国犬(くにいぬ)ってなに?日本と世界各国の国犬まとめ

国犬(くにいぬ)ってなに?日本と世界各国の国犬まとめ

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あなたは「国犬」について、どのくらいご存知でしょうか?
国と名前が付くものには国鳥、国魚、国蝶などがありますが、実は国犬も存在するのです。
今回は、国犬の概要や定義、日本の国犬と世界各国の国犬を紹介します。

国犬は「国を代表する犬種」

国犬は「国を代表する犬種」

国犬とは、その国を代表する犬種のことです。
国犬は国や政府などによって1国、あるいは1地域で1犬種のみ選ばれます。
ただし、その国らしい名犬種が複数いる場合には、2つ以上の犬種が公認されることもあります

なお、国犬には公式に発表されているもの、愛好家などによる非公式のものとがあります。
非公式のものは、正式な国犬が認定されていない場合に限り、仮で公認されることがあるのだとか。
日本の場合、国鳥や国魚は公式に発表されていますが、国犬は非公式かつ仮公認のものです。

日本の国犬は狆と秋田犬

日本の国犬は狆と秋田犬

現在のところ、日本の国犬は「狆」と「秋田犬」という説が有力です。
ただし、いつ・どこで・何を理由に国犬とされるようになったのか、具体的な情報は残っていません
一説によると、これらの犬種は日本の犬の中でも特に古い歴史を持っていることで国犬になったとされています。

確かに、狆は日本で初めて世界に公認された歴史ある犬種です。
最近はあまり見かけませんが、独特な顔立ちと気品ある振る舞いは、狆の持つ大きな魅力。
アレクサンドラ女王に愛された犬種として、狆には今も根強い愛好家たちが多く存在しています。

日本犬の中で最大の大きさを誇る秋田犬も、日本にとっては大きな存在です。
秋田犬は日本の天然記念物に指定されており、忠犬ハチ公のモデルとしても知られています。
大統領や海外のスポーツ選手へ寄贈されるなど、政治的に利用される場面もあるんですよ。

世界の国犬を一挙ご紹介!

世界の国犬を一挙ご紹介!

国犬という概念は、日本をはじめ世界各国に存在します。
ここでは、現在分かっている限りの世界の国犬と特徴を簡単に紹介しましょう。
なお、日本では知られていない犬種も多いため、犬種の特徴については抜粋して行うことにします。

アジア

韓国

珍島犬

韓国の珍島に古くから存在する中型犬
優れた狩猟本能と発達した方向感覚を持っている

台湾

台湾犬

番犬・家庭犬として台湾全土で人気がある中型犬
もとは南アジアの狩猟犬の子孫で、狩猟犬として活躍した

北朝鮮

豊山犬

主に鹿やイノシシなどの狩猟で活躍した大型犬
とても力が強く、かつては朝鮮トラの狩猟にも使われた

タイ

タイ・リッジバック・ドッグ

荷馬車の護衛や番犬として活躍した大型犬
うなじから尾の付け根まで見られる逆毛が特徴的

中南米

ブラジル

フィラ・ブラジレイロ

番犬や牧羊犬として活躍した大型犬
防衛心が強く、見知らぬ人や物に対して強く警戒する

ボリビア

カーラ

中型のヘアレス・ドッグ(毛のない犬)
もとは食用だったが、現在は家庭犬として親しまれている

キューバ

ハバ二ーズ

短い足と、長く豊富な被毛を持つ小型犬
非常に賢いため、家庭犬としてのしつけは入りやすい

ウルグアイ

シマロン・ウルグアヨ

番犬や猟犬として活躍していた大型犬
力強く筋肉質な体つきが特徴で、身体能力が高い

ベネズエラ

ムクチェス

主に家畜を泥棒から守る護衛犬として活躍した大型犬
使命感が強く、敵とみなした者は徹底的に排除する

ヨーロッパ

イギリス

ブルドッグ

闘犬としてオス牛と闘わせるために改良された大型犬
性格は温厚かつ大人しく、小さな動物にも優しい

フランス

プードル

主に水中回収犬、鳥獣猟犬として活躍した犬種
飼育環境や目的に合わせて改良を行った結果、多様なサイズがある

スイス

セント・バーナード

スイスとイタリアの国境にあるアルプス山脈で人命救助を行った大型犬
大きくがっしりとした体つきと、おっとりした性格が特徴

その他ヨーロッパの国犬

スペイン スパニッシュ・マスティフ
ドイツ ドーベルマン・ピンシャー、グレート・デーンなど
スウェーデン スウェーディッシュ・エルクハウンド
スロバキア ブラック・フォレスト・ハウンド
マルタ ファラオ・ハウンド
アイルランド ケリー・ブルー・テリア、アイリッシュ・ウルフ・ハウンド
チェコ チェスキー・テリア
オランダ キースホンド
ロシア ボルゾイ
ノルウェー ノルウェジアン・エルクハウンド
フィンランド フィニッシュ・スピッツ

アフリカ

マダガスカル

コトン・デ・テュレアール

綿毛のようなふわふわの被毛が特徴の小型犬
水夫がマダガスカルに持ち込んだ犬を改良して作られた

ジンバブエ

ローデシアン・リッジバック

筋肉質の引き締まった体つきを持つ大型犬
頸から尾の付け根にかけての被毛のみ逆毛になっている

コンゴ共和国

バセンジー

吠えない犬として知られている中型犬
独特のリズミカルな歩様ときつい巻尾が特徴的

中東

イスラエル

カナーン・ドッグ

地雷探知犬として改良された中型犬
優れた嗅覚を持ち、しつけが入りやすいといわれる

アメリカには州犬がいる

アメリカには州犬がいる

アメリカには国犬こそありませんが、その代わりに州犬が存在します
広大な土地を持つアメリカでは、地域を州にして細かく分類する必要があったのですね。
現状、アメリカでは11の州が以下のように州犬を設定しています。

マサチューセッツ州 ボストンテリア
ノースカロライナ州 プロットハウンド
テキサス州 ブルーレイシー
バージニア州 アメリカン・フォックスハウンド
アラスカ州 アラスカン・マラミュート
ウィスコンシン州 アメリカン・ウォータースパニエル
ルイジアナ州 カタフラ・レパードドッグ
メリーランド州 チェサピークベイ・レトリバー
ニューハンプシャー州 チヌーク
サウスカロライナ州 ボイキン・スパニエル
ペンシルベニア州 グレートデン

これを見ると、日本ではほとんど知られていない種類の犬も多いです。
土地柄、小型犬の飼育数が多い日本に対し、アメリカは大型犬がポピュラーな国。
上で挙げた犬種のほとんどは大型犬であるため、日本では聞きなれないものも多いといえるでしょう。

世界の国犬まとめ

世界の国犬まとめ

国犬とひとくちにいっても、公式なものと非公式なものとがあります。
正式に発表されているわけではありませんが、日本では狆と秋田犬が国犬として知られています。
ちなみに、国犬はその国と深い関係がある犬種であり、その土地に住む人々の性格も表しているのだとか。
ぜひ世界各国の国犬を知って、その国の歴史や犬との関わりについて、遠い昔に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。