犬の鳴き声から分かる心理とは?愛犬の鳴き声をよく聴いてみよう
犬は鳴き声によって感情を表現する動物で、決して無意味に鳴くことはありません。
犬が鳴くときには、何かを訴えたいと思っていたり、心の中で感情が溢れていたりします。
この記事では、犬の鳴き声のバリエーションと、それぞれの心理について解説します。
目次
犬の鳴き声には大きく5パターンがある
普段なにげなく聞いている犬の声には、犬の心理がよく表れています。
犬の気持ちを知るには、その鳴き声に隠れたサインを正確に読み解くことが大切。
以下は、犬の鳴き声のうち、特にオーソドックスな5つの鳴き方とその心理です。
犬の鳴き声のバリエーションを覚えて、愛犬の気持ちを少しでも理解してあげましょう。
「ワンワン!」と鳴く | 警戒・拒否・興奮・要求 |
「ウーッ!」と唸っている | 威嚇・怒り・警戒・独占欲 |
「クーン」と高い声で鳴く | 寂しい・不安・おねだり・甘え |
「キャンッ!」と高い声で鳴く | 怖い・痛い |
「ワオーン」と遠吠えする | 寂しい・テリトリーの主張・コミュニケーション |
「ワンワン!」と鳴く=警戒・拒否・興奮・要求
犬が高いトーンで「ワンワン!」と鳴くときは、ポジティブな感情を表しています。
飼い主が帰宅して嬉しいとき、ドッグランで思いきり走り回れたときなど、喜びの気持ちで思わず鳴いてしまうのです。
ただし、トーンが低い「ワンワン!」の場合は、警戒や拒否といったネガティブな感情が原因かもしれません。
低い声で何度も吠えたり、鳴き声の間に唸り声が入ったりする場合は、「イヤ!」というサインといえます。
なお、小型犬は声が高いため、「ワンワン」という鳴き声が「キャンキャン」に聞こえることもあります。
犬自身は「警戒・拒否・興奮・要求」の気持ちでワンワンと鳴いているのですが、人への聞こえ方が違うのですね。
詳しくは後述しますが、一般的に犬が「キャン」と鳴く場合は、痛みや恐怖を感じているサインです。
犬の「ワン」と「キャン」は意味合いが大きく異なるため、間違って聞き取らないように注意しましょう。
「ウーッ!」と唸っている=威嚇・怒り・警戒・独占欲
犬が「ウーッ!」と唸っているときは、噛みつくぞ!といった威嚇のサインです。
もし、犬が歯をむき出して唸っているようなら、かなり感情が高ぶっていると考えられます。
唸り声に「ワンワン!」という吠え声が続く場合は、警戒や拒否の気持ちが強く、イヤ!という気持ちの表れ。
胸から発しているような「ウーグルルルル」という鳴き声は、攻撃の一歩手前にみられるでしょう。
一方で、唸り声が高い・歯を見せずに唸っている場合は、独占欲や興奮から鳴いている可能性が高いです。
これは犬が夢中で遊んでいるときによくみられる鳴き声で、「すごく面白くて楽しい!」という心理状況にあります。
飼い主に対して威嚇をしていたり、怒ったりして鳴いているわけではないため、叱らないでくださいね。
「クーン」と高い声で鳴く=恐怖・不安・寂しい・おねだり・甘え
犬が「クーン」と鳴くときは、恐怖や不安の気持ちを表しています。
慣れない場所に連れてこられた不安や、過去のイヤな経験を思い出して鳴いているのですね。
ただし、叱った後に「クーン」と鳴く場合は、あなたにはかないませんという服従心が理由かもしれません。
また、犬が寂しげな表情で「クーン」と鳴いているときは、寂しい・甘えたいというサインです。
このとき尻尾はダランと下がっているか、後ろ足の間にすっぽり入っていて、目は少し上目遣いになります。
上目遣いはしているけれど尻尾が上にあるようなら、おやつや遊びなどをおねだりしている可能性があるでしょう。
「キャンッ!」と高い声で鳴く=怖い・痛い
犬が「キャンッ!」と鳴くときは、痛みや恐怖を感じています。
犬は苦痛への忍耐力が強い動物で、「キャンッ!」という悲鳴は滅多にあげません。
にもかかわらず犬が「キャンッ!」と鳴いた場合は、非常に強い恐怖や苦痛を感じているといえるでしょう。
なお、日常生活で犬が「キャンッ!」と鳴いたときは、病気や怪我の可能性があります。
見た目では特に変化がなくても、実は骨折や脱臼をしていたり、神経や内臓に炎症が起きているかもしれません。
もし何もしていないときに犬が「キャンッ!」と鳴いた場合は、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
「ワオーン」と遠吠えする=寂しい・テリトリーの主張・コミュニケーション
犬が「ワオーン」と遠吠えをするのは、「寂しい!」という気持ちがほとんどです。
オオカミの場合、主にテリトリーの主張や仲間とのコミュニケーションのために遠吠えをします。
犬も同じ理由で遠吠えをすることはありますが、犬の場合は「寂しい」という気持ちで行うケースが多いといわれています。
家族が留守にしているときなど、寂しさを紛らわせたいという気持ちから、犬は遠吠えをするのですね。
寂しさが原因の遠吠えは、犬のストレスを解消すれば減らすことができます。
スキンシップを増やしたり、留守番の時間を減らしたりして、犬が寂しくならない工夫をしましょう。
飼い主への依存度が高く、甘えん坊な犬はストレスがたまりやすいため、特に気を付けてあげてください。
なお、なかには救急車や消防車のサイレンに反応して、遠吠えをする犬もいます。
サイレンへの反応は本能的なものであり、鳴かないようにしつけるのは難しいといえます。
サイレンに反応して遠吠えをする犬には、吠えた直後に声をかけて止めさせるようにしましょう。
愛犬の鳴き声から心理を読み取ろう
犬の鳴き声には多くのパターンがあり、それぞれに犬の心理が表れています。
鳴き声のバリエーションやトーンの違いを知っておけば、今よりもっと愛犬の気持ちを理解できるはず。
鳴き声に込められたサインを正確に読み取って、愛犬との生活をより良いものにしてくださいね。