犬にレモンを食べさせても大丈夫?栄養素や危険性、与える時の注意点

犬にレモンを食べさせても大丈夫?栄養素や危険性、与える時の注意点

公開日:/最終更新日:

レモンは、一年中購入することができ、料理の香りづけなどにも使われる果物です。
酸っぱくて爽やかな味わいが特徴のレモンですが、犬に与えても問題ないのでしょうか?
今回は、そんなレモンの栄養と効能、愛犬に与える際の注意点について解説します。

犬はレモンを食べても大丈夫

犬はレモンを食べても大丈夫

結論から言うと、レモンは犬が食べても良い食べ物です。
しかし、レモンは人間ですら刺激が強く感じる果物なので、犬にとっても当然刺激が強いです。
さらにレモンの酸味は苦手な子も多く、犬にとってあまり好まれない果物といえるでしょう。

レモンでしか摂取できない栄養素も特にないため、積極的に与える必要はありません。
ビタミンCなどを摂取させたい場合は、他の果物で代用したり、犬用のサプリメントを活用するのがおすすめです。

また、レモンティーやレモンゼリーなどの加工食品については、犬に与えてはいけません。
レモンティーに含まれるカフェインは犬にとって有毒で、中毒症状を引き起こす恐れがあります。
一般的に犬のカフェイン摂取による致死量は、体重1kgに対し、100mg〜200mgといわれています。
紅茶一杯に含まれるカフェイン量は約30mgのため、軽くなめた程度であれば、ただちに問題があるわけではありませんが、個々の体質によっても危険度は違います。
万が一に備え、紅茶などは愛犬の手の届く範囲に置かないようにしましょう。
他にもレモンゼリーなどの加工品には多くの砂糖が使用されており、犬の肥満の原因になるため、注意が必要です。

【犬にレモンを与えるメリット】免疫力向上・疲労回復・リラックス効果・老化予防

【犬にレモンを与えるメリット】免疫力向上・疲労回復・リラックス効果・老化予防

ビタミンC

レモンにはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCには抗酸化作用があり、老化の予防や、ガン予防に効果的です。
レモン一個あたり約100mgのビタミンCが含まれており、これは犬が一日に必要なビタミンCの約5分の1に相当します。
犬は、肝臓でビタミンCを生成することができますが、1日に作られるのは約50mg程度。
特に、老犬になると体内で作られるビタミンCの量が減ってくるので、食べ物でビタミンCを摂取する必要があります。

クエン酸

レモンにはクエン酸も多く含まれています。
クエン酸は疲労物質である乳酸を分解する作用があります。
乳酸とは筋肉を使う際に糖質を分解したときにできる物質のことで、筋肉に蓄積することによって、運動後は疲労感を感じます。
クエン酸を摂取することで、疲労回復の効果が期待できるでしょう。

リモネン

レモンの香りに含まれるリモネンにはリラックス作用があり、犬の抜け毛予防にも効果を期待されています。
ただし、レモン成分を含んだアロマオイルや精油などは犬にとって刺激が強すぎるので使用するのは避けてくださいね。

レモンは小型犬、大型犬など犬の身体の大きさに合わせて与えよう

レモンは小型犬、大型犬など犬の身体の大きさに合わせて与えよう

レモンは犬に与えても良い果物ということが分かりました。
では、実際愛犬にあげる際、どのくらいの量を与えても良いのでしょうか。
実は、一度に食べても良い量の明確な基準はありません

しかし、犬にとって刺激が強い果物になるので、味や匂いがあまりわからない程度に与えるほうがいいでしょう。
一回に与えても良いおおよその目安は、犬の身体の大きさによって異なります。

小型犬 小さじ4分の1弱~小さじ半分(1cc~2.5cc)
中型犬 小さじ1(5cc)
大型犬 小さじ2(10cc)

このくらいの量を目安に与えてみてください。
レモンのカロリーは100gあたり26kcal、糖質は100gあたり8.6gとなっています。
とても低糖質で、カロリーも低く、水分が多く含まれています。
与えすぎは下痢の原因になってしまうので、大量に与えないように注意しましょう。

【犬にレモンを与える注意点①】皮と種、果肉は与えない

【犬にレモンを与える注意点①】皮と種、果肉は与えない

レモンの外皮には「ソラレン」という中毒を引き起こす成分が含まれています。
この「ソラレン」は、少量の場合は中毒を起こすことはないといわれていますが、犬がどの程度の量を摂取すると中毒を起こすかという明確な量は分かっていません
万が一、愛犬が中毒症状を引き起こさないためにも、皮を与えるのは避けたほうがいいでしょう。

また、種は犬に悪影響を与える成分は含まれていませんが、レモンの種が犬ののどに引っ掛かってしまったり、大量に摂取すると消化不良を起こしたりする可能性があります。
種は愛犬が間違って食べてしまわないように、すぐに犬の手の届かないところに捨てましょう。

なおレモンの果肉は、なるべく与えるのを避けることをおすすめします。
レモンの独特の匂いや酸味は、犬が苦手に感じることが多く、特に子犬は老犬に与える際には刺激がとても強い果物です。
中には刺激が強すぎて嘔吐や下痢をしてしまう犬もいるので、果肉は避けて、少量の果汁のみ与えるようにしてください。

【犬にレモンを与える注意点➁】胃に持病がある場合は与えるのを避ける

【犬にレモンを与える注意点➁】胃に持病がある場合は与えるのを避ける

酸味が強いレモンを消化するのは、犬の胃に多少の負担がかかってしまうことが分かっています。
また、レモンに含まれるクエン酸には「胃酸分泌促進作用」があり、日ごろから胃酸過多の犬に与えると嘔吐を繰り返し、胃炎の原因になることがあります。
胃に持病がある犬は与えない方がいいでしょう。
万が一、レモンを食べた後に、嘔吐や食欲不振が見られた場合、早急に動物病院を受診しましょう。

愛犬にレモンを与える際のおすすめのあげ方

愛犬にレモンを与える際のおすすめのあげ方

【注意点①】の項目で、犬に与える際には、果肉や皮などを与えずに、果汁のみが良いことをお伝えしました。
果汁を少し水で薄めてドッグフードにかけたり、飲み水として使用したりする方法もありますが、犬も人も楽しめるスイーツにしてみるのはいかがでしょうか。

レモン水にはちみつを加えてレモネードにしたり、リンゴをレモン水で煮て、リンゴのコンポートを作ってみたり、レモン水を凍らせてシャーベットのようにして、夏場の暑い時期に愛犬と楽しむのもいいですね。

レモンを苦手に感じる犬は多いので、無理に食べさせる必要はありません
工夫して特別な日のおやつとして楽しんでみてはいかがでしょうか。

レモンは犬に与えてもOK!皮や種は与えず、果汁がおすすめ

レモンは犬に与えてもOK!皮や種は与えず、果汁がおすすめ

レモンはビタミンCが豊富で、香りにもリラックス効果があることが分かりました。
犬にとってレモンは刺激が強い果物なので、果汁を水で薄めてから与えるようにしましょう。

とはいえ、レモンの酸味を嫌がる犬も多いため、積極的に与える必要はありません。
ビタミンCやクエン酸などレモンに含まれる栄養を犬に取らせたい場合は、犬用に開発されたレモン配合のフードやおやつなどを与えたり、犬用のサプリメントを与えたりすることをおすすめします。

著者・専門家プロフィール

この記事を読んだ人におすすめ