闘犬の歴史を知ろう!闘犬のルーツや現状、主な犬種など
闘犬とは、その名の通り「闘う犬」のことを指します。
目的は人間の娯楽や賭けごとであり、「闘犬=ブラッド・スポーツ(血の戦い)」という考え方もあります。
ここでは、そんな闘犬の歴史やルーツ、闘犬として知られる主な犬種について解説します。
目次
闘犬の定義は国や団体によって異なる
基本的に、日本での闘犬は「厳格なルールのもと行われる犬の格闘技」です。
時間内に声を出さず、戦う意思を持ち続けた犬が勝ちとなり、場合によっては数秒で勝敗が決まることも。
相手を威嚇して吠えたり、戦意なく逃げたりした場合は、その場で負けが確定します。
ただし、闘犬の定義は国によって異なり、デスマッチ形式で行われることもあったようです。
アメリカでは、飼い主が相手に謝らない限り試合が続行され、犬が命を落とすことも珍しくありません。
現在の日本でも、団体によってはデスマッチ形式を取っており、賛否が分かれているといえます。
日本での闘犬は14世紀から行われていた
さかのぼること14世紀以上前、日本では土佐闘犬が盛んに行われていました。
始まりは当時の土佐藩(現在の高知県)であり、主な目的は「藩士の士気を高める」ためです。
かの有名な徳川幕府との戦前にも、藩士たちは闘犬を観て士気を高めていたようです。
しかし明治維新後、「庶民に対する畜犬禁止令」の解禁によって、闘犬の急拡大が懸念されました。
これを恐れた高知県は闘犬取り締まり令を出し、土佐闘犬は次々と捕獲され、撲殺。
その後、愛好家からの非難が高まったことで、闘犬は課税による許可制になるなど、紆余曲折を経て今にいたります。
なお、闘犬が娯楽として世界に広まったのは、19世紀以前です。
娯楽の少なかった19世紀以前では、犬と犬だけではなく、犬と牛を戦わせたりすることもあったようですね。
時には犬とクマを戦わせることもあったようですが、現在ほとんどの国で闘犬は禁止されています。
日本の場合「闘犬=全国で禁止」ではない
動物愛護の観点から、ほとんどの国で禁止されている闘犬。
ですが、日本では現在も闘犬文化が色濃く残っている地域があり、法律で禁止されてはいません。
条例で禁止されている地域もありますが、国として禁止しているわけではないのです。
日本国内のうち、かつて闘犬が盛んだったのは、高知県と秋田県です。
ただし、秋田県の闘犬は明治時代に禁止された※ことでやや衰退し、高知県に存在した「土佐闘犬センター」も閉園。
2020年現在、精力的に闘犬大会を行っているのは、全国でも有数の闘犬大国と呼ばれている青森県です。
(※現在は禁止されておらず、毎年「全土佐犬有効連合会」による闘犬大会が開催されています。)
闘犬として知られる主な5犬種とは
闘犬には、代表的な犬種が存在します。
ここでは、古くから闘犬用として知られてきた5つの犬種をご紹介します。
ピットブル
闘犬の代表犬種ともいえるピットブルは、世界中で闘犬種として知られています。
筋骨隆々の体格と強靭な顎の力、執着心の強さは、闘犬としてこれ以上ない犬種といえるでしょう。
服従心が強く、非常に愛情深い性格ですが、一般家庭で飼育する際は徹底した訓練が必要です。
土佐闘犬
日本の闘犬といえば土佐犬であり、闘犬の代表的な犬種です。
皮膚は大きなしわができるほどたるんでおり、噛まれた時のダメージを最小限に抑えられます。
飼い主に対しては徹底気に忠実ですが、負けん気が強いため、初心者には不向きです。
秋田犬
秋田県原産の日本犬で、国の天然記念物に指定されている犬種です。
日本犬のうち唯一の大型犬であり、足が長く、腰高でがっしりとした体格をしています。
家族には愛情深く保守的な性格ですが、猟犬の本能や闘犬の気質を全面に出さないような訓練が必要です。
ドゴアルヘンティーノ
闘犬用の犬種として作られた犬種で、ピューマなどの猟犬としても活躍しています。
引き締まった皮下組織と勇猛果敢な気質を持っており、闘犬はもちろん、番犬として有能です。
プライドが非常に高く、一般家庭で飼育する際は徹底的な上下関係と訓練が必要でしょう。
ボルドーマスティフ
ボルドーマスティフは、マスティフ系のなかでもっとも古い歴史を持つ犬種です。
しわの深い顔と赤い毛色が特徴的で、大型犬らしく物静かで落ち着いた性格をしています。
なお、闘犬として繁殖されていた頃は攻撃的な性格でしたが、ペット化により温和に改良されました。
闘犬文化は現在の日本にも根強く残っている
動物愛護の観点から、闘犬は多くの国で衰退しつつあります。
人が始めた娯楽ではありますが、現代の社会では動物虐待として非難の声も多いのでしょう。
闘犬の衰退は、動物に対する考え方の変化によるものが大きいといえます。
とはいえ、日本での闘犬はいまだ根強い人気があり、全国各地で大会が開催されるほど。
闘犬の歴史を守ろうと活動している団体も多く存在し、海外とは異なる考え方を持っているようです。
ぜひ闘犬について学びを深め、犬達の過去と未来について考えてみてはいかがでしょうか?