パグがかかりやすい5つの病気。病気の症状や治療法、治療費の相場について

パグがかかりやすい5つの病気。病気の症状や治療法、治療費の相場について

犬には現在JKCに登録されているだけでも136種類もの犬種があり、それぞれの犬種ごとに発症しやすい病気が異なる場合があります。
今回は、その中でもぺっちゃんこの鼻と愛くるしい大きな目で人気を集めているパグのかかりやすい病気についてご紹介いたします。

パグ脳炎の別名を持つ「壊死性髄膜脳炎」

パグ脳炎の別名を持つ「壊死性髄膜脳炎」

「壊死性髄膜脳炎」とは、犬の脳内の「大脳皮質」という大脳の表面部分に、原因不明の炎症が起こる病気を指します。
一度炎症がはじまると、犬の脳内の広範囲に渡って壊死が起こり、組織が部分的に死んでしまいます。
一番初めにこの病気にかかった犬がパグであると言われており、またパグの発症率が依然高いため、別名「パグ脳炎」とも呼ばれています。

この病気が発症すると、けいれん発作や昏睡、ぐるぐる回る旋回運動、歩行困難、斜頸、性格の変化、壁などの障害物に頭を押しつけるような行動などが現れますが、原因不明の病気のため、確実な根本的治療方法は現時点では確立されていません
しかし、早期発見の場合は症状によって、抗けいれん薬を投与し発作自体を軽減できる場合もあります。
その他にも症状の軽減という意味では、ステロイドが有効となる場合がありますが、重症化している場合にはできる治療がない場合がほとんどです。
症状が重症化している場合は、安楽死などの選択も視野に入れなければならないケースがあるため、定期的に検診を受け、早期発見・早期治療に努めましょう。

検査費用はCT検査、またはMRI検査となり約5万円前後かかります。
その他にも入院費に3000~5000円程度、診察費用や症状軽減のための薬代金などが別途発生します。

犬のドライアイ「乾性角結膜炎」

犬のドライアイ「乾性角結膜炎」

「乾性角結膜炎」は目の表面部分が乾燥によって乾き、犬の角膜と結膜炎症を生じさせた状態のことを言います。
人間でもおなじみの「ドライアイ」がこの乾性角結膜炎です。
犬の目は正常な状態であると「涙膜」という薄い涙の層で覆われていますが、この涙膜がドライアイで乾燥している状態だと、犬が瞬きをするたびに摩擦で角膜や結膜に傷がついて炎症を起こしてしまいます。

乾性角結膜炎の症状は「結膜が濁る・結膜から出血する・目ヤニが増える・角膜に穴ができる・まぶたがくっつく・重症の場合は失明」などで、実際のところ原因が明確に分かることが少ないため、代表的な治療方法は「点眼薬」や「涙促進薬」を使用する対症療法(症状に応じて処置する方法)が主となります。
これらの治療で改善されない場合やすでに重症化している場合は、外科手術で犬の結膜部分に「耳下腺」と呼ばれる器官を移植する特殊な手術が施される場合があります。

費用目安は検査費用で1000~4000円程度、軟膏や人口涙液がそれぞれ2000~3000円程度かかります。
また、症状に応じて内服液の費用などが発生します。

鼻ぺちゃ犬に多い「短頭種気道症候群」

鼻ぺちゃ犬に多い「短頭種気道症候群」

「短頭種気道症候群」は、パグのように鼻がぺっちゃんこで、気道が狭くなりやすい「短頭種」が多く発病する呼吸系症状が特徴となる病気です。
パグは肥満率の高い犬としても有名ですが、そもそも生まれながらにして普通の犬よりも気道が狭くなりやすい鼻の構造に加え、肥満によって気道がさらに狭まることから、パグの短頭種気道症候群は他犬種よりも重症化しやすい傾向にあるといえます。

「鼻の孔が狭くなる・息をする際に音がなる・いびきをかく・呼吸が激しくなる・鼻水をとばす・運動を好まなくなる・嘔吐・下痢」などの症状が出たら、この「短頭種気道症候群」に罹ってしまっている可能性がありますので、一度病院に連れて行き検診を受けるようにしましょう。
基本的には2歳前までの比較的若い年齢のうちに検査をして、必要に応じて外科手術を行うことが有効とされており、年齢が上がれば上がるほど症状改善の見込みが薄れるといわれています。
外科手術を行わない場合は、内科治療を行う方法もありますが、内科治療は根本的な治療にはならず、あくまで症状の緩和を見込むものとなります。
外科手術の場合は、症状に応じて鼻腔を広げたり(外鼻孔拡張術)、軟口蓋を切除(軟口蓋切除術)する方法が一般的です。

内科的治療の場合は1度の投薬で1000~4000円程度かかり、その他に検査費用、診察費用などが発生します。
外科的治療の場合は、6万~13万円程かかり、その他にも検査費用、入院費用などが必要となります。

短頭蓋犬種は特に注意「熱中症」

短頭蓋犬種は特に注意「熱中症」

パグをはじめとする鼻の低い短頭蓋犬種は、普通の犬種に比べて呼吸での体温調整がうまくできずに熱中症にかかる確率が高くなる傾向があります。
「呼吸が荒くなる・よだれの量が増える・ぐったりとする・熱が上がる・吐き気・下痢・血尿・痙攣・舌が赤や紫になる・動かない・ショック状態になる」などの症状が顕著にあらわれる場合は熱中症の可能性が高いです。
この症状が続くと、犬は体温を上手に下げることができなくなり、熱が体に溜まることで体の様々な臓器が機能しにくい状態となり、臓器に障害を及ぼします。
熱中症は軽い病気と考えられがちですが、最悪の場合、死に至るほどの恐ろしい病気です。

熱中症の場合、動物病院での治療前に応急処置をする必要があります。
まずは涼しい部屋へ移動して、扇風機やエアコンで犬の体を冷やします。
タオルを水で濡らして、冷たいタオルで体を冷やしてあげましょう。
水を飲むことができる状態であれば水を与えます。
動物病院での治療は、体温調整をしながら状況に応じて点滴処置や酸素投与の処置が行われます。

治療費用は1日2000~13000円程度かかり、状況に応じて酸素室での酸素投与の費用が別途発生します。

皮膚のたるみが原因ともなる「皮膚炎」

皮膚のたるみが原因ともなる「皮膚炎」

皮膚のたるみが多いパグは、皮膚炎にかかりやすい犬種です。
皮膚のたるみ部分は、しわとなっており空気に触れにくい部位ですので、菌の繁殖がしやすい状態となっています。
空気に触れない状態の皮膚は、皮脂が過剰分泌されやすく皮膚炎にもなりやすい状態であるといえます。

皮膚炎の場合、ひどい痒みが出るため掻くような仕草をしたり、赤い湿疹ができる・毛が抜ける・皮膚から異臭がする・皮膚がべたつく・潰瘍ができる・膿胞ができるなどの症状があらわれます。
基本的には抗生物質を利用した治療法や、シャンプー療法が行われますが、痒みがひどい場合は、痒みを抑える薬を使用する場合もあります。
また皮膚炎の場合、病院で行われる処置以外にも自宅で定期的に皮膚の状態を清潔にケアする必要があります。

症状によって異なりますが、費用目安としては1回の通院で診察・検査・薬の処方などで7000円程度かかるでしょう。

早期発見・早期治療を心がけよう

早期発見・早期治療を心がけよう

今回は、パグがかかりやすい主な病気5つに関してご紹介致しました。
犬種ごとの体の構造によってかかりやすい病気がある場合、または犬種ごとに生まれながら持ち合わせている遺伝性疾患により特定の病気にかかりやすい場合があります。

ご自身の愛犬がかかりやすい病気について知っておくことは、早期発見、早期治療において非常に大切になります。