犬はアスパラガスを食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点
焼いたり、炒めたりしても美味しいアスパラガスは、ユリ科アスパラガス属の野菜です。
枝葉が出る前の新芽の茎を食用にしたものをアスパラガスと呼びますが、愛犬に与えても問題はないでしょうか?
今回は、そんなアスパラガスの栄養と効能、愛犬に与える時の注意点について解説します。
目次
犬はアスパラガスを食べても大丈夫
まずはじめに、アスパラガスは犬に与えても良い野菜です。
「ユリ科の植物」と聞くと、なんとなく有毒な印象がありますが、アスパラガスは犬にとって害のない食べ物です。
生のまま与えても構いませんが、熱を通したほうが食感が柔らかくなり、消化もしやすいため、できれば加熱して与えましょう。
硬い皮の部分をピーラーなどで剥いてから加熱すると、より食感が良くなって犬の食いつきも高くなりやすいですよ。
なお、アスパラガスには「グリーンアスパラ」と「ホワイトアスパラ」の2種類があります。
違いは栽培方法にあり、日光を当てて栽培したものはグリーンアスパラ、遮光して育てたものはホワイトアスパラと呼ばれます。
グリーンアスパラは青臭さがありますが、そのぶん栄養価が高く、βカロテンなども豊富に含まれています。
対してホワイトアスパラは青臭さがほとんどなく、ほんのりとした優しい甘味があり、触感も柔らかいのが特徴です。
栄養価が高いのはグリーンアスパラですが、独特の癖を嫌う犬もいるため、愛犬の好みに合わせて使い分けてあげると良いでしょう。
【アスパラガスのメリット】疲労回復・免疫力アップ・生活習慣病の予防・内臓機能の回復・むくみ改善など
アスパラガスには、疲労回復に役立つ「アスパラギン酸」というアミノ酸が豊富に含まれています。
アスパラギン酸は、その名の通りアスパラから見つかった栄養素で、体の新陳代謝を活発にしてくれる作用があります。
疲労物質の代謝を促してくれる働きもあるため、疲労回復や免疫力アップにも高い効果が期待できるでしょう。
また、アスパラガスの穂先には「ルチン」と呼ばれるポリフェノールの一種が含まれており、毛細血管を強くしてくれます。
心臓疾患や動脈硬化、高血圧、認知症、生活習慣病の予防など、幅広い病気の予防・改善に役立つため、ぜひ意識して摂取しましょう。
その他、アスパラガスは、βカロテンや葉酸、ビタミンC、カリウムも豊富に含んでおり、非常に健康効果が高い野菜といえます。
なお、アスパラガスは「ビタミンやカリウムなどの栄養素が流失しづらい野菜」といわれています。
一般的に、ビタミン類など水溶性の栄養成分は熱に弱いため、加熱すると栄養価の流失や破壊が起こってしまいます。
しかし、アスパラガスの場合は熱を加えても栄養成分がほとんど流失しないという特徴があり、大きな長所として注目されているのです。
調理方法が限定されないぶん、愛犬に与えやすい野菜といえるため、ぜひ手作りごはんのレシピなどに加えてみてくださいね。
アスパラガスは「1日の総カロリーの20%以内」を目安に与えよう
愛犬にアスパラガスを与える時は、1日に必要な総カロリーの20%以内にしましょう。
アスパラガスはあくまで毎日のおやつやトッピング程度にし、与えすぎには注意してください。
ちなみに、アスパラガスのカロリーは、100gあたり約22kcalです。
カロリーは低いですが、与えすぎは栄養バランスの乱れや下痢・嘔吐につながるので、要注意。
消化不良などの健康トラブルを避けるためにも、愛犬にアスパラガスを与える時は適量を意識しましょう。
【注意点①】腎臓病・心臓病の犬には与えないほうが無難
アスパラガスにはカリウムが豊富に含まれており、腎臓・心臓病の犬には良くありません。(※)
カリウムは犬の健康に欠かせない栄養素ですが、腎臓の機能が低下している場合は摂取量の制限が必要です。
腎不全の犬をはじめ、心臓病の犬には、念のためアスパラガスを与えるのは避けたほうが良いでしょう。
※通常、あまったカリウムは尿とともに体外へ排出されますが、腎臓の働きが悪くなると体内へ蓄積します。
体内にカリウムが蓄積すると、高カリウム血症を引き起こす可能性があるため、注意してください。
【注意点②】アスパラガスには毒性がある?
アスパラガスは、「アルカロイド」という、毒性のある成分を微量に含んでいます。
しかし、アスパラガスに含まれる量程度では中毒を起こすことはなく、中毒症状が出る可能性は非常に低いでしょう。
1本まるまる食べたからといって中毒を起こす危険性はほとんどないため、安心して与えてくださいね。
なお、アルカロイドは関節炎を起こす可能性があるといわれており、腰痛や首痛の原因になることもあるのだとか。
因果関係についてはまだ研究段階のようですが、念のためシニア犬や関節炎になりやすい犬種は避けたほうが良いかもしれません。
関節炎になりやすい犬種
- ゴールデン・レトリーバー
- ラブラドール・レトリーバー
- ドーベルマン
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- キング・チャールズ・スパニエル(キャバリア)
- ジャーマン・シェパード・ドッグ、など
【注意点③】与えすぎは軟便や下痢の原因になる
アスパラガスに含まれる不溶性食物繊維は、摂りすぎると軟便や下痢を引き起こすといわれています。
不溶性食物繊維は便の量を増やし、腸の蠕動運動を活発にしてくれますが、過剰に摂取することでかえって腸の状態が悪くなります。
欲しがるからといって際限なく与えてしまうと、愛犬がひどい下痢を起こす可能性があるため、十分注意しましょう。
アスパラガスは犬に与えてもOK!できれば加熱してから与えよう
アスパラガスは栄養価が高く、アスパラギン酸のようなアスパラ独特の栄養素も豊富に含んでいます。
加熱しても栄養価が流失しにくいため、愛犬に与える際はしっかりと熱を通すようにすると食感が良くなります。
ぜひ、アスパラガスの持つ健康効果を利用して、愛犬の元気をサポートしてあげてくださいね。