ブリュッセルグリフォン・ベルジアングリフォン・プチブラバンソンの違いとは?

ブリュッセルグリフォン・ベルジアングリフォン・プチブラバンソンの違いとは?

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ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンという犬種をご存知でしょうか?
この3犬種は、数ある犬種の中でも特徴的な歴史を持っており、犬種としての扱いが国によって異なる珍しい犬です。
今回は、ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンの違いについて詳しく紹介します。

3犬種の違いは毛の色と長さのみ

3犬種の違いは毛の色と長さのみ

ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンの違いは、毛の色と長さのみです。
ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォンは毛が長く、プチブラバンソンは短毛のスムースコートを持っています。
ブリュッセルグリフォンの毛色はレッドか赤みがかかった茶色で、ベルジアングリフォンはブラックかブラック&タンの毛色。
プチブラバンソンは、レッド、ブラック、ブラック&タンと、ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン両方の毛色があります。

犬種 毛色 被毛
ブリュッセルグリフォン レッド、赤みがかった茶色 長毛のラフコート
ベルジアングリフォン ブラック、ブラック&タン 長毛のラフコート
プチブラバンソン レッド、ブラック、ブラック&タン 短毛のスムースコート

なぜプチブラバンソンだけ短毛なのか

なぜプチブラバンソンだけ短毛なのか

プチブラバンソンだけが短毛なのは、1800年代に行われた品種改良によるものです。
詳しい歴史は後述しますが、当時ブリュッセルグリフォンには黒毛のパグが掛け合わされていました。
その影響で、パグの遺伝子を色濃く受け継ぐ子犬がまれに生まれるようになり、徐々に犬種として固定されたのです。

なお、プチブラバンソンはパグの見た目だけでなく、気質もある程度受け継いでいます。
そのため、パグと同じく全体的にマイペースであり、合わない相手には積極的に関わらず、距離を取る傾向があるでしょう。
可愛らしい外見に似合わず頑固な一面があるので、しつけは子犬の頃から節度を持って行ってくださいね。

3犬種はもともと1匹の犬だった

3犬種はもともと1匹の犬だった

さて、ここからは3犬種の扱いが複雑になった理由を解説します。
ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンの歴史は、ベルギーのブリュッセルから始まります。
ブリュッセルには当時、馬小屋に侵入するねずみを狩るために飼育されていた「スムージー」という名前の小型犬がいました。
スムージーは1880年、ベルギー独立15周年祝賀イベントとして行われたドッグショーに出展され、1883年に血統登録台帳に記録。
その後、1886年にベルギー王妃のマリー・アントワネットの目に留まり、「ブラッセル・グリフォン」として有名になりました。

ブラッセル・グリフォンの評判は、徐々に近隣のヨーロッパ諸国にも広まっていきます。
この頃になると、グリフォンをベースに、パグやキャバリア、ヨークシャー・テリアなど、様々な犬種が交配されるように。
最終的には、長毛で赤茶色の犬をブリュッセル・グリフォン長毛で黒毛の個体をベルジアン・グリフォン短毛で黒毛の犬はプチブラバンソンと名付けられました。

3犬種の扱いは国ごとに違っている

3犬種の扱いは国ごとに違っている

ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンの扱いは、各国それぞれ異なります。
毛の長さと色以外はほぼ同じであるため、国や血統管理団体によって同犬種・別犬種の認識が異なるのですね。

なお、JKC(ジャパンケネルクラブ)やFCI(世界畜犬連盟)では、3犬種とも別々の犬種として扱っています。
ただし、UKC(ユナイテッドケネルクラブ)やAKC(アメリカンケネルクラブ)では、3犬種すべてを「ブリュッセルグリフォン」と登録。
その他、国によってはブリュッセルグリフォンとベルジアングリフォンは同一犬種で、プチブラバンソンのみ別犬種とする場合もあります。

同じ親から別の犬種が生まれることもある

同じ親から別の犬種が生まれることもある

ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンの場合、同腹の兄弟が別犬種ということもあり得ます。
つまり、同じ親から生まれたからといって同じ被毛タイプの子犬とは限らず、親とはまったく異なる特徴の被毛を持つこともあるのです。
例えば、両親がプチブラバンソンの子犬が、長毛の黒毛「ベルジアングリフォン」や長毛の赤毛「ブリュッセルグリフォン」だったりすることもあります。
プチブラバンソンとブリュッセルグリフォンを掛け合わせて生まれた子犬が、ベルジアングリフォンとして生まれてくることもあるでしょう。

NKCやAKCでこれら3犬種を同一として扱うのは、生まれる子犬が固定化されていないことも関係しています。
非公開犬種も含めると、世界には約800もの犬種があるといわれていますが、こうした扱いをされるのはこの3犬種のみです。
別々の名前を持ちながら、場合によっては同じ親の元から生まれてくる可能性があるというのはとてもミステリアスで面白いですね。

世界的にも珍しい魅力あふれる3犬種

世界的にも珍しい魅力あふれる3犬種

ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンは、微妙に異なる特徴を持った犬種です。
ただ、祖先が同じであること、同じ親から別犬種が生まれる可能性があることから、国によって犬種の扱いは異なります。
毛の長さや色が違うので、詳しい人であれば見わけることはできますが、犬種の成り立ちを知らない人は混乱してしまうかも。

特にプチブラバンソンは黒パグと間違えられやすいので、歴史を覚えておくと説明がしやすいですよ。
世界的にも珍しい扱いをされている3犬種について、ぜひこの機会に覚えておいてくださいね。