アラスカンマラミュートってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

アラスカンマラミュート

お散歩目安 1日60分×2回
ブラッシング頻度 2〜3日に1回
トリミング 不要
Alaskan Malamute

アラスカンマラミュートってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

アラスカンマラミュートの基本情報

英名 Alaskan Malamute
原産国 アメリカ合衆国
寿命 10歳〜14歳
サイズ 大型犬
体重 オス:約38kg
メス:約34kg
体高 オス:約63.5cm
メス:約58.5cm
分類 5G:原始的な犬・スピッツ

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

アラスカンマラミュートの歴史

アラスカンマラミュートの歴史

その外見からシベリアン・ハスキーとよく混同されやすいアラスカン・マラミュートですが、実際にはアラスカン・マラミュートはハスキーよりも一回り大きく、大型犬に分類される犬種です。
起源に関する正確な記述はなく、そのルーツは未だ不明ですが、古くからアラスカに土着していたと推測され、近年のDNA研究ではきわめてオオカミのDNAと酷似していることから、祖先はオオカミではないかともいわれています。

アラスカン・マラミュートの名称の由来ともなった「マラミュート族」はアラスカのエスキモーと呼ばれる先住民族で、アラスカン・マラミュートは部族の暮らしを手伝い、長く共存してきました。
部族の中でアラスカン・マラミュートの役割は多岐にわたり、クジラやホッキョクグマなどの漁・狩猟の際に使役犬として働いたり、他の野生動物から村を守る番犬のような存在としても活躍していました。
また、運搬や移動手段としても高い能力を発揮し、昨今ではその能力がドッグスポーツの「犬ぞりレース」などで活かされています。

こうして閉鎖的な世界でマラミュート族と密接な協力関係にあり、良きパートナーとして歩んできたアラスカン・マラミュートですが、18世紀に入るとその歴史に大きな変革が訪れます。
当時アラスカでは金鉱が発見され、ゴールドラッシュに沸くアメリカなどから多くの白人が押し寄せてくる時代でした。
アラスカン・マラミュートが欧米人に発見され、時代の流れで白人の入植が進むと、当時から流行していた「犬ぞりレース」でアラスカン・マラミュートの需要が高まりました。
しかし、犬ぞりレースでは大金が賭けられるため、より早く走れる犬種の需要が次第に高まっていくと、アラスカン・マラミュートもより高い運動能力が求められ、雑交配を強いられるようになっていきました。
その結果、純血のアラスカン・マラミュートは数を減らし、絶滅の危険性が指摘されるほど存在が危ういものとなってしまいました。

1926年以降、この事態を受け一部の愛好家により、アメリカでは純血のアラスカン・マラミュートを守ろうという動きが見られるようになります。
何とかこうした活動が実を結び、アラスカン・マラミュートは純血種が守られ、伝統的な交配と改良によって現在の犬種に発展していくことに成功しました。
アラスカン・マラミュートは本来、現在でいう中型犬程度の大きさだったといわれていますが、この改良の過程で体高が増し、現在では大型犬の体格を持つ犬種となり、今でも犬ぞりレースなどでは「花形犬」として活躍しています。

アラスカンマラミュートの特徴や性格

アラスカンマラミュートの特徴や性格

長い歴史の中、部族とともに共存してきたアラスカン・マラミュートは、オオカミのような見た目とは裏腹に元来真面目な性格を持っており、飼い主には従順でとても賢い犬種です。
ただし多くの個体で他の犬種との相性が悪く、時折攻撃的な姿勢を見せることが確認されています。
これは主人と自分の仲間たちを守るための防衛本能とされていて、エスキモーたちと暮らしていたころの名残ともいわれる部分です。
決して悪い性格ではないのですが、公園などに連れて行く際には他の犬種と喧嘩にならないように注意が必要となります。

基本的に家族に対してはフレンドリーで、甘えたがりな一面も見せてくれるので、愛らしく感じることは多いでしょう。
また、高い献身性も持っており、安心して一緒に生活できるところもアラスカン・マラミュートの魅力の一つです。

アラスカンマラミュートの飼い方

アラスカンマラミュートの飼い方

アラスカン・マラミュートは比較的しつけもしやすく、飼いやすい犬種のひとつです。
知性も高く、飼い主の言うこともしっかりと理解してくれます。
本能的には攻撃的な一面を持っていますが、小さな頃から訓練を行い、矯正することで特に大きな問題もなく、安心して散歩にも連れて行けるでしょう。

大型犬のため運動量は多く、運動不足にならないように毎日の散歩や運動は欠かせません。
性格的には飼いやすい犬種ですが、体力がない方だとアラスカン・マラミュートの有り余る体力に付いていけず、苦労するかもしれません。
しかし、運動についていけないからといって散歩を疎かにすると、アラスカン・マラミュートはストレスを抱え性格に獰猛性が加わってきます。
そのため、なるべく広い空間で遊べるような環境を与えてあげるといいでしょう。

また、元々アラスカ原産のアラスカン・マラミュートは暑さに弱く、夏場は散歩する際の水分補給や、日陰を歩かせるなどの配慮が必要です。
さらに体毛が生え変わる時期は丁寧なブラッシングをしてあげないと皮膚病の原因にもなるため注意が必要です。
こういった要素もあり、かなり関わる時間が多くなる犬種なので、飼い始めるときには自分のライフスタイルに適しているかをしっかりと熟考の上検討するようにしましょう。

アラスカンマラミュートの毛色

アラスカンマラミュートの毛色

アラスカン・マラミュートの毛色は大半が明るいグレーやブラック×ホワイトとなっています。
特別決まりはありませんが、下腹部や脚の一部にホワイトの要素が強くなる傾向があります。
また、遺伝的に顔の鼻先を中心にホワイトが優勢となることが多く見られるのも特徴のひとつです。

アラスカンマラミュートの気をつけたい病気や怪我は?

アラスカンマラミュートの気をつけたい病気や怪我は?

アラスカン・マラミュートを飼育する上で特に気をつけたい病気は「白内障」と「股関節形成不全」です。

白内障は直接的に人間が発症を抑えるように関与できるものではありませんが、股関節形成不全に関しては、体重の管理や日々の運動などでリスクを軽減することができます。
歩き方などに異変を感じたらすぐに病院に連れて行きましょう。

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