犬がミミズに体を擦り付けたり食べるのはなぜ?寄生虫の危険性や対策
犬と散歩している際にミミズを見つけた犬が体を擦り付けたり食べたりした・・・という経験をしたことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、犬がミミズに体を擦り付ける理由やミミズを食べた時の危険性、対策についてご紹介していきます。
目次
犬がミミズに体を擦り付ける理由
そもそも、ミミズを見つけると犬が体を擦り付けたり食べたりする理由とは何なのでしょうか。
ずばり結論から言ってしまうと、理由は「犬はミミズのにおいが好きだから」です。
ミミズは犬が好むにおいを発していると言われており、その中でも特に「死んだミミズ」の腐りかけたにおいが好きな子が多いのだそう。
犬にとってミミズは「猫にとってのマタタビ」のようなものなのですね。
そして、みなさんもご存じのように、犬は嗅覚が優れていることで有名な動物です。
犬がミミズに体を擦り付けるのは「野生時代の名残」とも言われており、狩りをする際に獲物に自分の存在を気づかせないための “カモフラージュ”だとされています。
ミミズに体を擦り付けることへの衛生面での心配
ミミズのにおいが好きということと野生時代の名残もあって、犬はミミズに体を擦り付けるのだとわかりました。
しかし、ミミズに体を擦り付けることによって衛生面では問題がないのかどうか不安になってしまいますよね。
こちらも結論から言うと、ミミズに体を擦り付けることに関しては衛生面での問題は特にないようです。
ミミズに体を擦り付けるだけで何かの病気に感染してしまう・・・ということは、ほとんどの場合ありません。
ですが、やはりミミズのにおいは少なからず付きますし、飼い主側の感覚でも「ちょっと嫌だな」と感じることも多いかと思います。
ミミズに体を擦り付ける犬の行動は、私たち飼い主からしたら困惑してしまうものですよね。
しかし、犬の本能でもあるため強く叱ることは避けて、うまく対処していくのがベストです。
犬がミミズを食べた場合の体への影響
ミミズに体を擦り付けることに関して衛生面での問題はなくても、犬がミミズを食べてしまった場合に「体へ何かしらの影響が出るのではないか」と不安な飼い主さんもきっと多いかと思います。
ここからは、犬がミミズを食べた場合の体への影響についてお話します。
寄生虫の心配
ミミズというと「虫」ですから、まず気になるのは寄生虫感染の心配ですよね。
そこまで多くはないものの、ごくまれにミミズを食べたことによって寄生虫が体内へ入り込んでしまうこともあるようです。
ミミズに潜んでいることの多い「毛細線虫」と呼ばれる寄生虫は、白いミミズのような小さな寄生虫の「回虫」とは違って、成虫が犬の便に混じって出てくることはありません。
犬の体内で産卵をし、幼虫や卵の状態で尿や便と一緒に体外へ排出されます。
なので、「犬のうんちを見ていて気づく」ということはほとんどないと言えるでしょう。
下痢で気づくことが多い
ミミズを食べたことによって毛細線虫に寄生されると、多くの犬が下痢をします。
ここで初めて動物病院へ連れて行き検査をした結果、体内に寄生虫がいた・・・と気づくこともあるのです。
1回の治療では治らない場合が多いのですが、しっかり治療すればそれほど大きな心配はしなくても大丈夫です。
ミミズを食べても過度な心配は不要
寄生虫の話をしたので不安に思ってしまう飼い主さんも多いかもしれません。
しかし、これはあくまでも「ごくまれに」の話であって、犬がミミズを食べたからといって過度に心配する必要はありません。
もし犬がミミズを食べた後に下痢になってしまっても、それが必ず寄生虫によって引き起こされたものだとは限らないのです。
というのも、死んだミミズの場合では死後に細菌が繁殖しているケースも少なくはないので、そのせいで下痢をしてしまったということもあり得ます。
過度な心配は不要ですが、下痢をした場合にはかかりつけの動物病院で検査を受けることが大切です。
犬にミミズを食べさせないための対策
犬がミミズに体を擦り付けることも食べることも、過度な心配はしなくても大丈夫だということがわかりました。
しかし、私たち飼い主からしたら、できるだけミミズに関わることを避けて欲しいのが本音ですよね。
犬にミミズを出来るだけ近寄らせないためには、どのような対策が必要なのでしょうか。
シャンプーは香りの少ないものにする
犬とミミズとシャンプー、一見何の関係もないように感じる人が多いかもしれませんね。
シャンプー後の犬のにおいは私たち人間にとっては「とてもいい香り」です。
しかし、嗅覚の優れている犬にとっては「きついにおい」になってしまっている場合も珍しくはありません。
そんな時に大好きなにおいであるミミズを発見すると、犬は「ミミズでにおいの上書きしよう」と体を擦り付けてしまうのです。
犬のシャンプーの際には、できるだけ香りの少ないものを選ぶようにしましょう。
雨が降った後のアスファルトを避ける
みなさんも雨が降った後の道路を歩いていて、たくさんのミミズを見かけた経験があるかと思います。
これは、いつもは土の中で生活しているミミズが、雨で土が湿ったことにより呼吸をするために外へ出てくるからなのです。
なので、ミミズを見かけるのはほとんどの場合が「雨が降った後の腐葉土の近くのアスファルト」なんですね。
雨が降っている時や雨上がりに犬と散歩に行く時には、畑や花壇のあるような道を避けて、ミミズが生息できないような“地面の硬い芝生や道路”を選ぶといいかもしれません。
ミミズに対しては飼い主が先回りを
犬がミミズに体を擦り付けたり食べたり・・・私たち飼い主は困惑してしまうことも多いですよね。
しかし、先ほどからお話しているようにミミズは犬にとっての「猫のマタタビ」のようなもので、ミミズに興奮してしまうのは犬にとってはごく自然なことなのです。
そうした犬の本能を否定しないように、初めからミミズのいないような散歩コースを選ぶなどして、飼い主側が上手く立ち回っていきましょう。
ミミズを食べてしまう子の場合には「拾い食いをさせないようにしつけをする」ということも忘れないでくださいね。