ビションフリーゼってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ビションフリーゼ

お散歩目安 1日60分以上
ブラッシング頻度 毎日
トリミング 必要
Bichon Frise

ビションフリーゼってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ビションフリーゼの基本情報

英名 Bichon Frise
愛称・別名 ビション
原産国 フランス
寿命 14歳〜15歳
サイズ 小型犬
体重 約5kg
体高 25cm〜29cm
分類 9G:愛玩犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

ビションフリーゼの歴史

ビションフリーゼの歴史

ビション・フリーゼはフランス原産の小型犬種です。
ビションはフランス語で「飾る」という意味で、フリーゼは「巻き毛(縮れた毛)」を意味しています。

ビション・フリーゼの祖先とされている犬種は、地中海沿いで繁殖していたウォーター・スパニエル犬種「ハーベット」に、体毛が白いマルチーズなどの小型犬を掛け合わせて作出されました。
この掛け合わせは「ハービションズ」と呼ばれており、それが短縮され「ビション」の名に繋がります。

元々ビション系には4つのタイプがいました。
それが「テネリフェ」「ビション・マルチーズ」「ボロニーズ」「ハバニーズ」です。
このうち、現在のビション・フリーゼの元祖とされているのが「テネリフェ」で、これは地中海を行き交う船乗りたちがカナリア諸島にあるテネリフェ島に持ち込んだことに由来します。

14世紀になり貿易が盛んになると、テネリフェはイタリアへと渡ります。
テネリフェは、この時にはもう現在のビション・フリーゼとほぼ同じ姿形をしており、ローマの貴婦人たちに広く愛されました。
16世紀にフランスへと渡った後も、フランソワ1世やアンリ3世など、時の権力者のペットとして寵愛されていたとの記録が残っています。
しかしこのテネリフェ=貴族の犬という図式が、のちに不遇の時代を迎える原因となってしまいます。
1789年から起きたフランス革命では、貴族とともに多くの犬たちが殺害されましたが、テネリフェも例外にもれず、多くの命が奪われることになりました。

その後、王族や貴族の手厚い保護がなくなったテネリフェは、様々な犬種との交配が繰り返され、純粋な血統のものはほぼ絶滅してしまいました。
この状況を見て少人数の繁殖家たちが血統の復元や、繁殖・保護にあたるようになると、1933年にようやく「ビション・フリーゼ」の名が与えられ、翌年にはフランスのケンネルクラブで正式に公認されるようになりました。

1950年代に入りアメリカや日本へ持ち込まれると、1970年代にはアメリカのケンネルクラブにも公認犬種として登録され、現在でもよく見かけるアフロヘアーのような「パウダーバフ」と呼ばれるスタイルが生み出されます。
このヘアースタイルが注目され、元来持っていた陽気な性格もありビション・フリーゼは再び人気犬種の仲間入りを果たしました。

ビションフリーゼの特徴や性格

ビションフリーゼの特徴や性格

ビション・フリーゼは非常に陽気で明るく、人懐っこい性格をしています。
そのため、家庭用ペットとしての人気が高く、サイズ感も小柄でマンションなどでも飼いやすいことから多くの層に受け入れられています。

他の犬や小動物に対してもフレンドリーに接してくれ、あまり騒がず落ち着いた性格も人気の一つです。
ビション・フリーゼの元となったテネリフェは、サーカスや大道芸人などに飼育されることも多く大変我慢強い一面を持ち合わせています。
また、子供に対しても優しく接してくれるので小さい子供がいる家庭でも比較的飼いやすい犬種とされています。

その穏やかな性格は番犬には不向きで、猫のようにフラフラとどこかへ出て行こうとするマイペースな性質を持っていますが、これは大人しく優しい性格により周囲に気をつかいすぎて、ストレスを溜め込んだことにより誘引される事象ではないかと考えられています。

ビション・フリーゼは、ダブルコートの巻き毛となっており、ヘアースタイルも様々なものが楽しめます。

ビションフリーゼの飼い方

ビションフリーゼの飼い方

ビション・フリーゼは小型犬の中でもかなり小さめの体格をしていますが、見た目とは違い体力があり、骨格もしっかりしています
そのため毎日の運動は欠かせず、散歩の時間も比較的多くなります。
目安としては1日あたり60分程度の散歩が必要です。

ただし、その見た目からも分かる通り体毛の量が多いので、カットスタイルによっては日本の夏場など暑い時期は長時間外に出すのは危険です。
そのようなスタイルの場合、暑い時期は室内でもたくさん運動をさせてあげられるよう工夫をしましょう。

人間やほかの動物にも懐きやすい性格のため、飼育の苦労は比較的少ないタイプの犬種です。
そのため、多頭飼いをしたい場合や犬を初めて飼う初心者、子供がいる家庭にもおすすめできる犬種です。

ビション・フリーゼのカットスタイルといえば、アフロのようなヘアアレンジの「パウダーバフスタイル」が有名ですが、この形を作り上げるのはプロのヘアスタイリストでないと大変です。
そのため、スタイリング代は他の犬種に比べると多くかかり、毎日のブラッシングなどの手間は比較的多いものとなっています。

ビション・フリーゼの被毛はダブルコートでふわふわとした毛質が特徴的ですが、下毛に空気を入れてあげないとスタイルが崩れてしまったり、ストレスの要因となる場合がありますので注意が必要です。

ビションフリーゼの毛色

ビションフリーゼの毛色

ビション・フリーゼの毛色は純白のホワイトのみが認められます。

子犬時代には稀に耳や頭部に、薄いアプリコットカラーやタン、フォーンが見られる場合がありますが、基本的には成犬になるにつれ解消されます。
場合によっては成犬になっても解消されない場合があり、ドッグショーなどでは認められませんが、それも一つの個性として可愛がってあげてください。

ビションフリーゼの気をつけたい病気や怪我は?

ビションフリーゼの気をつけたい病気や怪我は?

ビション・フリーゼは遺伝性疾患が少なく、病気の心配は少ない方の犬種ですが、もちろんかかりやすい病気というのが存在します。

その一つは「尿石症」で、尿結石などを引き起こす病気です。
飼っているビション・フリーゼのおしっこの回数を日々記録しておくと、予防・発見に繋がりますのでおすすめです。

また、ダブルコートで毛量が多い犬種なので、湿気がたまりやすく皮膚病の原因となる場合があります。
毎日ブラッシングを行い、抜けている毛などをこまめに取り除いてあげましょう。

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