ウェルシュテリアってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ウェルシュテリア

お散歩目安 1日30分×2回
ブラッシング頻度 2〜3日に1回
トリミング 必要
Welsh Terrier

ウェルシュテリアってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ウェルシュテリアの基本情報

英名 Welsh Terrier
原産国 イギリス(ウェールズ)
寿命 12歳〜15歳
サイズ 小型犬
体重 9kg~9.5kg
体高 36cm~39cm
分類 3G:テリア

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

ウェルシュテリアの歴史

ウェルシュテリアの歴史

ウェルシュテリアは、イギリス・ウェールズ州原産のテリア犬です。
もともとは家畜の番などを行っていた使役犬で、作出当初はレイクランドテリアによく似た原型をしていました。
その後、第一次世界大戦後の品種改良ブームによって現在の外見に固定された歴史を持ちます。

現在のウェルシュテリアは、エアデールテリアにうりふたつといって良いほど似ています。
ウェルシュテリアとエアデールテリアが酷似している理由は、エアデールテリアが交配に使われているから。
育種の過程でエアデールテリアを混ぜたことで、2つの犬種は体の大きさ以外そっくりになったのです。

なお、初期のウェルシュテリアは、ブラック・アンド・タン・ワイヤーヘアード・テリアと呼ばれていました。
その後ドッグショーに出展されるようになったことで、徐々に犬種としての知名度や人気を高めていったのですね。
1886年頃になると、ウェルシュテリアという名前が正式に与えられ、イギリスケネルクラブに登録されました。

ちなみに、ウェールズ州に近い北イングランド州では当時、ウェルシュテリアに似た犬が育種されていました。
しかし、よく似た見た目を持つ犬種が同じドッグショーに出展すると、ショーの参加者を混乱させてしまいかねません。
そこで、2つの犬種や他のテリア犬種などを掛け合わせるなどの措置が行われ、ウェルシュテリアが犬種として残ることになったのです。
つまり、現在のウェルシュテリアの洗練されたスタイルは、愛好家たちの努力と工夫によって生まれたものといえるでしょう。

ウェルシュテリアの特徴や性格

ウェルシュテリアの特徴や性格

ウェルシュテリアは、短く硬い巻き毛が特徴的なテリア犬種です。
体の大きさ以外はエアデールテリアとほとんど同じで、背中には馬の鞍のような黒い班があります。
体型は体長より体高がやや長いスクエア型で、小さな目と耳、まっすぐな手足としっぽが魅力的といえますね。

ウェルシュテリアの性格は、陽気で人懐っこく、好奇心旺盛。
気が強くて負けず嫌い、勇敢で頑固という「テリアキャラクター」も色濃く残っています
いつも元気いっぱいで、何かを見つけては夢中になっている可愛らしい性格です。

また、ウェルシュテリアは猟犬らしく、リーダーと認めた相手の指示にはよく従います
警戒心が強いため、知らない人や他犬には注意深くなることもありますが、家族には愛情深く接するでしょう。
かなりの頑固者で、自分が一度決めたことは何としてもやり遂げるという強い意志を持った犬種です。

ウェルシュテリアの飼い方

ウェルシュテリアの飼い方

ウェルシュテリアは体の割に運動量が多いため、1日1時間程度は散歩に連れていきましょう。
運動不足になると、ストレスがたまって欲求不満になり、室内でのいたずらや飼い主の指示を無視したりすることも。
ウェルシュテリアが思いっきり走れるよう、時々はドッグランなどを利用するのがおすすめです。

また、ウェルシュテリアは頑固なテリア気質を持った犬種です。
気位が高く、負けん気が強いため、場合によっては飼い主とぶつかることがあるかもしれません。
叱られて反抗的になったり、飼い主に従わなかったりすることもありますが、しつけは根気強く行いましょう
ダメなことはダメと毅然とした態度で接することで、次第にウェルシュテリアの態度も軟化していきます。

ウェルシュテリアの場合、人間のこどもや他犬に対して上に立ちたがる傾向があります。
一度決めたら譲らない気の強さを持っているため、周りの犬ともめごとを起こしてしまうケースもあるでしょう。
イラつきを感じるとそのまま喧嘩になることも多いため、こどもや他犬との接触時は注意してください。

ウェルシュテリアは抜け毛が少ない犬種のため、お手入れの手間はそれほどかかりません。
毛玉ができないよう週に数回ブラッシングをし、汚れや臭いが気になってきたらシャンプーをするくらいです。
ショードッグのように固い被毛を維持したい場合は、トリミングサロンでプラッキングを行いましょう。

ウェルシュテリアの毛色

ウェルシュテリアの毛色

ウェルシュテリアの毛色には「ブラック&タン」と「ブラック・グリズル&タン」があります。
指趾に黒色の線が入っていたり、手首部分より下に黒色が入っているものは、ドッグショーでは失格となることも。
ポピュラーなのはブラック&タンで、よりバランスよく表現されているカラーが好ましいとされています。

ウェルシュテリアの気をつけたい病気や怪我は?

ウェルシュテリアの気をつけたい病気や怪我は?

ウェルシュテリアは「緑内障」に注意が必要です。
緑内障とは、何らかの原因で眼圧が上昇し、目に強い痛みを感じたり、視神経に障害を起こす病気です。
緑内障を発症すると、最悪の場合は失明してしまう恐れがあるため、早期治療を行いましょう。

また、ウェルシュテリアは脂漏性皮膚炎の発症リスクも高いといわれています。
テリア犬種は皮膚が弱く、体質的に皮膚炎を起こしやすい傾向があるため、日々のケアがとても大切です。
特に夏場や梅雨時は皮膚が蒸れやすく、脂漏性皮膚炎のリスクが高まるので、注意しましょう。

更に、ウェルシュテリアは関節炎にも気をつけなければいけません。
肥満になると関節に大きな負担がかかるため、体重管理は徹底して行ってくださいね。

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