ゴールデンレトリバーがかかりやすい6つの病気。症状や治療法、治療費の相場について

ゴールデンレトリバーがかかりやすい6つの病気。症状や治療法、治療費の相場について

公開日:/最終更新日:

穏やかな性格とその容姿で、大型犬の中で常に人気ランキングの上位に入っているゴールデンレトリバー。
今回は、ゴールデンレトリバーがかかりやすい病気の特徴や症状、主な治療法と治療費の目安について解説します。
病気の進行具合や動物病院によって治療費は変わりますが、大体の相場感を知っておきましょう。

大型犬に多い遺伝性疾患「股関節形成不全」

大型犬に多い遺伝性疾患「股関節形成不全」

胴体と後ろ足をつないでいる股関節がゆるいことで、歩く際に痛みを生じる病気です。
まれに後天的に起こることもありますが、多くは生まれつき股関節に緩みがあったり、変形があることが原因です。
体のサイズが大きい大型犬は、成長時の筋肉と骨のバランスに不均等が生じやすく、股関節形成不全になりやすいといえます。
症状は生後 4~12ヵ月頃までに確認されることが多いといわれていますが、 3歳頃になってから現れる場合もあります。

主な症状 横すわりをする、ピョンピョン跳ねるように走る、お尻を振って歩く、立ち上がるのに時間がかかるなど
治療法 鎮痛剤の投与、運動制限、体重管理、レーザー治療、骨盤3点骨切り術・股関節全置換術・大腿骨頭切除術などの外科手術
治療費 5千円~1万円程度(診察、検査、痛み止め代として) ※外科手術の場合は片足20~40万円程度が相場

深い胸の大型犬に起こりやすい「胃拡張・胃捻転」

深い胸の大型犬に起こりやすい「胃拡張・胃捻転」

食べ物や液体、ガスによって胃が膨張・捻じれてしまい、胃や周囲の血流が遮断される病気です。
胃が捻じれることによって、血流や神経は正常に動作しなくなるため、短時間でショック状態を引き起こす可能性があります。
胃拡張の場合は胃の中のガス抜き、胃捻転の場合は全身麻酔での外科手術が必要で、治療は時間との勝負といえます。

主な症状 呼吸困難、胸から腹部が膨らむ、嘔吐、吐気、多量のよだれ、ぐったりする、粘膜が白く退色する、脈圧の低下など
治療法 胃の減圧処置(胃内へチューブ挿入・注射針を胃内に刺す)、ステロイド投与、点滴、酸素吸入、胃を元の位置に戻す外科手術
治療費 胃拡張の場合は3~10万円程度(診察、検査、胃内の減圧処置代)・胃捻転の場合は15~40万円程度(診察、検査、手術代)

治療をしないと平均3か月で亡くなってしまう「悪性リンパ腫」

治療をしないと平均3か月で亡くなってしまう「悪性リンパ腫」

白血球の一種であるリンパ球が、何らかの原因でガン化することで発症します。
レトリーバー種は腫瘍の発生率が高く、シニア期以降は悪性リンパ腫をはじめ、様々なガンの発症リスクが高まります。
悪性リンパ腫は血液のガンであるため、基本的に外科的治療は行わず、治療は抗がん剤の投与が中心です。

主な症状 顎・脇、内股、膝の裏側などに存在するリンパ節の腫れ、食欲や元気の低下、発熱など
治療法 抗がん剤の投与、放射線療法(抗がん剤で効果が認められない場合)
治療費 1~2万円程度(診察、検査代として)※抗がん剤の治療費は抗がん剤の種類や動物病院によって異なる

大型犬の純血種に多い「甲状腺機能低下症」

大型犬の純血種に多い「甲状腺機能低下症」

甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌が減少することで発症する病気です。
甲状腺機能低下症を発症すると、皮膚の真皮層にむくみがでることでまぶたや口元が下がり、ぼんやりした顔つきになります。
治療は甲状腺ホルモン薬の投与を行うのが一般的ですが、発症後は生涯にわたって投与を続けることになります。

主な症状 元気や食欲の低下、体温が下がる、肥満、脱毛、皮膚の黒ずみ、低体温、過剰な睡眠など
治療法 甲状腺ホルモン薬の投与、合併症の治療
治療費 2~7万円程度(診察、検査、検査入院、ホルモン剤(1か月分)代として)

遺伝性の要素が多い「アトピー性皮膚炎」

遺伝性の要素が多い「アトピー性皮膚炎」

アトピー性皮膚炎は、気温や湿度、ストレス、外部寄生虫などの環境要因によって発症する皮膚病です。
生後半年~3歳までに発症することが多く、たいていの場合はひどく痒がって皮膚を掻き壊してしまうため、注意が必要です。
アトピーは一度発症すると完治が難しいため、発症後は適切なケアを行い、できる限り症状を抑えることが大切です。

主な症状 耳、指間、脇、股、関節部分の痒み、赤み、湿疹など
治療法 ステロイドや痒み止め、免疫抑制剤の投与、保湿、インターフェロン療法、減感作療法、療法食治療
治療費 月に1~3万円程度(診察、検査、内服薬、外用薬、薬用シャンプー、サプリメント代として)

たれ耳の犬に多い「外耳炎」

たれ耳の犬に多い「外耳炎」

細菌やカビ、アレルギーなどによって、外耳に炎症が起こる病気です。
ゴールデンレトリーバーのようにたれ耳の犬は耳道の通気性が悪く、外耳炎になりやすいといわれています。
症状が軽度であれば1~2週間ほどで改善しますが、炎症が強い場合は耳洗浄ができないため、治療が長引く傾向があります。

主な症状 耳の痛み、痒み、頭を振る、耳の中から膿が出る、悪臭がするなど
治療法 耳の洗浄、点耳薬による炎症の鎮静、原因物質(草、石などの異物)の除去
治療費 3~5千円程度(診察、検査、処置、点耳薬代として)※外科手術の場合は10~15万円程度が相場
犬の外耳炎ってどんな病気?原因や症状、治療法や治療にかかる費用、予防方法は?

犬の外耳炎ってどんな病気?原因や症状、治療法や治療にかかる費用、予防方法は?

外耳炎とは、その名の通り「耳の構造のひとつである外耳に炎症が起こる病気」のこと。外耳には「周…

異変を感じた時はすぐに動物病院に相談しよう

異変を感じた時はすぐに動物病院に相談しよう

ゴールデンレトリーバーは、関節疾患や皮膚炎、外耳炎などにかかりやすい犬種です。
また、食後に激しい運動をしたり、一気にご飯を食べたりすると、胃拡張や胃捻転を起こしやすいため、注意しましょう。
もし愛犬の様子がおかしいな?と思ったら、できるだけ早く動物病院を受診してくださいね。