チワワのアンダーショットは矯正すべき?遺伝や成長過程の注意点

チワワのアンダーショットは矯正すべき?遺伝や成長過程の注意点

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チワワと言えば、小さな体に大きな瞳が愛らしい犬種ですよね。
しかし、その愛らしさゆえに、下の歯が上の歯よりも手前に出てしまう「アンダーショット」だと少し気になってしまうという飼い主さんも多いかもしれません。
今回は、チワワのアンダーショットについて詳しくお話していきます。

チワワがアンダーショットになる原因①遺伝

チワワがアンダーショットになる原因①遺伝

パグやフレンチブルドッグなど「アンダーショットが正常な噛み合わせ」とされている犬種も多いのですが、チワワはそうではありません
では、チワワがアンダーショットになってしまうのにはどのような原因があるのでしょうか。

チワワに限らず、犬がアンダーショットになってしまう原因で最も多いのが「遺伝」です。
親犬の噛み合わせがアンダーショットの場合、高確率でその子犬もアンダーショットになると言われています。

また、遺伝でアンダーショットとなった場合は、乳歯が生え揃う頃にはすでに下顎が上顎よりも出ている状態です。
そうなると下の歯が生え揃った時に唇や歯茎を傷つけてしまう危険もあるので、小さなうちから一度動物病院で噛み合わせのチェックをしてもらうと安心ですよ。

チワワがアンダーショットになる原因②乳歯遺残

チワワがアンダーショットになる原因②乳歯遺残

チワワのアンダーショットで次に多いとされる原因が「乳歯遺残(にゅうしいざん)」です。
聞き慣れない言葉ですが字からもイメージできる通り、本来ならば成長の過程で抜け落ちる乳歯が抜けないまま残ってしまうことを言います。

この乳歯遺残を放置したままでいると、永久歯が正常な場所に生えなくなってしまい歯並びが悪くなってアンダーショットにつながってしまうのです。
乳歯遺残はチワワを始めとした小型犬で多く起こるものなので、飼い主さんは注意して見てあげることが重要です。

犬のアンダーショット…デメリットは?

犬のアンダーショット…デメリットは?

では、チワワを始めとした犬のアンダーショットには何かデメリットがあるのでしょうか?
ここからは、犬のアンダーショットのデメリットについてご紹介します。

①口の中を怪我しやすい

先ほども少しお話したように、アンダーショットだと口の粘膜や歯茎に歯が当たり怪我をしてしまうことがあります。
口の中の怪我と言っても軽く見てしまうのは大変危険で、口内の傷口から細菌に感染してしまうと犬の健康を脅かすことにもつながります。

しかし、これはあくまでも上下の歯のずれが5mm以上あった場合の話です。
アンダーショットと言っても5mm以内のずれであれば、ほとんどの場合に怪我の心配はないと言われています。

②歯垢が付着しやすくなる

人間の場合でも歯並びが悪いと十分な歯磨きが難しくなってしまいますが、それは犬でも同じです。
アンダーショットの犬の場合、どうしても歯磨きでは手が届きにくい箇所ができてしまうため、歯垢がつきやすいと言われています。

人間の場合では歯垢から歯石に変わっていくのには20日ほどかかりますが、犬の場合はたったの3日ほどで歯石となります
歯石を放っておくと歯周病にもつながりますので注意が必要です。

③ごはんが食べづらくなる

下顎が出ていることによって、噛むことがうまくできずに食事がしにくいというデメリットがあります。

「食べづらくなるくらいなら別にいいのでは?」と思う飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、場合によっては食事のたびに口の中を噛んで怪我をしてしまうこともあるので、気をつけて様子を見てあげる必要があります。

④見た目が気になってしまう

上下の歯のずれが5mm以下であれば、見た目もそれほど気にはなりません。
しかし、5mm以上のずれとなるといわゆる「しゃくれ」のような状態になってしまうので、見た目にもはっきりとわかります。

もちろん「そのしゃくれが可愛い」という意見もあるとは思いますし、これは飼い主さんが気にするかどうかのことであって「デメリット」というほどのことではないかもしれません。
犬であっても人間と同じように、できるならば外見よりも性格など中身を重視してあげたいですよね。

犬のアンダーショットは矯正が必要な場合もある

犬のアンダーショットは矯正が必要な場合もある

チワワを始めとした犬のアンダーショットのデメリットについてお話してきました。

アンダーショットであっても、上下の歯のずれが大きなものでないのなら生活に支障が出ることもないでしょうし、矯正などの治療は必要ないと言えます。
しかし、口内を怪我してしまうことが続いたり歯石が溜まってしまって歯周病のおそれが出てきたりした場合には矯正が必要となることもあります。

犬は人間のように長期間にわたって矯正器具をつけて治療を行うことはできません。
そのため、犬の歯科矯正となると歯を抜いたり歯を短く切断したり・・・という外科的措置になります。
しかし、犬の外科的措置には全身麻酔を行う必要があるので、犬の体にも大きな負担となってしまいます。
犬の歯科矯正については、かかりつけの獣医師とよく相談するようにしてくださいね。

チワワのアンダーショットは過剰に心配する必要はない

チワワのアンダーショットは過剰に心配する必要はない

チワワを始めとした犬のアンダーショットについてお話していきました。
さまざまなデメリットについても詳しくお話しましたが、これらはあくまでも「上下の歯のずれが5mm以上の場合」です。

チワワでも他の犬種であっても5mm以下のずれであれば、過剰に心配する必要はないので安心してください。
特に問題がないようであれば、その歯並びも「個性」だと思って大切にしてあげてくださいね。

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