犬はスイカを食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点
夏の風物詩であるスイカは子供にも大人にも昔から大人気の夏の果物。
数ある果物の中でも体を冷やしてくれる効果があり、栄養価も高い果物で、暑い夏を乗り切るのに最適です。
さて、そんな嬉しい効果のあるスイカですが、はたして犬に与えても良いのでしょうか?
今回は、愛犬にスイカを与えるメリットや与え方、与える際の注意点についてご説明します。
目次
犬はスイカを食べても大丈夫
結論からいうと、犬にスイカを与えても問題はありません。
犬の舌は糖を感知する味覚細胞がよく発達しており、甘みにはとても敏感でスイカは犬の嗜好に非常に合っています。
そのため、スイカのように甘味のある果物はほとんどの犬にとってご馳走だといえるでしょう。
ちなみに、雑食性である犬は野菜や果物など、肉以外の食べ物でも細かく刻んであげれば消化・吸収を十分にすることができます。
よく「犬はもともと肉食なので、野菜や果物は胃腸に負担がかかる」などといわれていますが、あれは間違い。
犬の祖先であるオオカミは確かに肉食ですが、それがそのまま犬の食性に引き継がれているわけではありません。
私たち人間と一緒に暮らすなかで、犬は肉食から雑食へと体を進化させていったのですね。
それに加えキウイなど果物によっては消化酵素の働きにより、犬のタンパク質消化吸収の手助けをしてくれるものさえあります。
果物の与えすぎは禁物ですが、適度に与えて犬の健康維持に役立てましょう。
水分たっぷりのスイカには栄養素もたっぷり!
夏の果物の代表格であるスイカには、様々な栄養素が豊富に含まれています。
体を冷やす食材ですのでたくさん与えるのは避けるべきですが、猛暑日など気温が上がった時に与えてはいかがでしょうか。
ここでは、生のスイカに含まれる主な栄養素とその効果についてご紹介します。
リコピン(約83u/ 10g)
リコピンはポリフェノールの一種で強い抗酸化作用が期待できる栄養素です。
スイカの赤い色がまさにリコピンが含まれている理由で、活性酸素除去に働きかけます。
リコピンの抗酸化作用はβカロテンの抗酸化作用よりも強力であると言われており、代表的な効能としては、がん予防や老化の防止が挙げられます。
リコピンが含まれる野菜ではトマトが有名ですが、スイカのリコピン含有量はトマトを上回ります。
βカロテン(ビタミンA)(約83ug/ 10g)
リコピンと同じ抗酸化作用のあるβカロテンも含んでおり、βカロテンとの相乗効果が期待できます。
βカロテンというと緑黄色野菜に多く含まれていると思われがちですが、スイカのβカロテン含有量は緑黄色野菜に匹敵します。
ビタミンC(アスコルビン酸)(約1mg/ 10g)
水溶性ビタミンのビタミンCは体内での生成が可能なため、必須ビタミンではありませんが、ビタミンEの生成を促し抗酸化成分が多く含まれる栄養素です。
老化防止や身体のストレス軽減などに役立ちます。
カリウム(約12mg/ 10g)
主要必須ミネラルであり細胞の機能に不可欠な栄養素であり、神経の刺激に対する伝達やエネルギーの代謝にとって重要です。
主な効能は腎臓や心臓のサポート、むくみの防止や利尿作用が期待できます。
不足すると低カリウム症になり成長の妨げ、脱水、筋肉麻痺や心臓障害など多くの障害がでます。
下痢の時や食欲低下の時にはカリウムが不足しがちなので注意が必要です。
他、スイカには利尿促進に役立ち体内の不要物質のデトックス効果が期待できる「シトルリン」や、コレステロールを下げる、または肝機能を強くするために有効で生活習慣病の予防が期待できる「イノシトール」などが含まれています。
スイカは熱中症防止に最適の果物!
夏の果物には暑い夏の身体を冷やす効果があるものが数多くあります。
中でもスイカは約90%程度が水分で出来ていて不足しがちな水分とミネラル分をバランスよく摂取することができます。
水分をしっかりと摂って夏バテ気味の時は微量の果糖でエネルギーをチャージ、疲労回復に役立つミネラルとビタミンで暑さに弱い犬も元気に過ごすことができるでしょう。
こういった理由からスイカは夏の水分補給と熱中症予防に最適なんです。
果物は基本的に糖質を多く含みますが、スイカは多くの栄養素をバランスよく含みカロリーも果物にしては低く(10gあたり3.7kcal)体重管理をしている犬にも安心して与えることができますね。
1日に与える目安は35g以内に!
犬種の大きさや個体差によっても異なりますが、スイカを与える際の目安としては、小型犬は10g~15g程度、中型犬は15g~25g程度、大型犬は25g~35g程度が理想的です。
水分が豊富で利尿作用に役立つスイカは犬に与えすぎると、尿コントロールが出来なくなり下痢や嘔吐の原因となります。
中には尿をコントロールできない為、粗相をしてしまう犬もいます。
スイカは果物の中では糖分が非常に低いのですが、どんな食材であっても糖分が含まれている以上与えすぎは肥満のもとです。
また、アレルギー反応を考慮して、初めて与える時は一口程度に止め様子を見ましょう。
スイカの部分別に期待できる効能について
実は同じスイカであっても、部分によって豊富に含まれる栄養素が異なります。
スイカの皮に近い部分はシトルリンが多く含まれるため、血管の健康維持に役立ちます。
また、スイカの皮にはイノシトールが非常に多く含まれているので、肝機能の健康や生活習慣病の予防に最適です。
基本的に果物は消化しやすいように細かく刻みますが、皮部分や皮に近い固い部分はすりおろし器を使います。
皮については専門家によって消化できない為与えない方が良い、という方も多くいますが摩り下ろして与えれば犬は消化でき犬の健康に役立ちます。
人間でもイノシトールの効能を理由にスイカの皮を細かく切って炒めて食べる方もいます。
農薬など気になる方は皮部分をしっかりと洗ってから与えましょう。