犬はパプリカを食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点

犬はパプリカを食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点

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ピーマンの一種であるパプリカは、ナス科トウガラシ属の野菜です。
日本で流通しているパプリカは、ピーマンと違って苦味がなく甘味もありますが、愛犬に与えてもよいのでしょうか?
今回は、パプリカの栄養と効能、愛犬に与える時の注意点を解説します。

犬はパプリカを食べても大丈夫

犬はパプリカを食べても大丈夫

まず初めに、パプリカは犬に与えても良い食べ物です。
パプリカには赤や黄色、オレンジや緑など様々な色がありますが、どの色を与えてもOK
種やヘタは消化に悪く、のどに詰まってしまう可能性があるため、取り除いてから与えましょう。

ちなみに、パプリカは生で与えても問題ありません。
しかし、子犬やシニア犬など、消化機能が低い場合は下痢を起こす可能性もあるため要注意。
パプリカは熱を加えることで消化しやすくなるため、出来れば加熱してから与えるのが良いでしょう。

【パプリカのメリット】ガン予防・免疫力アップ・視力回復・動脈硬化予防など

【パプリカのメリット】ガン予防・免疫力アップ・視力回復・動脈硬化予防など

パプリカには、抗酸化作用のあるビタミン群やβカロテン(※)が豊富に含まれています。
上記の栄養素はピーマンにも含まれていますが、パプリカの含有量はなんとピーマンの2倍以上!
特に栄養価が高いのはオレンジや赤色のもので、一日に必要なビタミンCをたった6分の1で摂取できます。
数ある野菜のなかでも、パプリカはトップクラスでビタミンを多く含む野菜といえるでしょう。

また、赤パプリカに含まれるカプサンチンには、βカロテンよりも強力な抗酸化作用があります。
カプサンチンは赤い色素のもととなる成分で、体内の過剰なコレステロールを取り除く働きを持ちます。
最近では、犬にも動脈硬化などの生活習慣病が増えてきているので、ぜひ積極的に摂取しましょう。

なお、黄色やオレンジ色のパプリカには「ルテイン」という抗酸化物質が含まれています。
カプサンチンと同じく強い抗酸化作用を持っている成分ですが、特に目に対する効果が高いと言われています。
紫外線や蛍光灯の光などによって発生する活性酸素を除去し、目の健康をサポートしてくれたり、白内障など加齢によってリスクが高まる眼病の予防にも、効果が期待できるでしょう。

「βカロテンの過剰摂取はビタミンA中毒を起こす」というのは、誤った情報です。
βカロテンは必要な量だけがビタミンAとして変換されるため、たくさん摂取しても心配ありません。
水溶性ビタミンの一種なので体内に蓄積することもなく、安心して摂取できる成分です。

パプリカは「1日の総カロリーの20%以内」を目安に与えよう

パプリカは「1日の総カロリーの20%以内」を目安に与えよう

愛犬にパプリカを与える時は、1日に必要な総カロリーの20%以内にしましょう。
パプリカはあくまで毎日のおやつやトッピング程度にし、与えすぎには注意してください。

ちなみに、パプリカのカロリーは、100gあたり約30kcalです。
カロリーは低いですが、与えすぎは栄養バランスの乱れにつながるので、要注意。
消化不良などの健康トラブルを避けるためにも、愛犬にパプリカを与える時は適量を意識しましょう。

【注意点①】長く茹でるとビタミンがお湯に溶けだしてしまう

【注意点①】長く茹でるとビタミンがお湯に溶けだしてしまう

パプリカには、水に溶けだす作用を持つビタミンCが多く含まれています。
そのため、あまり長く茹でてしまうと、せっかくの栄養素がお湯に溶けだしてしまいます。

犬にパプリカを与える時は、ビタミンが溶け出さないよう、電子レンジで蒸したり、炒めるのが◎。
油を使った料理や、卵・肉など脂質が多い食べ物と一緒に食べると、βカロテンの吸収率が高まります
皮を柔らかくしたい場合は、直火で表面を焼いてから冷水につけると、皮が剥けやすくなりますよ。

【注意点②】腎臓病、心臓病の犬にはワタを取り除いてから与えよう

【注意点②】腎臓病、心臓病の犬にはワタを取り除いてから与えよう

パプリカのワタにはカリウムが豊富に含まれており、腎臓・心臓病の犬には良くありません。(※)
カリウムは犬の健康に欠かせない栄養素ですが、腎臓の機能が低下している場合は制限が必要です。
腎不全の犬をはじめ、心臓病の犬には、念のためパプリカのワタは避けたほうが良いでしょう。

なお、パプリカのワタには「ピラジン」という成分も豊富に含まれています。
ピラジンは血液をサラサラにする作用があり、心筋梗塞など血栓症の予防に効果が期待できるでしょう。
愛犬にパプリカのワタを与える時は、消化しやすいように加熱してあげてくださいね。

※通常、あまったカリウムは尿とともに体外へ排出されますが、腎臓の働きが悪くなると体内へ蓄積します。
体内にカリウムが蓄積すると、高カリウム血症を引き起こす可能性があるため、注意してください。

パプリカは犬に与えてもOK!種やヘタ、ワタは取り除いたほうが◎

パプリカは犬に与えてもOK!種やヘタ、ワタは取り除いたほうが◎

パプリカは野菜のなかでも特に栄養価が高く、犬が食べても大丈夫です。
あまり長く茹でると栄養がお湯に溶けだしてしまうので、電子レンジで蒸したり、炒めるのがおすすめ。
ちなみに、パプリカに含まれるβカロテンは、油と一緒に摂取することで吸収率が良くなります。
ぜひ、パプリカの持つ健康効果を利用して、愛犬の元気をサポートしてあげてくださいね。