犬はチーズを食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点
たんぱく質やカルシウムが豊富に含まれてるチーズは、私たち人間にとってメリットの多い食べ物の一つ。
犬にとってもたんぱく質やカルシウムはとても重要な栄養素ですが、一方で塩分や脂肪分も多く含まれているチーズは犬が食べても大丈夫なのでしょうか?
今回はそんなチーズについて、犬に与えても大丈夫なのか、与える際のメリットや注意点をまとめてみましたのでぜひ参考にしてくださいね。
目次
犬はチーズを食べても大丈夫
結論からいうと、チーズは犬が食べても良い食べ物です。
チーズそのものには犬にとって有害な成分は含まれておらず、多くの犬はむしろ大好物とも言える食材の一つ。
しかし人間用のチーズは、種類によって塩分量が大きく異なるため、犬に与える際には種類をよく吟味して与える必要があります。
間違って塩分量や脂肪分が多い種類のものを与えてしまうと、犬の体に悪影響を及ぼす恐れがあるためよく注意して選びましょう。
犬に与えても良いチーズ、ダメなチーズ
犬にチーズを与える際には、基本的には「犬用チーズ」を与えるようにしましょう。
犬用チーズは人間用に比べ、塩分量や脂肪分が少なく製造されています。
人間用のチーズも、少量であれば食べても問題ありませんが、与える際はナチュラルチーズのうち、塩分量の少ない「リコッタチーズ」や「モッツァレラチーズ」、「カッテージチーズ」をあげるようにしましょう。
主要なチーズの塩分量と脂肪分(100gあたり)
エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 脂質(g) | 食塩相当量(g) | |
カッテージ | 105 | 13.3 | 4.5 | 1.0 |
カマンベール | 310 | 19.1 | 24.7 | 2.0 |
ゴーダ | 380 | 25.8 | 29.0 | 2.0 |
チェダー | 423 | 25.7 | 33.8 | 2.0 |
ブルー | 349 | 18.8 | 29.0 | 3.8 |
マスカルポーネ | 293 | 4.4 | 28.2 | 0.1 |
モッツァレラ | 276 | 18.4 | 19.9 | 0.2 |
リコッタ | 162 | 7.1 | 11.5 | 0.4 |
プロセスチーズ | 339 | 22.7 | 26 | 2.8 |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
上記表を見ると「マスカルポーネチーズ」も食塩相当量は低く、塩分量は大きく抑えられます。
しかしマスカルポーネはクリームで固めて作られるため、脂肪分が多め。
マスカルポーネチーズを与える場合には、モッツァレラやリコッタよりもさらにごく少量に止める意識が大切です。
犬にチーズを与えるメリット
チーズは栄養価が高く、ヨーロッパでは別名「白い肉」と呼ばれるほど、良質なたんぱく質が含まれています。
その他にも脂質やカルシウム(ミネラル)、ビタミン、塩分、乳酸菌など愛犬の健康維持に欠かせない栄養素がぎっしり詰まっています。
中でもカルシウムは、骨の発達や、筋肉を動かすために必要不可欠な栄養成分。
犬は「乳」に含まれる「乳糖」を分解することが出来ず、牛乳などを飲むとお腹を下してしまいますが、チーズはその製造過程で大部分の乳糖が取り除かれるため、犬も安心して食べることが出来ます。
チーズに含まれる主な栄養素
たんぱく質
たんぱく質は、犬の身体の細胞を作るために必要不可欠な栄養素です。
エネルギー源ともなる成分で、皮膚や被毛の健康維持にも活躍してくれます。
脂質
脂質もたんぱく質同様、犬のエネルギー源となる三大栄養素の一つです。
脂質が不足していると、皮膚・被毛のトラブルを抱えてしまったり、免疫力が低下してしまう恐れがあります。
しかし、一方で脂質は過剰摂取になると、肥満をはじめとする病気の原因にもなるため、与える際には注意が必要です。
カルシウム
骨の発達と骨の健康維持に必要不可欠な栄養素がカルシウムです。
カルシウムは筋肉を動かすためにも重要となる栄養素ですが、こちらも過剰摂取した場合、骨格異常や尿路結石などの病気を発症してしまう恐れがあります。
犬に与える際には、量に注意して与えるようにしましょう。
乳酸菌
犬にとって腸内の健康維持は、身体全体の健康を守る上でとても重要なこと。
乳酸菌には腸内環境を整える作用があるだけでなく、腎臓の負担軽減などにも役立ちます。
塩分
犬の食事の際、どんな料理も人間用のものは塩分が多くなってしまい、犬に与えるべきではないというのは周知の事実。
しかし、犬に全く塩分が必要ないかといえば、そうではありません。
「適量」の塩分は犬にとっても重要で、血液や神経のバランス調整には必要不可欠な栄養素。
とはいえ、通常のドッグフードにも塩分は含まれるため、おやつとして与えるチーズなどでは、できる限り塩分を増やさないように与えることが大切です。
その他の栄養素
その他にもチーズには、ビタミンAやビタミンB2など、眼や皮膚・被毛の健康維持に欠かせない栄養素が含まれています。
これらは不足すると免疫力の低下や皮膚トラブルなどの影響が生じますが、反対に過剰摂取により、股関節異常などの病気が引き起こされる恐れもあるため、与えすぎには注意が必要です。
チーズを犬に与える際は「ごく少量」を意識する
チーズは種類によって塩分量や脂質、カロリーなどが大きく異なります。
犬にとって1日に必要な塩分量は、体重1kgあたり0.242g(子犬の場合は倍の0.484g)といわれているため、体重3kgの小型犬の場合、1日の塩分必要量は約0.7g。
小型犬でもカッテージチーズであれば最大70gくらいまで食べられる計算になりますが、これはドッグフードなどを加味しない場合です。
通常ドッグフードにも塩分は含まれているため、チーズを与える場合はあくまでも日頃のご褒美・おやつ程度に留め、カッテージチーズの場合、小型犬であれば3g前後、大型犬であれば10g程度を目安に与えるようにすると良いでしょう。
犬にチーズを与える際の注意点①「アレルギー」
犬の健康に必要不可欠な「たんぱく質」ですが、食物アレルギー引き起こす場合、このたんぱく質が主な原因として挙げられます。
チーズに含まれるたんぱく質は「動物性たんぱく質」なのですが、アレルギー体質である犬の場合にはチーズは控えた方が良いでしょう。
たんぱく質が原因で発症するアレルギー反応は、蕁麻疹(かゆみ)、下痢、嘔吐などが考えられます。
犬にチーズを与える際の注意点②「過剰脂肪で肥満の原因に」
チーズには、脂質も多く含まれる種類があり、その分カロリーも高めになっています。
チーズは大好物の犬も多く、ついついあげすぎてしまうことがありますが、肥満になりやすい犬は特に注意が必要な食べ物です。
「肥満は万病の元」と言われるほど、様々な病気に繋がってしまうため、愛犬にチーズを与える際は量をきちんと意識しましょう。
チーズは犬が食べてもOK!ただし与えすぎには十分注意しよう
チーズには犬にとって健康を支える栄養素が多く含まれており、腸内環境の改善や皮膚・被毛の健康維持にも効果が期待できます。
一方で、与え過ぎてしまうことで健康に被害を及ぼす恐れのある食べ物でもあります。
愛犬にチーズを与える際には極力「犬用チーズ」を選び、一般のチーズを与える場合はナチュラルチーズのうちモッツァレラ、カッテージ、リコッタチーズの3種類から選ぶようにしましょう。
万一少量のチーズでも体調に異変が見られた場合にはアレルギー反応の可能性もあるため、すぐにかかりつけの動物病院に相談するようにしてくださいね。