インフルエンザは犬にもうつる?犬インフルエンザの症状や予防法
今シーズン、インフルエンザで病院を受診した患者さんは警報レベルまで増えています。
人のインフルエンザは高熱や関節痛など、風邪とはくらべものにならないほどツラい症状がでる感染症。
毎年11~3月に流行するインフルエンザですが、はたして犬にも感染するのでしょうか?
今回は、犬のインフルエンザの症状や感染経路、予防法などについて説明します。
目次
犬のインフルエンザとは
犬のインフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって起こる伝染性呼吸器疾患のこと。
感染経路は飛沫、および接触感染で、感染している犬の体液に混じったウイルスを吸い込むことで感染します。
犬インフルエンザの型はA型で、インフルエンザウイルスのなかではもっとも症状が重いとされています。
とはいえ、犬インフルエンザの場合は人のように高熱が出ることは少なく、咳や鼻水、食欲不振などの症状がほとんど。
やや発熱することもありますが、ほとんどは風邪のような軽い症状が続くだけで、適切な処置を受ければ回復に向かいます。
ただし、抵抗力の弱い子犬やシニア犬では40℃以上の高熱や肺炎を起こす可能性もあり、注意が必要です。
人のインフルエンザウイルスは犬には感染らない
結論からいうと、人のインフルエンザウイルスは犬には感染りません。
インフルエンザは人間だけの病気ではなく、鳥や馬など様々な動物が感染する病気です。
少し前は鳥インフルエンザが国内で流行し、家畜として飼育されていた多くの鳥が処分されました。
インフルエンザには動物種ごとに型が存在しており、異なる動物同士で感染が広がることはありません。
つまり、飼い主がインフルエンザにかかったとしても、愛犬に感染することはないということですね。
日本ではまだ感染が確認されていない犬インフルエンザ
感染率が高い病気であるインフルエンザですが、日本国内で犬が感染した例はまだありません。
アメリカや一部のアジア地域では犬インフルエンザが流行したこともありますが、日本では一度もないのです。
もちろん条件がそろってしまえば、国内でもインフルエンザウイルスが広がる可能性は十分にあります。
また、人のインフルエンザウイルスが発生する過程で突然変異を起こして犬に感染する可能性も考えられます。
犬を連れて海外に行く場合は、インフルエンザウイルスを持ち込まないよう注意しましょう。
現地の犬とはできるだけ接触を避け、犬が集まる場所には連れて行かないようにしてくださいね。
犬インフルエンザによく似た病気「犬パラインフルエンザ」とは
犬パラインフルエンザは、犬インフルエンザと混同されがちな病気として知られる感染症です。
「パラ」とは英語で「疑似」という意味があり、その名の通り「インフルエンザとよく似た」という意味合いで使われます。
犬パラインフルエンザに感染した犬は、咳や鼻水、食欲不振や発熱など、風邪のような症状を表します。
基本的には命に関わる病気ではありませんが、ウイルスや細菌など他の病原体と合わさると症状が悪化します。
特に抵抗力の弱い子犬が感染しやすい病気であり、ペットショップなどでの感染が問題視されることも…。
多くの場合は咳だけで症状が治まることも多いですが、感染拡大には十分な注意が必要です。
また、インフルエンザと違い、パラインフルエンザには予防のためのワクチンが存在します。
犬パラインフルエンザのワクチンが入っているのは、5種混合ワクチン以上から。
4種以下になると犬パラインフルエンザワクチンは含まれていないため、注意してくださいね。
インフルエンザ予防で大切な3つのポイント
現在、日本国内には犬用のインフルエンザワクチンがありません。
当たり前のことですが、人用のインフルエンザワクチンを犬に使用することも禁止されています。
では、犬のインフルエンザはどうやって予防すれば良いのでしょうか?
犬が集まる場所に行かない
感染力が強いインフルエンザウイルスは、発生すると爆発的に感染を広げていきます。
犬がたくさん集まるドッグランなどでは感染が拡大する恐れがあるため、発症国では注意を呼びかけているほど。
他の病気に感染するリスクを考えると、抵抗力の弱い子犬やシニア犬は避けたほうが安心でしょう。
普段から免疫力アップを心がける
普段から規則正しい生活を心がけて、病気に負けない体作りをしましょう。
栄養バランスの整った食事、適度な運動、たっぷりの睡眠など、免疫力アップに関わるものは様々です。
毎日少しの時間でも愛犬とコミュニケーションを取ることで、愛犬のストレス解消効果も期待できます。
他の犬と食器やおもちゃを共有しない
食器やおもちゃは犬のよだれや鼻水がたくさん付着しているため、他の犬と共有するのはNG。
インフルエンザウイルスは、感染した犬の体液や排泄物と接触・ウイルスを口から吸いこむことで感染します。
感染拡大を避けるためにも、何らかの感染症が疑われる時は他の部屋に隔離することも大切です。