オーストラリアンケルピー
お散歩目安 | 1日60分以上 |
ブラッシング頻度 | 週に1回 |
トリミング | 不要 |
オーストラリアンケルピーってどんな犬?歴史・性格・飼い方について
オーストラリアンケルピーの基本情報
英名 | Australian Kelpie |
原産国 | オーストラリア |
寿命 | 12歳〜15歳 |
サイズ | 中型犬 |
体重 | 11kg~21kg |
体高 | オス:46cm~51cm メス:43cm~48cm |
分類 | 1G:牧羊犬・牧畜犬 |
※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。
目次
オーストラリアンケルピーの歴史
オーストラリアンケルピーは、1870年代にコリー犬と野生動物ディンゴを掛け合わせて作出された犬種です。
日本では飼っている人が少ない珍しい犬ですが、原産国オーストラリアでは10万頭以上が登録されている人気犬種。
現役の牧羊犬をはじめ、ショードッグや家庭犬として、オーストラリアに住む多くの人々に親しまれています。
オーストラリアンケルピーのもとになったのは、スコットランド人が持ち込んだコリー犬です。
18世紀頃、イギリス・スコットランドからの移民が連れていたコリー犬と、野生動物ディンゴの交配が進められました。
そして、ディンゴに似た外見とコリー犬の忠実な性格を持ったオーストラリアンケルピーが生まれたのです。
その特徴的な外見と性格が人気となり、オーストラリアンケルピーは徐々に知られるように。
1872年にはオーストラリアの牧羊犬競技会で優勝し、オーストラリアンケルピーの知名度と人気は更に高まることになります。
オーストラリアンケルピーの数は、その人気の高まりと共にオーストラリア国内で増えていったのですね。
牧羊犬としてはもちろん、オーストラリアンケルピーは家庭犬やショードッグとしても愛されました。
現在、ワーキングドッグの血統とショードッグの血統は明確に区別され、それぞれ別の登録団体で管理されています。
別の登録団体で管理するという試みは1965年にスタートしたものであり、50年以上経つ現在も続いています。
その目的は、ショードッグとしての外見と性格の個体が、ワーキングドッグの血統に混ざってしまうのを防ぐというもの。
ショータイプの個体がワーキングタイプの血統に入ることで作業能力が低下しないよう、工夫されたのです。
ちなみに、ケルピーはスコットランドの方言「ゲール語」で、伝説に現れる水の精のことです。
オーストラリアンケルピーの作出にはスコットランド人が大きく関わったことから、この名前がついたのでしょう。
作出の過程には諸説あり、確かなことは分かっていませんが、スコットランドと密接なかかわりがあることは間違いありません。
なお、オーストラリアンケルピーは、AKC(アメリカンケネルクラブ)に認められていない犬種です。
理由としては、ワーキングタイプとショータイプの2種類が存在することから、犬種として認めることは難しいというもの。
ただ、オーストラリアをはじめ、イギリスやカナダ、日本ではオーストラリアンケルピーを犬種として認定しています。
オーストラリアンケルピーの特徴や性格
オーストラリアンケルピーは、キツネのような顔立ちとがっしりした手足が特徴的な犬種です。
体高より体長がやや長く、耳はピンと立っており、たくましく引き締まった体つきは、まさにワーキングドッグ。
牧羊犬らしい活発さと敏捷さを併せ持ち、与えられた仕事を完璧にこなせる身のこなしをしています。
オーストラリアンケルピーの性格は、陽気・穏やか・平和主義などといわれています。
争いを好まない優しい性格なので、こどもや他犬とも問題なくコミュニケーションが取れるでしょう。
牧羊犬らしい繊細な神経と判断力、高い忠誠心を持っているため、リーダーと認めた相手には忠実に従います。
なお、オーストラリアンケルピーは家族に対する仲間意識が強く、不審者に対しては激しく威嚇します。
防衛心も強いため番犬としても向いていますが、無駄吠えの癖がつかないよう、徹底したトレーニングが必要です。
オーストラリアンケルピーの飼い方
牧羊犬であるオーストラリアンケルピーには、1日1~2時間以上の散歩が必要です。
時にはドッグランなどの広い場所で思いっきり走るなど、運動欲求を十分に満たしてあげましょう。
ショータイプのオーストラリアンケルピーであっても、ワーキングドッグとしての本能はしっかりと残っています。
興味があれば、アジリティやフライングディスクなどのドッグスポーツに挑戦しても良いかもしれません。
なお、オーストラリアンケルピーは被毛の手入れが楽な犬種です。
週2回程度ブラッシングすれば毛玉ができることはなく、シャンプーも月に1~2回程度でOK。
ただし、春と秋に訪れる換毛期には下毛が大量に抜けるため、少しお手入れの頻度を増やしてあげましょう。
また、オーストラリアンケルピーを飼う時は「無駄吠えのしつけ」が必須です。
というのも、吠えることで羊を誘導してきた犬種であるため、警戒や要求などは吠えて伝える傾向があるからです。
無駄吠えによるトラブルが起こらないよう、トレーニングは子犬の頃からしっかりと行ってくださいね。
オーストラリアンケルピーの毛色
オーストラリアンケルピーの毛色には、ブラック、レッド、フォーン、チョコレートなど様々な色があります。
上記4色のほか、ブラック&タン、レッド&タン、スモーク・ブルーの3色は、ドッグショーでも認められています。
オーストラリアンケルピーの気をつけたい病気や怪我は?
オーストラリアンケルピーは「進行性網膜萎縮症・拡張型心筋症・小脳変性症」に注意が必要です。
進行性網膜萎縮症は遺伝性の疾患で、発症すると目の中の網膜が委縮してしまい、少しずつ視力を失っていきます。
拡張型心筋症は、心筋が異常を起こし、心臓の働きが悪くなる病気であり、治療は症状を和らげるための対症療法のみです。
また、小脳変性症は小脳が正常に働かなくなり、ふらつきや斜頸、旋回などがみられ、完治することはありません。
その他、オーストラリアンケルピーは、関節疾患の発症リスクも高い犬種です。
できるだけ関節の俯瞰が少なくなるよう、体重管理には十分注意し、太らせないようにしましょう。