犬に桃を食べさせても大丈夫?メリットや適量、与える際の注意点
桃は、7月から9月までによく食べられ、みずみずしい果肉が特徴です。
甘くて美味しく、人間の夏バテ予防にも食べられる桃ですが、犬に与えても問題はないのでしょうか?
今回は、そんな桃の栄養と効能、愛犬に与える際の注意点について解説します。
目次
犬は桃を食べても大丈夫
まず初めに、桃は犬に与えても良い食べ物です。
桃には白桃や黄桃など様々な品種がありますが、いずれも与えて大丈夫です。
ただし、桃のジュースや缶詰、ジャムなどの桃の加工食品を与えることは基本的にNGと思っておきましょう。
桃の加工食品には大量の砂糖が使われているため、犬の肥満の原因になります。
桃を与える際は加工されていない生の果実をあげるようにしてくださいね。
また、桃を与える際には、できるだけ果肉を一口サイズに切ってあげるようにしましょう。
犬は、食べ物をあまり噛まず、飲み込んでしまう子が多いので、小さくカットし、喉に詰まる可能性をなくすことが大切です。
【犬に桃を与えるメリット】老化予防・ガン予防・血圧を下げる・腸内環境を整える・脱水予防
桃には、活性酸素から身体を守る「抗酸化作用」があるビタミンC、ビタミンEが豊富に含まれています。
活性酸素は、脳や血管、皮膚などの細胞を酸化させる働きがあり、身体の中で大量にできてしまうと老化を加速させたり、ガンの発生原因になったりします。
つまり、ビタミンC、ビタミンEを摂取することは、愛犬の老化予防、ガン予防にも効果的といえるでしょう。
また、桃には「カリウム」も含まれています。
カリウムはミネラルの一種で、身体の中の余分な塩分を尿と一緒に体の外に排出し、血圧を下げる働きがあります。
血圧を下げることで心臓の動きを正常に保ち、高血圧になることを防ぎます。
なお、桃に含まれる「ペクチン」と呼ばれる水溶性食物繊維は犬の胃腸に優しく、腸内環境を整える役割を持っています。
水溶性食物繊維とは、名前の通り水に溶けやすい食物繊維のこと。(※一部、種類によっては水に溶けないものもアリ)
繊維の構造が柔らかいつくりをしていることが特徴です。
水溶性食物繊維の中でも「ペクチン」は、犬の腸内細菌によって発酵されやすい「発酵生食物繊維」でもあり、犬の腸内環境にプラスの影響を与えます。
犬は「肉食性の強い雑食動物」なので、食物繊維の種類によっては消化しづらいものもありますが、ペクチンは犬でも消化をしやすく便秘や下痢の予防に最適です。
そのほかに、桃は90%が水分で出来ています。
桃の味はとても甘く、犬にも好まれやすい果物のため、積極的に水を飲まない子に対しては、脱水症の予防にも向いている食材です。
夏場などの暑く、脱水症状や熱中症に気をつけなければいけない時期に試してみてはいかがでしょうか。
桃は小型犬、大型犬など犬の身体の大きさに合わせて与えよう
桃は、犬に与えても良い果物ということが分かりました。
では、実際に愛犬にあげる際、どのくらいの量を目安に与えたら良いのでしょうか。
桃を犬に与える適量は、その子の体の大きさによっても異なります。
愛犬に桃を与える際の適量
小型犬 | 1切れ(約25g)~3切れ(約75g) |
中型犬 | 6切れ(約150g)程度 |
大型犬 | 7切れ(約175g)程度 |
桃のカロリーは100gあたり40kcal、糖質は100gあたり9gとなっています。
とても甘いフルーツなので糖質も高めかと思われますが、糖質の量はスイカやグレープフルーツと同じくらいで、果物にしては意外にも低糖質。
桃は甘くてとてもおいしい食べ物なので、犬にとってはごちそうです。
とはいえ、果物の中では低糖質だからと多めにあげすぎてしまうと肥満の原因になるため注意しておきましょう。
桃は、犬の健康にも良い食べ物なので、たくさんあげたくなってしまいますが、どんなに身体に良くても食べ過ぎは悪影響を及ぼします。
桃はあくまでおやつとして、特別な日に少量だけ愛犬に与えるようにしてくださいね。
【注意点①】アレルギーに注意する
桃は、人間でもアレルギーを引き起こしやすい食品とされています。
バラ科サクラ属の果物のため、同じバラ科のりんごやさくらんぼにアレルギーがある犬に与えるのは避けたほうがいいでしょう。
アレルギー反応は様々で、皮膚の赤みや痒み、嘔吐や下痢といった症状が多く、中にはアナフィラキシーショックを起こすケースもあります。
アナフィラキシーショックを引き起こすと、最悪の場合命にも関わりますので注意が必要です。
初めて桃を与える際には、まずは少量だけ与え、その後、犬に変わった様子はないかなど、こまめに確認してから適量与えるようにしてください。
もし愛犬が身体を痒がっていたり、下痢をしていたり、いつもと違う様子が見られたら、動物病院を受診してアレルギー検査を受けることをおすすめします。
【注意点②】種は中毒症状を起こす可能性があるため、必ず取り除く
桃の種には「アミグダリン」という有毒な成分が含まれています。
アミグダリンは犬が食べてしまうと、体内で青酸ガスが発生し、中毒症状を引き起こす原因となる成分です。
そのため、犬に桃を与える際は、必ず種を取り除いてからあげるようにしてください。
また、アミグダリンは未成熟の桃の実にも少量含まれていることが分かっています。
犬に与える桃は、未成熟の青い果実は避け、完全に熟したものをあげるようにしましょう。
なお、種に存在するアミグダリンは、種の内側にあります。
セルロースでコーティングされているため、犬が丸ごと飲み込んだ場合は、中毒症状が出ずにそのまま便と一緒に排出される場合もありますが、桃の種の形は、犬の喉や腸に引っかかりやすく、喉に詰まって窒息する危険性や、腸に詰まって腸閉塞を起こし、開腹手術が必要になってしまう可能性も否定できません。
どちらにせよ、愛犬が安全に食べられるように、桃の種はすぐに犬の手の届かないところへ捨てましょう。
万が一、種を飲み込んでしまった場合には、すぐに動物病院へ行き、獣医師に相談してください。
【注意点③】食べ過ぎは下痢の原因になる
桃は、水分と食物繊維を多く含んだ果実です。
桃を食べ過ぎることによって、水分を取りすぎてしまうと下痢を引き起こしやすくなります。
また、【犬に桃を与えるメリット】の項目でもお伝えしましたが、犬は本来、食物繊維を消化しにくい動物です。
犬の消化しやすい水溶性食物繊維でも、大量に食べてしまうと消化不良を起こし、下痢の原因になってしまいます。
与えすぎにはくれぐれもご注意ください。
桃は犬に与えてもOK!種と皮は取り除こう
桃は、犬の身体にも良く、また脱水予防にも効果があることが分かりました。
桃の種には、犬の身体に有毒な成分が含まれていますので与えないようにしましょう。
また、桃の皮には犬の身体に悪い成分は含まれていませんが、消化不良を起こしやすいので、皮は剥いてから与えるようにしてください。
甘味の強い桃は、犬にとって最高のご褒美ともいえる果物。
愛犬の健康な身体をサポートするために、おやつとして桃を取り入れてみてはいかがでしょうか。