チャウチャウってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

チャウチャウ

お散歩目安 1日30分×2回
ブラッシング頻度 毎日
トリミング 不要
Chow Chow

チャウチャウってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

チャウチャウの基本情報

英名 Chow Chow
原産国 中国
寿命 8歳〜12歳
サイズ 大型犬
体重 20kg〜32kg
体高 オス:48cm~56cm
メス:46cm~51cm
分類 5G:原始的な犬・スピッツ

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

チャウチャウの歴史

チャウチャウの歴史

チャウ・チャウは中国華北を原産とする中〜大型犬に分類される犬種です。
その歴史は大変古く、紀元前からすでに中国に土着していたという記録が残っています。
チャウ・チャウの起源となる犬については明確な記述が残されておらず、その外見からサモエドやチベタン・マスティフなどの犬種が祖先犬ではないかと推定されていますが、これらの犬種は成長と共に現れるチャウチャウの特徴である「青い舌」を持っておらず、このことからも未だ正確な起源が不明となっています。
また、同じく中国を原産とする「シャーペイ」も同様に青い舌を持つことから、チャウチャウとシャーペイは共通の祖先から派生しているという見方が有力です。

チャウ・チャウは大変豊富な皮下脂肪を蓄えた体質であったことから、猟犬や番犬としての役目だけでなく食用、毛皮用として飼育されてきた過去を持っています。
後ろ脚の関節は垂直構造になっており、この構造からチャウ・チャウはちょこちょこと刻むように歩行をします。
本来猟犬として活躍する上でこの骨格や体質は致命的ですが、食肉犬という面で、太りやすく運動能力が低いことは最適であったため、改良されてこなかったのではないかと考えられています。

1820年頃、大柄な体型と可愛らしい歩調、鼻の低い愛嬌ある顔立ちが注目され、イギリスの新聞社が「中国の野生の犬」として紹介すると、ロンドン動物園に展示されることになり話題を呼びました。
このことがきっかけで、チャウ・チャウは当時のビクトリア女王の関心を引き、愛玩犬としての存在を確立し始めます。
1894年、イギリス・ケンネルクラブにて犬種が登録されると、翌年には同国で「THE CHOW CHOW CLUB」という犬種クラブが設立され、数々のドッグショーに出展されるようになりました。

日本でも昭和の中頃、テレビCMにチャウ・チャウが登場すると一気にブームが巻き起こります。
当時の日本ではチャウ・チャウのような長毛種は大変希少であったこと、屋外飼育にも耐えうる丈夫な体を持っていたことが受け、チャウ・チャウは爆発的に飼育頭数を増やしました。
しかし実際に生活を始めてみると、想像以上に豊富な運動量が必要となることや、言語理解力が低く最低限のしつけさえ難しいとされ、ブームは大変短い期間に終息を迎えます。
現在ではごく一部の愛好家の間で飼育がされていますが、当時に比べると骨格は小柄になり、性格も温厚さを増しています。

チャウチャウの特徴や性格

チャウチャウの特徴や性格

チャウ・チャウは当初、食用として考えられていたことから運動能力、知能は大変低く、脂肪を蓄えやすいことが重視されていました。
そのためペットとして家族に迎えてもなかなか意思の疎通が難しく、他犬とはやや違う距離を感じることが多々あります。

特徴的な外見である豊富な被毛は、大変密集度が高くお手入れは想像以上に困難です。
この被毛も当初は毛皮を目的としていたために他犬に比べ数倍の毛量があります。
自宅でのシャンプーやブラッシングは困難で、定期的にプロの手を借りる必要があります。

性格は一見温厚で常に平常心を保つかのように見え、忍耐強く些細なことには微動だにしないという傾向もあります。
しかし反面、不快に感じることや警戒心を抱いた場合は突発的に攻撃姿勢を見せることもあり、油断は禁物です。

他犬や家族以外の人間との無防備な交流はあまり得意とせず、家族との密な関係性が適しています

チャウチャウの飼い方

チャウチャウの飼い方

チャウ・チャウは、一時は国内での飼育頭数が100頭を切ったと言われるほどに減少しましたが、近年はその希少性から再度徐々に飼育頭数が増加しています。
しかし獰猛とされるその性格からトリミングやペットホテルなどの利用を断られるケースも目立ち、飼育にあたっては事前に受け入れ先の準備、確認が必要です。

チャウ・チャウを室内で飼育する場合は、大変な暑がりであることを理解し室温管理に工夫を凝らす必要があり、特に夏の熱中症対策は万全を期す必要が不可欠です。
チャウ・チャウは軍用犬、番犬という血統を受け継いでいることもあり、警戒心が強く、家族や縄張りへの防衛意識が強く表れることがあります。
来客や多頭飼いなどといった生活の変化には十分な注意が必要です。

また、独特な強い体臭があるものの、毛量が多くこまめなシャンプーが出来ないことを覚悟し、事前に受け入れておく必要があるでしょう。

チャウチャウの毛色

チャウチャウの毛色

チャウ・チャウの毛色はブラック、レッド(赤茶)、ブルー(灰色)、フォーン(淡黄)、クリーム、ホワイト、シナモンが認定されています。
日本ではレッドと呼ばれる茶色が最も一般的で、ブームの時も大半がこの毛色でした。

血統証上は原則単色のみが認定対象とされていますが、中には班やマーブルの毛色を持つ個体も存在します。
近年、チャウ・チャウが再度注目を浴び始めたことで本来の血統にない毛色が誕生することが見受けられますが、このような特殊な毛色は先天性疾患を持つ場合も多く注意が必要です。

チャウチャウの気をつけたい病気や怪我は?

チャウチャウの気をつけたい病気や怪我は?

チャウ・チャウは大変重量のある骨格ゆえに、先天的に股関節形成不全を患っていることが多々あります。
成長と共に体重が増加すると股関節や足腰に負荷がかかり、ヘルニア、歩行困難などを患うケースが多くあります。
体重管理が困難な犬種ではありますが、定期的に検査を受け適正体重の維持を心がけましょう。

またチャウ・チャウは密集度の高い被毛が日本の気候に合わず、皮膚疾患をはじめ、脱毛、アレルギーなどのトラブルがよく見られます。
しかし被毛の量が多く早期発見が難しいことから治療は遅れがちになってしまいます。

チャウ・チャウの小さな瞳はしばしば眼病を発症する傾向があるので、異変に気が付いた時は早期に動物病院を受診しましょう。

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