繁殖に成功したのは1930年代になってからのことでした。

その後アメリカでも繁殖に成功し、イギリス・アメリカを中心に世界的なバセンジーの繁殖が始まりましたが、実はそのルーツを遡ると最初にアフリカからヨーロッパに移り住んだ12頭のバセンジーが、現在のすべてのバセンジーの祖先となっています。
さらにそのうちの10頭はすべて同じ3頭の祖先に繋がっており、極めて濃い近親交配により誕生しています。
これは近代犬種としては非常に稀なケースで、この濃密な近親交配の弊害としてバセンジーは多くの遺伝的疾患を抱えてしまっている犬種となってしまいました。

この問題を解決すべく、1980年代後半からはアメリカのブリーダーがアフリカへと渡り、別のバセンジーと交配をさせることで遺伝性の疾患をなくさせるよう努力を続けています。
このような取り組みの甲斐もあり、現在では病気に強いバセンジーも多く誕生しています。

バセンジーの特徴や性格

バセンジーの特徴や性格

バセンジーは長く伸びた脚が特徴的で、体高40cm〜45cm程度の中型犬です。
短毛タイプの犬種で、被毛は滑らかな手触りとなっています。
また、ピンと空に向いた耳や、クルッと巻かれた尻尾もバセンジーを表す特徴のひとつです。

非常にマイペース、気ままな性格をしており、家族に対しての愛情はあるものの大袈裟にテンションを上げて喜ぶことはしないため、クールな印象を受けると思いますが、人に全く懐かないということもなく、基本の性質は家族想いの大変優しい犬種です。
体調の良し悪しや、悩んでいるかどうかなどは顔のシワの寄り具合で判断することが多く、見知らぬ他人に対しては警戒心を緩めず、額に強くシワを寄せて無表情を装います。

バセンジーの最大の特徴は「吠えない」ということです。
ただ完全に声を出さないということではなく、嬉しい時には「ヨーデル」に似たような声で鳴きます。それ以外の場面ではほとんど吠えることもなく、遠吠えなどもすることはありません。
静かに飼えるという点が、世界的にバセンジーが人気となっている理由のひとつです。

一方で、吠えることが少ない分、バセンジーは自分の感情をボディランゲージによって伝えようとする特徴があります。バセンジーの飼い主さんは特に犬のボディランゲージの意味を理解しておくと良いでしょう。

また、バセンジーは自ら猫のように毛繕いをするという特徴があります。
そのため体臭に関しても臭いを感じることはあまりないでしょう。

バセンジーの飼い方

バセンジーの飼い方

バセンジーは優秀なハンターとして活躍してきた歴史を持ち、その運動能力は非常に高いものとなっています。また、スタミナも豊富で相当エネルギッシュな中型犬なので、可能であれば広めの庭などがある環境で飼育してあげるのが良いでしょう。
庭さえあれば自分である程度運動を行い、ストレス発散が出来ますが、ずっと室内に閉じ込めてしまうとストレスが溜まり体調を崩すことも多々あります。

運動量は大型犬と同じくらい必要となる犬種のため、散歩にはかなりの時間を要します。
1日2回、1回1時間以上しっかりと歩かせてあげるのが基本です。
アフリカ原産、短毛種ということもあり、バセンジーは寒さに対し非常に弱い犬種です。
冬などの寒い時期の散歩では服を着せるなど、しっかりと防寒対策を行ってあげる必要があります。

しっかりとした運動量消費を行わないといけない犬種なので、ドッグランなどの全力運動ができる場所に連れて行くのも良いですが、ドッグランなどのリードを放せる場所に連れて行く場合は、かなりの注意が必要です。
優れた運動能力はジャンプ力も非常に高く、人間の腰くらいの高さであれば柵も楽々飛び越えてしまいます。
一旦脱走してしまうと到底追いつけないスピードで遠くへ行ってしまうため、ドッグランなどの施設を利用する際は、オフリードにしても大丈夫か安全性をきちんと確認してから放してあげるようにしましょう。

賢く、気性が荒い犬種ではないものの、しつけに関しては飽きっぽく、マイペースな性格をしていることから、やや根気が必要になります。しつけを行う際は褒めることを基本に、なるべく興味を引くような道具を使い、遊びながら学ばせる方法が向いている犬種です。

バセンジーの毛色

バセンジーの毛色

バセンジーの毛色は、元々レッド&ホワイトが主流でしたが、1900年代後半からの改良によって様々なカラーが見られるようになりました。
定番のレッド&ホワイトをはじめ、現在ではブラック&ホワイトの人気も高く、その他にもブラック一色やブリンドル、タン&ホワイトなどのカラーが存在しています。

バセンジーの気をつけたい病気や怪我は?

バセンジーの気をつけたい病気や怪我は?

バセンジーはストレスや環境の変化によって下痢を起こしやすい犬種です。
特に冬場はお腹を冷やしてしまいがちなので、消化のしやすい食事やお腹周りを温めるために、犬用腹巻きなどを使用すると良いでしょう。

また、バセンジーはその犬種の成り立ちから遺伝性疾患を持つ個体も多く存在します。
中でも特徴的な「ファンコーニ症候群」と呼ばれる腎臓疾患は非常に厄介で、最終的には「慢性腎不全」にも繋がり命にも関わる疾患でありながら、バセンジーの遺伝性ファンコーニ症候群は根本的な治療方法がなく、完治することはありません。
しかし早期発見、適切な早期治療を行うことでコントロール下におきながらQOLを保ちつつ寿命を延長することが出来ますので、バセンジーを飼育する際はこの病気に対しての知識をしっかりと持つ動物病院で定期的な尿検査や血液検査を行うようにしましょう。

バセンジーの遺伝性疾患には、その他にも「鼠径ヘルニア」や「臍ヘルニア」などが多く報告されています。これらの疾患も進行の程度によっては手術が必要となるため、定期的な診療を受けるようにしておきましょう。