ヨークシャーテリア
お散歩目安 | 1日30分以上 |
ブラッシング頻度 | 毎日 |
トリミング | 必要 |
ヨークシャーテリアってどんな犬?歴史・性格・飼い方について
ヨークシャーテリアの基本情報
英名 | Yorkshire Terrier |
愛称・別名 | ヨーキー |
原産国 | イギリス(イングランド) |
寿命 | 13歳〜16歳 |
サイズ | 小型犬 |
体重 | 〜3.2kg |
体高 | 15cm〜18cm |
分類 | 3G:テリア |
※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。
目次
ヨークシャーテリアの歴史
「ヨーキー」の愛称でおなじみのヨークシャー・テリアは、19世紀にイギリスで誕生した小型のテリア種です。
元々テリア種は地中などに生息する小動物を狩る役割をもっていましたが、ヨークシャー・テリアも類にもれず、工業地帯の工員が住む家屋や倉庫を荒らすネズミ駆除で活躍していました。
そのため、作出された当初は基本的に労働者階級の人々に飼育されていましたが、その優美な毛並みや小型サイズの体型、元来備わっていた明るく活発な性格が徐々に上流階級の人々へも受け入れられていきます。
1861年にはじめてイギリスのドッグショーに出展されると、その美しい被毛から「動く宝石」と呼ばれるほど絶賛され、その後愛玩犬としての地位を確立していきました。
ヨークシャー・テリアは比較的新しい犬種で、まだ150年ほどの歴史しかありません。
ドッグショーに出展された当時はまだ「ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ヨークシャーテリア」と長い名称で、1870年代から短縮されたヨークシャー・テリアの名称が浸透していき、1882年にイギリスのケンネルクラブにて正式に犬種登録がされました。
固定種として登録はされていますが、ヨークシャー・テリアは成長後のサイズや毛色にバラつきが見られます。
これは犬種登録以前に、様々な犬種の血統を受け継いできたことが影響していると考えられており、ヨークシャー・テリアの血統には、ウォーターサイド・テリア(現エアデール・テリア)、クライズデール・テリア、ラフコーテッド・イングリッシュ・ブラック・タン・テリア、スカイ・テリア、ダンディ・ディンモント・テリア、マルチーズなどの血が混ざっているとされています。
そのためヨークシャー・テリアは本来、チワワに次ぐ小型サイズが基本となっていますが、個体によっては7kgを超える大柄な子に成長する場合や、本来は生涯にわたり変化し続ける毛色も、中には生涯子犬時代の毛色のままで成長していく個体が存在します。
このような理由から、ヨークシャー・テリアが犬種として認定をされる際、一部では異論も生じていたという歴史があります。
日本にヨークシャー・テリアが渡ってきたのは戦前頃とされていますが、具体的な詳細は不明です。
国内で人気が出だしたのは1970年代の高度成長期の時代で、ヨークシャー・テリアはポメラニアン、マルチーズと並び「座敷犬御三家」と称されました。
その後も人気は衰えず、飼育頭数の増減もあまりなく、ヨークシャー・テリアは常に人気犬種ランキングで上位に入ります。
ヨークシャーテリアの特徴や性格
ヨークシャー・テリアは小さくて可愛い愛玩犬というイメージに反して、その内面は「テリアキャラクター」と言われる猟犬種そのものの特性を強く受け継いでいます。
そのため大変勝気で勇敢、白黒がはっきりとした性格をしています。
小さな体ながらも相手へ勇敢に立ち向かうので、大型犬でさえも怖がる素振りを見せません。
一方で、DNAに組み込まれた防衛本能が強く、生活音に反応し過剰に吠え立ててしまうことが多々あります。
散歩中の無駄吠えに悩む方も多く、散歩を控え室内生活を主とするスタイルも多く見られます。
しかしヨークシャー・テリアは、内面の気質だけでなく身体能力的にも猟犬種の特徴を受け継いでいるため、十分な運動量が必要です。
運動量が少なくなってしまうと、運動不足からストレス発散による問題行動が増えるケースがありますので、出来るだけ外には連れ出してあげましょう。
また、ヨークシャー・テリアは小型種の室内犬ですが、小さな子供との生活にはさほど適しておらず、遊び相手になるタイプではありません。
大人を相手にした知的なゲームや遊びに興じることに向いたタイプの犬種です。
ヨークシャーテリアの飼い方
ヨークシャー・テリアは、小型犬の中ではトップクラスの運動量が必要な犬種です。
日頃の散歩では、飼い主の歩調に合わせて歩くだけでなく、ボール遊びを取り入れたり、ドッグランへ足を運び全力運動を取り入れると効果的です。
また、犬同士でじゃれ合い遊ぶ相手を見つけることが出来れば、より有意義で効率的に運動をすることが出来ます。
ただしむやみに大型犬と遊ばせると不意にタイミングで衝突し怪我をしてしまう恐れがありますので、監視は必要です。
ヨークシャー・テリアの骨格は見てわかる通り、大変華奢なもので日々の生活でも骨折や脱臼には十分注意し、ソファや椅子から飛び降りた際に滑らないよう、床材をクッション性のあるものにするなどの工夫が必要です。
ヨークシャー・テリアは生後数ヶ月までは過度の偏食、少食になりやすい傾向にありますが、この期間を過ぎれば猟犬種ならではの体の丈夫さを見せるので安心出来ます。
ヨークシャーテリアの毛色
ヨークシャー・テリアの毛色は、スチールブルー・アンド・タンという一色のみです。
生後数ヶ月は、背中全体が漆黒の毛色で覆われ、胸や頬、足など一部に茶色の毛色が混ざります。
その後は徐々に被毛の根本から変色が進んでいき、大抵の場合はシルバーの被毛に変化しますが、中にはゴールドに変わる個体や、稀に漆黒のままというパターンもあります。
ヨークシャー・テリアは生涯で7回も被毛の色が変わると言われていますが、色の変化には個体差が大変大きく、ベテランのブリーダーさんですら予測不可能とされています。
このような神秘的な特徴も、この犬種が誕生した時代に貴族など上流階級の人々が着目した理由と言われています。
ヨークシャーテリアの気をつけたい病気や怪我は?
ヨークシャー・テリアは先天的に、華奢な小型犬によく見られる膝蓋骨脱臼を患っている場合が多々あります。
症状が深刻な場合は、日常生活での運動を制限し悪化を防ぐ必要性があります。
そのほかにも気管虚脱や軟口蓋の肥大、心臓疾患などが先天性の疾患として見受けられます。
また、ヨークシャー・テリアは「門脈シャント」という病気が起こりやすい犬種とされています。
門脈シャントは、本来体内で解毒されるはずの毒素が、処理されないまま体内に残ってしまうことで最悪の場合は死に至る病気です。
食欲不振や嘔吐、下痢などが見られたら、すぐかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。