グレートピレニーズってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

グレートピレニーズ

お散歩目安 1日30分×2回
ブラッシング頻度 毎日
トリミング 不要
Great Pyrenees

グレートピレニーズってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

グレートピレニーズの基本情報

英名 Great Pyrenees
愛称・別名 ピレネー犬、ピレニアンマウンテンドッグ
原産国 フランス
寿命 10歳〜12歳
サイズ 大型犬
体重 50kg〜60kg
体高 オス:70cm〜80cm
メス:65cm〜75cm
分類 2G:使役犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

グレートピレニーズの歴史

グレートピレニーズの歴史

大きな体格と美しく白い被毛が特徴的なグレート・ピレニーズは、古くから牧羊犬として活躍してきた犬種です。
原産国であるフランスやイギリスなどでは「ピレニアン・マウンテン・ドッグ」とも呼ばれ、日本では「ピレネー犬」の愛称で広く親しまれ、1980年代にNHKで放送されたテレビアニメ「名犬ジョリィ」のモデル犬にも採用されました。

ヨーロッパでは古くから大型の白い被毛を持つ犬種が多く存在し、グレート・ピレニーズはイタリアの「マレンマ・シープドッグ」やハンガリーの「クーバース」などの影響を受けていると推定されています。
その直系の祖先犬は、紀元前6世紀頃遊牧民とともにヨーロッパへ渡ってきたチベタン・マスティフ系の大型犬であるとされ、グレート・ピレニーズは誕生後長きにわたりピレネー山脈で牧羊犬や番犬としての役割を担ってきました。

その大きな体を駆使し、時にはオオカミやクマなどの野生動物と戦うことで家畜である羊やヤギなどを守ってきたグレート・ピレニーズは、まさに「家畜の番に最適な犬種」でした。
山岳地帯の厳しい環境で培われた逞しさと、その勇敢な資質は家畜の番だけに止まらず、16世紀になると当時のフランス国王ルイ14世や、マリーアントワネットの護衛犬としても活躍するようになります。

いつしかバスク地方の田舎犬だったグレート・ピレニーズは、宮廷御用達の犬種としてその地位を高め、白く優雅な風貌と落ち着きのある所作は18世紀のイギリス・ビクトリア女王の目にも留まり、広く寵愛されるようになりました。

1885年にはイギリスのケンネルクラブにて正式に犬種として登録が行われ、その認知度を世界中へと広めていきます。
日本でもその堂々たる体格と優雅な気品を兼ね備えた姿は、多くの愛好家を魅了し、毎年コンスタントに300〜500頭前後の犬籍登録が行われる人気犬種となっています。

グレートピレニーズの特徴や性格

グレートピレニーズの特徴や性格

グレート・ピレニーズは大きな体を持ちながらも、俊敏な動きを得意としています。
基本的に性格は温厚ですが、元々番犬や護衛犬としても活躍してきた歴史を持つため警戒心は強く、時には攻撃的なアクションを起こすこともあります。

また牧羊犬としての能力が高いことから洞察力に優れ、自ら判断し飼い主よりも先に行動を起こそうとする性質も持ち合わせており、家庭犬として生活するにあたってはしつけをしっかりと行う必要があるでしょう。
ただし近年の交配により、その性質は大きく個体差が分かれるところとなっています。

被毛は長く、厳寒の地域で育ってきたため、かなり厚めのダブルコートを持っています。
手入れされた被毛は大変美しく、優雅で気品のある姿を見せてくれます。
白い被毛が特徴的なグレート・ピレニーズですが、中には白以外の被毛や斑点を持つ個体も存在します。

グレートピレニーズの飼い方

グレートピレニーズの飼い方

グレート・ピレニーズは成犬になると体高65〜80cm程にもなり、体重は50〜60kg前後の大きさへと成長します。
そのためかなり力が強く、飼育の際は男性の力が必要となるでしょう。

居住スペースもその大きな体に見合うだけの広い敷地と、涼しい環境を整えてあげることが必要となります。
元々が山岳地帯の寒さの厳しい地域で育ってきた犬種のため、暑さには弱い性質を持っています。
そのため夏場の散歩なども出来るだけ涼しい時間帯を選び、日差しを避け日陰を歩くなどの工夫をするようにしましょう。

散歩は毎日2回30分程度行うようにし、月に一回はドッグランなどで思いっきり走らせるなどの全力運動をさせ、ストレスを発散させてあげる必要があります。
しかし過度な運動は逆に足腰に負担がかかり過ぎてしまいますので注意をしておきましょう。

また、その特徴的な長く美しい被毛を維持するには毎日のブラッシングが欠かせません
見た目だけでなく、抜け毛をそのままにしてしまうとストレス、皮膚病などの原因となりますので必ず行うようにしてください。

グレート・ピレニーズは家族に対しては非常に忠実な面を持っていますが、広い山岳地帯で牧羊犬として自ら判断し行動してきた犬種のため、飼い主の能力を見てリーダーシップが取れないと判断されてしまうと、言うことを聞かなくなってしまいます。
子犬の頃からしっかりとしつけを行い、必要であればプロのドッグトレーナーにも協力してもらい信頼関係をきちんと作るようにしましょう。

グレート・ピレニーズはその優雅な見た目とおっとりとした印象から「憧れの犬種」として安易に飼おうと考えてしまう人が多く存在しますが、初心者にはかなり難しいとされる犬種です。
そのため犬を飼った経験があり、最低限の環境が整えられる人のみ飼育することをおすすめします。

グレートピレニーズの毛色

グレートピレニーズの毛色

グレート・ピレニーズの毛色は主にホワイトが基本となり、それにグレーやイエローなどが入る形となっています。
他にはオレンジなども人気の配色です。
また、頭や耳に斑点模様があるグレート・ピレニーズが好まれやすい傾向にあります。

グレートピレニーズの気をつけたい病気や怪我は?

グレートピレニーズの気をつけたい病気や怪我は?

グレート・ピレニーズを飼う上で一番気をつけなければいけない病気が「骨肉腫」です。
ゴールデン・レトリバーと並んでこの症状が出る犬種として知られていますので、普段から体を触って何かしらの前兆がないかよく確認してあげましょう。

またガンを発症する年齢が低いというのもグレート・ピレニーズの特徴です。
定期的な健康診断もしてあげるようにし早期発見、早期治療ができるよう取り組むようにしましょう。

著者・専門家プロフィール

グレートピレニーズのおすすめ記事