プードル(スタンダードプードル)
お散歩目安 | 1日60分×2回 |
ブラッシング頻度 | 毎日 |
トリミング | 必要 |
スタンダードプードルってどんな犬?歴史・性格・飼い方について
プードル(スタンダードプードル)の基本情報
英名 | Poodle |
愛称・別名 | スタンダードプードル |
原産国 | フランス |
寿命 | 12歳〜15歳 |
サイズ | 大型犬 |
体重 | 16kg〜29kg |
体高 | 43cm~62cm |
分類 | 9G:愛玩犬 |
※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。
目次
スタンダードプードルの歴史
プードルの歴史は古く、そのルーツに関しては未だ解明されていないことが多い犬種です。
プードルの祖先にあたる犬は、ロシアや中央アジアなどに広く分布していたと考えられており、最終的にドイツからフランスへと渡り、現在の姿に固定化されていきました。
プードルの現在の姿は、同じくフランスを原産とする「バルビー(Barbet)」という犬種が大きく影響しています。
バルビーは大変希少な犬種のため、日本ではまず見ることが出来ませんが、ヨーロッパで古くから存在するウォータードッグの一種で、プードル同様カールした被毛が特徴的な犬種です。
ウォータードッグの血筋を引くプードルは、名称もその特徴が由来となりました。
ドイツ語の「Pudel(プデル:水中でパチャパチャと音を立てる様)」が、プードルの語源といわれ、その名の通りプードルは水辺で鴨などの鳥猟犬として活躍してきた歴史を持っています。
「プードルカット」と呼ばれる上品なカットスタイルもこの頃に誕生したもので、単なるお洒落が目的のものではなく、水場での猟を行う際に冷たい水温や、茨の道から体を保護するいわば「鎧」のような役割を持つ、実用的なものです。
しかし、この優美なカットスタイルが注目されると、プードルは愛玩犬としての役割を持つようになっていきます。
元来知能の高いプードルは飼育もしやすく、次第にその地位を確立していきました。
16世紀ごろには、上流階級の婦人が連れ歩く場面を想定され、プードルの小型化が進められた結果、本来のスタンダードに加え、ミニチュア・トイといったサイズが誕生することとなります。
18世紀後半のルイ16世の時代には、すでにトイ・プードルが存在した記録も残っており、かなり古い時代から「スタンダード」「ミニチュア」「トイ」といった3サイズのプードルがその存在が知られていたようです。
日本では、1949年(昭和24年)にアメリカから3頭の黒いミニチュア・プードルが持ち込まれたことがきっかけとなり、飼育されるようになりました。
当時の日本では、犬は屋外で飼育するという文化でしたが、その優美なプードルの存在は、今までの犬のイメージとは違い、富裕層を中心に大きく話題となり、富の象徴として知られるようになります。
その後次第に一般家庭でも飼育されるようになると、飼育頭数は一気に増加、2000年代にはアプリコットと呼ばれる毛色を「テディベアカット」にしたトイ・プードルが登場すると、その人気はさらに加速し、一躍人気犬種の仲間入りを果たしました。
しかし、トイサイズのプードルが人気を集める一方で、本来の姿であるスタンダードサイズは、日本の住宅事情に合わないことや、トリミング費用など飼育費用が嵩むこともあり、存在は広く知られているものの、飼育頭数はそこまで多くなく、一部愛好家による飼育にとどまっています。
スタンダードプードルの特徴や性格
スタンダードプードルは大変聡明で落ち着きがあり、人間の良きパートナーになりうる存在です。
飼い主との主従関係も明確に理解し、しつけに対しても従順なため、そこまで苦労することはないでしょう。
しかし、一方で大変高い知能を持ち合わせていることから、小さな子どもの遊び相手としてはあまり向いていません。
また、小柄で社交的なトイプードルと、分類上は同じ犬種ではあるものの、性格はやや異なり、家族以外の人間や、他犬に対しては一定の緊張感を持って接することが多く、必ずしも社交的というわけではありません。
スタンダードプードルの外見・体型は、トイプードルをそのまま拡大した姿をしています。
そのためトイプードル同様、抜け毛は少ないものの、その独特のカールした被毛は毛玉が出来やすく、日々のブラッシングは必要不可欠です。
スタンダードプードルの飼い方
スタンダードプードルは、数多く存在する犬種の中でもトップクラスに飼育費用がかかるといわれる犬種です。
中でも最も費用が嵩むのが毎月のトリミング費用。
都心部では一回のトリミング費用で数万円、というのも珍しいことではありません。
また、食費・医療費についても大型犬ならではの金額になるため、家族に迎え入れる場合は、経済的な面も十分な検討が必要となるでしょう。
スタンダードプードルは、元々が猟犬種ということもあり、運動量も非常に豊富な犬種です。
日々のお散歩では朝、夕、各1時間ずつは運動をさせ、休日には定期的にドッグランなどで全力運動を行える機会を提供してあげるのも重要です。
しつけに対し従順な性格をしているため、留守番なども問題なくこなせますが、ストレスが鬱積すると無駄吠え、威嚇、自傷行為などの問題行動が目立つようになってしまいますので注意が必要です。
大型犬の中でも警戒心・縄張り意識が強い犬種のため、多頭飼いをする場合は十分に他犬との相性を見極める必要性があるでしょう。
スタンダードプードルの毛色
プードルの毛色は、基本色となるブラック、ホワイト、シルバーに加え、中間色であるレッド、アプリコット、クリーム、チョコレートなど多くの色が存在します。
また、以前は「ミスカラー」と呼ばれ敬遠されていた複数色の混合も、近年は認められています。
ただ、交配においては、色素の薄い個体同士のペア、中間色同士のペアは先天性疾患のリスクが高くなるため、危険視されています。
繁殖を検討される場合は、ペアのいずれか一方が、基本色であることが望ましいでしょう。
スタンダードプードルの気をつけたい病気や怪我は?
スタンダードプードルは、大型犬特有の股関節形成不全を先天的に患っている場合が多々あります。
ただ、スタンダードプードルは比較的肥満になりにくい傾向があるため、筋力を維持することで日常生活には支障を起こさずに済むことも多々あります。
また、スタンダードプードルの垂れた耳は通気性が悪く、外耳炎が慢性化しやすい傾向にあります。
耳掃除は定期的に行い、拭き掃除と合わせ、耳内部に生える被毛の引き抜きも必要です。
その他、プードル種全般において、アジソン病、クッシング症候群など副腎にかかわる内分泌系疾患の発症が多い傾向にあります。
食欲不振、体重減少、覇気のない生活など気になる変化が見られた場合は、早期に動物病院で受診するようにしましょう。