クリッカーを使った犬のしつけ方法とそのメリット・デメリット
皆さんは愛犬のしつけ方法の1つに「クリッカー」という道具を使ったしつけ方があるのをご存知でしょうか。
クリッカーはもともとイルカの訓練などに使用する道具でしたが、近年では犬のしつけ道具としても人気を集めているため、耳にしたことがある人も多いでしょう。
現在では様々なクリッカーが販売されていますが、使い方は大体一緒で、そのほとんどは1000円以下で購入が可能です。
今回は、そんなクリッカーを使用したしつけ方法と、そのメリット・デメリットについてご紹介します。
目次
クリッカーを使ったしつけの基本
クリッカーを使って愛犬のしつけを行う場合、最も大切なのが「クリッカーを鳴らすタイミング」です。
通常のしつけの時もそうですが、犬のしつけでは「タイミング」が非常に重要になってきます。
しつけの際は「褒めるタイミングとその方法」、「叱るタイミングとその方法」を飼い主さんがしっかりと明確に理解し、取り組むようにしましょう。
愛犬は当然のことながら、飼い主さんの言葉をすべて理解することは出来ません。
そのため、褒めるときや叱るときには、その方法などを明確にした上で、タイミングよく愛犬に自分の意思を伝える必要があります。
例でいうと、愛犬が悪さをしてしまった場合、片付けをして数分後に叱ったとしても、愛犬にとっては自分がなぜ怒られたのかが分かりません。
褒める場合も同様に、良いことをしてくれたその瞬間にご褒美を与えたり、褒めながら撫でてあげたりしないと、自分がなぜ褒められたのか理由が分からないのです。
クリッカーを使ったしつけでは、このタイミングを大切にしながら、「正の強化」と呼ばれる手法を使います。
正の強化とは、「良い行動をしたら」「嬉しい刺激(ほめられたり、ご褒美がもらえるなど)があったので」「その行動が増える」というものです。
この正の強化を使い、クリッカーを使った反復トレーニングを行うことで、犬は自分が「こうすると(行動)」→「この音が鳴って(刺激)」→「自分に良いことが起きる(ご褒美がもらえたりする)」=だからまた同じことをしよう!と考えるようになります。
クリッカーを使ったしつけの手順
- 1.愛犬のおやつを準備します。
愛犬の大好物は高度なしつけの時に使いたいので、はじめの簡単なしつけの場合は、犬にとってグレードの低いおやつを選びましょう。
犬が好きであれば、普段食べているドライフードでも構いません。 - 2.愛犬がおやつ欲しさに寄って来たら、クリッカーを1度だけ鳴らしておやつを与えます。
- 3.はじめはおやつを与える度に、クリッカーを1度鳴らすという手順を繰り返して、愛犬をクリッカーの音に慣らしましょう。
- 4.愛犬がクリッカーの音に慣れたら「おすわり・伏せ・待て」などのしつけを行い、愛犬が指示に従ったらすぐにクリッカーを1度鳴らします。
- 5.クリッカーを1度鳴らした直後にご褒美を与えて、十分に褒めてあげます。
- 6.繰り返し、同じしつけを行います。
クリッカーを使ったしつけの注意事項
タイミングを見逃さない
先述もしましたが、クリッカーを使ったしつけではタイミングが非常に重要です。
犬が良い行いをしたら、すぐにクリッカーを鳴らし、ご褒美を与えて褒めましょう。
クリッカーをむやみに鳴らさない
クリッカーをむやみに鳴らさないことは非常に大切です。
愛犬が良い行いをしたら1度だけ鳴らして、それ以外の用途では鳴らしたり、使用しないようにしましょう。
良いことをしたとき以外にクリッカーの音を犬に聞かせてしまうと、犬は「こうすると(行動)この音がなって(刺激)自分に良いことが起こる」という認識ができなくなってしまうので注意が必要です。
短時間のしつけにする
クリッカーでのしつけにかかわらず、犬のしつけは短時間で行うことが有効的です。
犬の集中力は、1回5分~15分程度の短時間であるといわれています。
焦らずに長期スパンで短いしつけの時間を繰り返すようにしましょう。
クリッカーを使ったしつけのメリットとデメリット
クリッカーを使ったしつけのメリット
クリッカーを使用したしつけは、犬にとっても大変理解しやすいため、比較的すぐに指示を覚えてくれるというメリットがあります。
当然ですが、犬は人間のように言葉を使ったコミュニケーションを取ることが出来ません。
そのため、人間の言葉は犬にとって、単なる「音」といっても過言ではないでしょう。
その点で見ると、クリッカーは感情に左右されないため、常に短く一定の音を出すことができます。
犬にとっては飼い主さんが話す言葉よりも覚えやすく、言葉で教えるような複雑さがないため、比較的短時間でしつけが出来るようになるでしょう。
クリッカーを使ったしつけのデメリット
クリッカーでしつけを行うということは、当然のことながら、いつでも常にクリッカーを持ち歩いていなければなりません。
クリッカーでしつけを覚えた犬は、クリッカーの音がない状態だと飼い主さんのいうことを聞いてくれないといったケースもしばしばあります。
そのため、クリッカーでしつけを行い、「待て」や「伏せ」、「座れ」などの指示を完璧にこなすことが出来るようになったら、徐々にクリッカーの回数を減らし、飼い主さんの言葉によるコマンドのみで指示をこなせるよう、しつけを移行させる必要があります。
しつけ習得の導入に有効なクリッカー
今回はクリッカーを使ったしつけ方法についてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
クリッカーは、使い方によってはとても手軽で、有効なしつけツールです。
ただし、メリット・デメリットの項でも述べたように、クリッカーに頼りすぎてしまうと、いざクリッカーがないときに言うことを聞いてくれないなどの恐れもあるため、あくまでもクリッカーはしつけの導入として活用するようにしましょう。
また、他のしつけ方法でも同じですが、犬は楽しい環境の方がしつけをスムーズに覚えてくれます。
クリッカーを使用したしつけを行う際も、飼い主さんが一緒に楽しみながらしつけを行うようにすると良いでしょう。