犬に新型コロナウイルスは感染する?犬の飼い主さんが知っておくべきこと
2019年12月から現在に至るまで猛威を振るっている、新型コロナウイルス感染症。
世界中が混乱状態にある中、犬と暮らすうえで知っておきたいこととは何でしょうか?
この記事では、新型コロナウイルスが及ぼす犬への影響についてまとめています。
目次
新型コロナウイルスは犬にも感染する?
飼い主さんが1番心配していること、それは「犬も新型コロナウイルスに感染するの?」ということではないでしょうか?
海外では、犬や猫などの動物に新型コロナウイルスの感染が確認されたという情報が複数報じられています(2020年7月時点)。
すべてが信憑性のある情報とはいえませんが、報告が複数あがっていることを考えると、感染の可能性はゼロではありません。そのため、現時点では「新型コロナウイルスは犬にも感染することがある」と考えてよいでしょう。
とはいえ、新型コロナウイルスは「種特異性」が高く、動物種を超えて感染する可能性が低いウイルスです。
つまり、人は人、犬は犬間でのみ感染するということです。
もちろん、ウイルスの突然変異が起こることがないわけではありませんが、現時点では「人から犬への感染」はわずか2例のみ。
ベルギー当局によると、いずれも香港で確認・コロナウイルスの症状はみられなかったとのことです。
※報道のほとんどは、動物園の虎やライオン、あるいはペットの猫など、猫科の動物への感染事例です。
アメリカや東京大学が行った研究でも、猫とフェレットは新型コロナウイルスに感染しやすいことが分かっていますが、犬の場合は感染しにくいと報告されています。
新型コロナウイルスは「犬から人」に感染する?
これまでのところ、新型コロナウイルスが「犬から人」に感染した事例はありません。
また、「犬による新型コロナウイルスの媒介」も、可能性は非常に低いといわれています。
ウイルスの媒介とは、いわゆる「細菌やウイルスなどの病原体が他者に運ばれ、感染が広がること」です。
つまり、新型コロナウイルスが人から犬にうつり、犬と接触した別の人にウイルスが伝染してしまうといった流れのことですね。
ただし、新型コロナウイルスに関することは未解明の部分が多く、今後どのような情報が出てくるか分かりません。
「人から犬への感染」がわずかながら確認されている以上、念のため他所のおうちのワンちゃんとは接触を避けたほうが安心でしょう。
ドッグランのように、不特定多数の人・犬が集まる場所へのお出かけも避けたほうが無難です。
新型コロナウイルスに感染した犬には、どんな症状が出る?
犬が新型コロナウイルスに感染した場合、明確な症状は出ないといわれています。
そのため、例え愛犬が新型コロナウイルスに感染していたとしても、多くの飼い主さんは感染していること自体気付かないかもしれません。
日本では、犬や猫などの動物にコロナウイルスの検査(PCR検査)を行うこと自体まれなので、なかには気付かぬうちに愛犬が感染・治癒しているケースもあるでしょう。
ちなみに、猫が新型コロナウイルスに感染してしまった場合は、呼吸困難などの呼吸器症状をはじめ、下痢や嘔吐などの消化器症状がみられることが分かっています。
犬の病気には、もともと「コロナウイルス感染症」があるって本当?
実は、犬にはもともと「犬コロナウイルス感染症」という病気が存在します。
ただし、この病気は現在蔓延している新型コロナウイルスとはまったく別のもので、原因ウイルスや症状も異なります。
非常によく似た名前なのでややこしいのですが、従来のコロナウイルス感染症と新型コロナウイルス感染症、これらの病態について混同してしまわないように注意しましょう。
ちなみに、元々存在している「犬コロナウイルス感染症」は、主に子犬にみられる病気です。
症状は下痢や食欲低下、嘔吐などの消化器症状がメインですが、成犬が感染した場合のほとんどは無症状です。
この犬コロナウイルス感染症は6種混合ワクチン以上のワクチンで予防できる病気なので、気になる方はかかりつけの動物病院に相談してみてくださいね。
コロナウイルス予防のために、飼い主さんができること
未解明な部分が多い新型コロナウイルスですが、ご自身と愛犬の健康を守るためには「ウイルスとの接触をできる限り避けること」が何より大切です。
新型コロナウイルスが人から犬、犬から人に感染する例はほとんどありませんが、犬の被毛にウイルスが付着してしまう可能性はゼロではありません。
ここでは、犬との暮らしで必要な新型コロナウイルスの感染予防対策を3つ紹介します。
1.散歩は人込みを避けて行う
感染者のくしゃみや咳などの飛沫を浴びないように、散歩時は人通りの少ない時間帯・ルートを選びましょう。
人が多い場所を通る時は立ち止まったりせずに、できる限りソーシャルディスタンスを保ってください。
2.散歩後はウェットシートなどで足を拭く
散歩後は足裏を拭くなどして、地面に付着したウイルスを室内に持ち込ませないことも大切です。
犬が嫌がらないようであれば、流水で丁寧に汚れを洗い流してください。なお、散歩のたびに足裏をシャンプーで洗う必要はありません。
水が苦手な愛犬には、市販のウェットシートを使って拭いてあげるだけでも、表面に付いた汚れやウイルスを拭き取ることは可能です。
3.定期的にシャンプー・おふろに入れる
新型コロナウイルスに限った話ではありませんが、定期的なシャンプーは様々な病気の予防に効果的です。
月に2回以上のシャンプーはかえって皮膚トラブルを招く恐れがあるため、入れすぎには注意してください。
家族以外の人と愛犬が接触した場合には、全身用のウェットシートで被毛を拭くようにするといいですね。
犬に人用の消毒スプレーを振りかけるのはNG!
ウイルスを除去したいからといって、犬に消毒スプレーなどを振りかけてはいけません。
エタノールなどのアルコールや次亜塩素酸ナトリウム、界面活性剤などには、少なからず毒性があります。
そのため、場合によっては、消毒液の成分によって思い中毒症状を起こす可能性があります。誤った使い方をすると愛犬の健康を害してしまいかねませんので、むやみに使わないようにしましょう。
もし愛犬の被毛を消毒したい!という場合は、ペット用のウェットシートや消毒スプレーを使うようにしましょう。
きちんと安全性が確保されたペット用の消毒成分であれば、犬が毛づくろいの時に舐めとってしまっても安心です。
正しい情報をもとに、新型コロナウイルスの感染拡大を防ごう
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、適切な予防策を行うことが大切です。
様々な情報が錯綜するなか、正しい情報を見極めるのは難しいかもしれません。
しかし、大切な愛犬を守れるのは飼い主であるあなただけ。新型コロナウイルスについては、今後も様々な情報が出てくることが予想されますが、その都度正確な情報かどうか確かめた上で、行動するようにしましょう。