犬には、「子犬期・成犬期・老犬期」と大きく分けて3つのライフステージがあります。
ライフステージごとに必要な栄養量は違うので、愛犬に毎日与えるフードはその時期に合わせ適切なものを選ぶようにしましょう。
今回は、子犬期のフードの選び方とおすすめのドッグフードについて紹介したいと思います。
子犬の期間は、犬の体のサイズによって変わってきます。
個体によって微妙に差はありますが、基本的には以下の月例を目安にしましょう。
成長期の長さ | |
超小型犬(4kg以下) | 8ヶ月 |
小型犬(5〜10kg) | 10ヶ月 |
中型犬(11~25kg) | 12ヶ月 |
大小型犬(26〜44kg) | 15ヶ月 |
超大小型犬(45kg以上) | 18〜24ヶ月 |
成長時のサイズが大きいほど、犬が完全に成熟する(成犬期)までの時間は多くかかります。
とはいえ、どの犬も子犬期の成長は目覚ましいもので、骨格や内臓、免疫や筋肉など、様々な機能が急速に成長します。
この時期の栄養管理をしっかりと行うことによって、成長後の健康維持がしやすくなるといえるでしょう。
子犬期のドッグフードを選ぶときは、以下3つのポイントを重視しましょう。
筋肉や骨格を正常に発達させるには、高品質で消化しやすいタンパク質を多く摂取しなければいけません。
また、子犬は一度にたくさんのフードを食べることができませんが、生理機能の健康な発育には十分なエネルギーが必要です。
少ない量でも十分な栄養素を摂取できるように、子犬期のフードは高タンパク質・高カロリーなものを選びましょう。
なお、避妊・去勢後は性ホルモンの分泌がなくなって代謝が落ちるので、肥満には注意してください。
子犬期に摂取したい栄養素のなかでも、特に重要なのは「カルシウム」と「リン」です。
この2つのミネラルは骨や歯の構成成分であり、子犬が健康に育つうえで欠かすことのできないものです。
アメリカの団体AAFCOによると、成長期のカルシウム・リン栄養基準値は以下の通りです。
カルシウムが不足したり、リンが多すぎたりすると、骨格の正常な成長をさまたげる可能性があります。
また、ミネラルは基本的にサプリメントなどで補充したりせず、毎日の食事から自然に摂取できるようにしましょう。
成長期だからといって過剰にカルシウムを与えると、高カルシウム血症による骨格異常が起きかねません。
子犬は消化器や歯の発達が未熟なので、成犬よりも消化不良を起こしやすいといわれています。
子犬期に与えるフードは、子犬の小さな口でも食べやすいサイズや硬さで、できるだけ高消化性のものを選びましょう。
炭水化物量が多いフードは、腹持ちが良いぶん消化に時間がかかるので、子犬期では避けたほうが無難です。
ここからは、子犬におすすめのドッグフードを7つご紹介します。
はじめてのフードを購入するときは小さい容量のものを選んでおくと、好みでなかった場合も無駄が少なく済みます。
どのフードも原材料の安全性は高い商品なので、ぜひ気になるものから試してみてくださいね。
タンパク質38%と、オリジンは子犬用フードのなかでも圧倒的に高タンパクなのが特徴です。
タンパク質が多いぶん炭水化物量は少ないので、消化吸収性・栄養価がとても高く、成長期の子犬にぴったり。
切り替え時に軟便を起こす可能性を考え、はじめは今与えているフードに少量混ぜて与えましょう。
主原料 | チキン |
原産国 | アメリカ |
容量 | 340g、2kg、5.9kg、11.3kg |
カロリー/100g | 396kcal |
カナガンはタンパク質33%と高めながら、カロリーは平均程度で高くも低くもありません。
成犬になっても継続して与えやすいこと、カルシウム・リンのバランスが良いことから、使いやすいフードといえます。
全ライフステージ用のため、粒サイズは約1cmと普通ですが、小型犬でも食べられる大きさですよ。
主原料 | チキン |
原産国 | イギリス |
容量 | 2kg |
カロリー/100g | 361.25kcal |
高タンパク・高脂質なわりにカロリーは平均的で、避妊・去勢後も使いやすいフードです。
原材料の安全性も高く、カルシム・リンのバランスも調整されているので、安心して与えることができるでしょう。
グルコサミンとコンドロイチン配合で、関節や軟骨の健康維持・発達にも効果が期待できますね。
主原料 | チキン |
原産国 | カナダ |
容量 | 340g、2kg、6kg |
カロリー/100g | 366kcal |
総量の80%が動物性原料であり、消化吸収率87%と高消化性のドッグフードです。
タンパク質は27%とそれほど高くありませんが、カロリーとミネラルバランス的には成長期の子犬向きといえます。
カロリーが高いので、避妊・去勢後はしっかりとフード量を調整し、太らないように気をつけましょう。
※もう少し高タンパクなフードがよければ、ファインペッツ(極)もおすすめです。
主原料 | 鹿肉、鶏肉 |
原産国 | オランダ |
容量 | 1.5kg、4kg |
カロリー/100g | 440kcal |
味や機能性のバリエーションが多いニュートロは、食いつきの評価が良いことで知られています。
タンパク質28%、ミネラルの含有量も高くはありませんが、原材料や価格を考えると、非常にコスパの良いフードです。
ニュートロ独自の製造技術により、芯までふやけやすく噛みやすい形状の粒で作られているのも高評価です。
※同メーカーが出している別シリーズ ニュートロ シュプレモ『子犬用』もよく似た栄養成分です。
主原料 | チキン |
原産国 | アメリカ |
容量 | 1kg、3kg、6kg |
カロリー/100g | 380kcal |
新鮮な肉をはじめ、野菜や果物がたっぷり入ったグレインフリーフードです。
粒サイズがとても小さいので、超小型犬~小型犬でもストレスなく食べることができ、飽きづらい設計なのが◎。
タンパク質28%と成犬でも食べ続けることができるので、子犬のうちに味見させてあげましょう。
主原料 | ターキー |
原産国 | カナダ |
容量 | 454g、2.72kg、11.34kg |
カロリー/100g | 378kcal |
ニュージーランド産のチルドミートフードで、味・香りは魚肉ソーセージそっくり!
生肉とほぼ同じ量の水分(水分含有量70%程度)を含んでいるので、消化器官が未熟な子犬でも消化しやすいです。
ウェットフードには珍しい「総合栄養食」で、ドライフードが苦手な子犬の常食としてもおすすめですよ。
主原料 | ビーフ、ラム、チキン※ブラックレーベル |
原産国 | ニュージーランド |
容量 | 800g、2kg |
カロリー/100g | 116kcal |
警戒心の強い犬では、子犬の頃に食べたことのないものを成長後も口にしない、ということがあります。
特に生後6ヵ月間は食の好みが決まる大切な時期なので、できる限りいろいろな味・タイプのフードを経験させましょう。
食べられるものを増やしておくと、病気治療中の投薬時に使う食べ物や、特別なごほうびの選択肢が増えます。
ドライフードだけでなく、ウェットタイプのフードも与えるなど、子犬期には色々なものを与え、食べ物の幅を広げておいてください。
チキン・サーモン・ラム・ビーフ・馬肉など、味もフードによって色々なので、愛犬の好きな味を見つけてみましょう。