イタグレがかかりやすい6つの病気や怪我。症状や治療法、治療費の相場について
スレンダーで優雅な容姿を持つイタリアングレーハウンドは、ヨーロッパ貴族の間で愛されていた犬種です。
ここでは、そんなイタリアングレーハウンドがかかりやすい病気と症状、一般的な治療法や治療費について解説します。
病気の進行具合や動物病院によって治療費は変わりますが、ぜひ大体の相場観を知るために役立ててくださいね。
目次
転倒や落下の衝撃で起こる「骨折」
イタリアングレーハウンドは四肢の骨が非常に細いため、骨折リスクの高い犬種といえます。
また、イタリアングレーハウンドは筋肉や皮下脂肪が薄く、骨折すると癒合不全を起こしやすい犬種としても知られています。
そのため、転倒や落下、高いところからジャンプした衝撃で、簡単に手足が折れてしまうことも珍しくありません。
治療法 | ギプスなどで患部を固定、外科手術でピンやプレートを取り付けるなど |
治療費 | 3~5万円程度(診察、検査、投薬、ギプス固定代として)※外科手術の場合は10~40万円程度が相場 |
早期治療が回復のカギ「網膜剥離」
眼底の脈絡膜に存在する網膜がはがれてしまい、視力の低下がみられる病気です。
網膜剥離は、先天性のものと後天性のものとがありますが、初期では発見が難しく、かなり進行してから気付くことがほとんどです。
治療は、内服薬の投与やレーザー治療が基本で、基礎疾患がある場合はその治療も並行して行います。
主な症状 | 強い痛み、白目の充血、眼の中が赤くなる、よくモノにぶつかる、視力障害 |
治療法 | 消炎剤や利尿剤の投与、レーザー治療、基礎疾患への治療 |
治療費 | 1~3万円程度(診察、検査、投薬代として) ※レーザー治療の場合は10~20万円程度が相場 |
様々な発症原因がある「白内障」
遺伝や老化、外傷などが原因で目の奥にある水晶体が濁ってしまい、視力が低下する病気です。
発症しても痛みはありませんが、進行するほど視野が狭くなるため、壁や障害物にぶつかりやすくなるなどの症状が現れます。
症状の進行は点眼薬によって抑えることができますが、根治には人工水晶体の移植など外科手術が必要です。
主な症状 | 目が白く見える、モノにぶつかることが増える、散歩に行きたがらなくなる、物音に敏感になるなど |
治療法 | 進行を遅らせる点眼薬の投与、外科手術(人工水晶体の移植手術、眼内レンズ挿入術) |
治療費 | 1万円程度(診察、検査代として)点眼薬代は月に5千円ほど。外科手術の場合は20~25万円程度が相場 |
短期間で失明のおそれも「緑内障」
眼球内を満たしている眼房水が上手く排出されず、眼球内の圧力が高くなる病気です。
遺伝や眼内腫瘍、白内障や網膜剥離、ブドウ膜炎など様々な要因で発症し、目の傷みや白目の充血、違和感が現れます。
眼圧が高い状態が続くと、目が飛び出したり、失明したりする可能性があるため、早急な治療が必要です。
主な症状 | 眼球の痛み、不快感、頭痛、白目の充血、瞳孔の奥が緑色に見える、目が飛び出すなど |
治療法 | 眼圧の上昇を抑える点眼薬や飲み薬の投与・点滴、レーザー治療、眼球の摘出手術 |
治療費 | 1~2万円程度(診察、検査、点眼代として)※レーザー治療の場合は10~20万円程度が相場 |
皮膚バリアの弱さによる炎症「皮膚炎」
イタリアングレーハウンドは皮膚が非常に薄く、様々な皮膚炎を起こしやすい犬種です。
イタリアングレーハウンドのように短毛で皮膚が弱い犬種の場合、皮膚のバリア機能が落ちることで炎症が起こりやすくなります。
寒い時期になると耳の付け根が切れてしまい、炎症が起きる可能性もあるため、散歩時は耳当てをつけると良いでしょう。
主な症状 | 皮膚の痒み、湿疹、脱毛、フケなど(皮膚病の種類によって異なる) |
治療費 | 5千円~3万円程度(皮膚病の種類、治療法、皮膚の状態によって異なる) |
左右対称の脱毛がみられる「パターン脱毛症」
左右対称の脱毛がみられるパターン脱毛症は、イタリアングレーハウンドに多い皮膚疾患です。
イタリアングレーハウンドの場合は特に耳介部が脱毛しやすく、毛は年単位で薄くなっていくのが特徴です。
正確な脱毛のメカニズムはまだ解明されていませんが、脱毛以外に目立った症状はなく、犬自身はまったく気にせず生活します。
命に関わる病気ではないことから、積極的な治療はせず、経過観察を行っている飼い主さんも多い疾患といえるでしょう。
主な症状 | 左右対称性の脱毛(耳、鼻先、首、胸、お腹、内股の尾側、尾などにみられることが多い) |
治療法 | 松果体ホルモンの投与 ※反応には個体差があり、確実な方法ではない |
治療費 | 1~3万円程度(診察、検査、投薬代として) |
違和感を感じたら、すぐに動物病院を受診すること
イタリアングレーハウンドは、眼疾患や骨折のリスクが高い犬種です。
また、皮膚が非常に薄く短毛であるため、乾燥や寒さなど、外部からの刺激によって皮膚トラブルを起こしやすいといえます。
もし愛犬の様子に異変を感じた時は自己判断で様子をみず、できるだけ早く動物病院を受診してくださいね。