犬の皮膚病、23種類を解説!原因や症状、治療費の相場について

犬の皮膚病、23種類を解説!原因や症状、治療費の相場について

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「犬の皮膚病」とひとくちにいっても、その種類は数えきれないほどあります。
世界中に存在するマイナーな皮膚病も含めれば、その数は約100種類以上にものぼるでしょう。
とはいえ、そんな無数の皮膚病のなかでも、犬がかかりやすい病気というのはある程度決まっています。
今回は、国内で多くみられる皮膚病の症状や治療法について、8つの原因別にまとめてみました。
ご紹介している治療費の相場はあくまで目安ですが、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ノミダニなど寄生虫による犬の皮膚病

ノミダニなど寄生虫による犬の皮膚病

ノミやダニなど、外部寄生虫によって起こる皮膚病はたくさんあります。
ここでは、外部寄生虫による皮膚病のなかでも特に発病率が高い4つの病気を紹介します。

1.疥癬(センコウヒゼンダニ症)

イヌセンコウヒゼンダニが皮膚に寄生することで発症する病気で、激しい痒みがあります。
センコウヒゼンダニのメスには、皮膚の角質層に小さな穴を開けて卵を産み付ける恐ろしい習性があります。
好発部位は耳のふちや肘、かかとなどですが、進行すると症状は全身に広がっていきます。

主な症状 激しい痒み、かさぶた、丘疹(皮膚の隆起)
治療法 駆虫薬によるセンコウヒゼンダニの駆除、薬用シャンプーによる薬浴など
治療費の相場 1~2万円程度(診察料、検査、内用薬、駆虫薬代として)

2.毛包虫症(ニキビダニ症・アカラス症)

別名アカラス症とも呼ばれる皮膚病で、ニキビダニが皮脂腺に寄生することで発症します。
ニキビダニは子犬の時期に母親から感染する寄生虫ですが、通常時は特に悪さをすることはありません。
しかし、免疫力の低下した環境でニキビダニが過剰繁殖すると、皮膚炎や二次感染を起こします。

主な症状 ただれ、赤み、脱毛、化膿、痛み・痒み、発熱やリンパ節の腫脹(全身性の場合)
治療法 駆虫薬によるニキビダニの駆除、二次感染を起こしている場合は抗生物質の投与など
治療費の相場 1~2万円程度(診察料、皮膚検査、内用薬、駆虫薬代として)

3.ツメダニ症

ツメダニというダニが寄生することによって、皮膚に痒みやただれが起きる病気です。
ツメダニは草むらやほこりの多い場所に潜んでおり、散歩や他犬との接触によって感染します。
人にうつることもあるため、犬が感染している場合はできるだけ早く対処しましょう。

主な症状 大量のフケ、軽い痒み、ただれ、赤み、かさぶら、脱毛
治療法 駆虫薬によるツメダニの駆除、抗生物質の投与など
治療費の相場 1~2万円(診察料、皮膚検査、内用薬、駆虫薬代として)

4.ノミ刺咬性皮膚炎

ノミに刺されることによる刺激で、皮膚に痒みや発疹などが起こる病気です。
ノミが吸血時に出す唾液には「ヒスタミン」という痒み物質が含まれており、刺されると激しい痒みが起こります。
また、痒みによって激しく掻くことによって膿皮症など二次的感染を起こす可能性もあります。

主な症状 痒み、赤み、発疹、脱毛、食欲不振、痩せてくる、貧血
治療法 駆虫薬によるノミの駆除、薬浴、皮膚の保湿など
治療費の相場 2000~4000円(診察料、駆虫薬、薬用シャンプー代として)

アレルギーが原因で起こる皮膚病

アレルギーが原因で起こる皮膚病

特定の物質が原因で、皮膚にアレルギー症状が出ることもあります。
アレルゲンとなるのは、食べ物やカビ、ノミダニ、花粉など、犬によって様々です。
ここでは犬のアレルギー性皮膚炎としてよく知られる5つの病気を紹介します。

1.食物アレルギー性皮膚炎

特定の食べ物を体が異物と判断し、過剰に攻撃することで起こる皮膚炎です。
アレルゲンとなる食べ物は犬によって違いますが、牛肉や鶏肉・穀物はアレルギーを起こしやすい傾向があります。
食物アレルギー性皮膚炎の治療では、アレルギーの原因となる食べ物を特定し、避けることが重要です。

主な症状 体や口周りの痒み、赤み、発疹、脱毛
治療法 食物アレルギーに対応した療法食へ切り替える、止痒薬・ステロイド剤の投与など
治療費の相場 1~2万円程度(診察料、血液検査、内服薬、外用薬、特別療法食代として)

2.アトピー性皮膚炎

食物、ノミダニ、ハウスダスト、花粉など、様々なアレルゲンによって皮膚炎を起こす病気です。
本来は大きな害を及ぼさない物質に体の免疫細胞が過剰反応することによって起こり、多くは3歳までに発症します。
完治することはありませんが、適切な治療と日常ケアによって症状を出来る限り抑えることは可能です。

主な症状 痒み、赤み、皮膚の乾燥、脱毛、掻くことによる患部の色素沈着
治療法 抗アレルギー薬やステロイドの投与、皮膚の保湿、定期的なシャンプーなど
治療費の相場 初期費用は2~5万円程度(診察料、血液検査、アレルギー検査、処置料、内服薬、外用薬代として)
1~5万円程度/月(ステロイド剤、サプリメント、保湿剤、シャンプー、減感作療法費用など)

3.接触性皮膚炎

接触性皮膚炎とは、ある特定の物質に触れることで起こる皮膚炎のことです。
アレルゲンとなるのは、カーペットやシャンプー、金属やプラスチック、草花などが考えられます。
接触性皮膚炎の疑いがある場合は、アレルゲンの可能性があるものに近づかせないように徹底する必要があります。

主な症状 痒み、赤み、発疹
治療法 抗アレルギー薬やステロイドの投与、皮膚の保湿など
治療費の相場 1~2万円程度(診察料、アレルギー検査、外用薬代として)

4.ノミアレルギー性皮膚炎

ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミ本体や糞、唾液に反応して皮膚炎を起こす病気です。
よく混同されがちですが、ノミの吸血によって痒みや発疹がでるノミ刺咬性皮膚炎とは原因が異なります
掻きすぎによって膿皮症などの二次的な感染を起こす可能性があるため、早急な対処が必要です。

主な症状 痒み、赤み、発疹、脱毛、掻くことによる患部の色素沈着、じんましん
治療法 駆虫薬によるノミの駆除、止痒薬やステロイドの投与など
治療費の相場 2000~7000円程度(診察料、処置料、駆虫薬、内服薬代として)

5.日光性皮膚炎(コリーノーズ)

強い紫外線に当たることで鼻の上部などに炎症が起こり、脱毛や赤みが起こる病気です。
生まれつきメラニンが少ないボーダーコリー、ハスキー、シェルティに多くみられますが、詳しくは不明。
再発率も高く、慢性化すると潰瘍がガン化してしまい、手術になる可能性もあります。

主な症状 赤み、脱毛、かさぶた、潰瘍
治療法 ステロイドの投与、抗生物質による炎症の抑制、炎症部位が広い場合は薬浴など
治療費の相場 5000~1万円程度(診察料、内服薬、外用薬、薬用シャンプー代として)

細菌が原因で起こる皮膚病

細菌が原因で起こる皮膚病

細菌が原因で起こる皮膚病は色々とありますが、なかでも多いのは膿皮症です。
膿皮症は皮膚の常在菌が増殖することで起こる皮膚病であり、再発しやすい病気として知られています。

1.膿皮症

皮膚の常在菌「ブドウ球菌」が、皮膚にできた傷口から侵入することによって起こる病気です。
不衛生な環境や高温多湿の時期はブドウ球菌が繁殖しやすいため、膿皮症発症のリスクも高くなります。
また、アトピーや糖尿病、ニキビダニやマダニの寄生によって起こる場合もあります。

主な症状 痒み、フケが出る、発疹(膿が入ったニキビ)、かさぶた、脱毛、皮膚の黒ずみ
治療法 抗生物質などの投与、塗り薬、薬浴など
治療費の相場 2~3万円程度(診察料、院内薬剤感受性検査、内服薬、外用薬、消毒薬、サプリメント代として)

2.間擦疹(皺壁性膿皮症)

間擦疹(かんさつしん)は、皮膚のたるんだ部分(顔のしわなど)が細菌感染を起こすことで起こります。
膿皮症の一種ではありますが、シャーペイやブルドッグ、パグなど鼻のつぶれた犬種特有のものといえます。
日常的なケアで予防することは可能ですが、体の作りに関わる病気のため、再発リスクも高いでしょう。

主な症状 痒み、赤み、皮膚が分厚くなる・黒ずむ、チーズ様の膿、腐敗臭
治療法 クロルヘキシジン含有の消毒液で消毒、飲み薬、塗り薬、薬浴、手術によるひだの除去など
治療費の相場 1~3万円程度(診察料、皮膚検査、内服薬、外用薬、消毒処置代、薬用シャンプー代として)

真菌が原因で起こる皮膚病

真菌が原因で起こる皮膚病

真菌(カビ)が原因で皮膚に炎症が起こる病気のことを、真菌性皮膚炎といいます。
完治するまでに時間がかかることが多く、場合によっては半年間の治療が必要になることもあります。

1.皮膚糸状菌症(真菌性皮膚炎)

免疫力の低下が原因で発症する病気で、カビの一種である皮膚糸状菌が皮膚に侵入することで起こります。
皮膚糸状菌症のもっとも大きな特徴は、背中側にぽつぽつとみられる円形状の脱毛と大量のフケ。
初めは見過ごしてしまうほど小さな脱毛箇所ですが、放っておくと徐々に大きな円形へと変化します。

主な症状 痒み、赤み(大きな湿疹)、円形状の脱毛、フケ、かさぶた
治療法 抗真菌薬の投与、塗り薬、薬浴など
治療費の相場 1~2万円程度(診察料、皮膚検査、真菌培養検査、内服薬、外用薬、薬用シャンプー代として)

2.脂漏症・マラセチア性皮膚炎

免疫力の低下や皮脂の過剰分泌などが原因で、マラセチア菌が増殖して起こる病気です。
マラセチア菌は皮膚の常在菌ですが、大量に増えてしまうと皮膚が炎症を起こしてしまうのです。
脂漏症にかかった犬は皮膚がべたつくようになり、次第になんとなく甘いような体臭を発するようになります。

主な症状 痒み、赤み、皮膚のべたつき、悪臭、フケ
治療法 抗真菌薬の投与、内服薬、塗り薬、薬浴、抗生剤の投与(合併症の治療)
治療費の相場 1~2万円程度(診察料、内服薬、外用薬、薬用シャンプー代として)

ストレスが原因で起こる皮膚病

ストレスが原因で起こる皮膚病

私たち人間と同じように、犬もストレスが原因で体調不良を起こすことがあります。
犬がストレスを感じる原因は、運動不足、不適切な食事や飼い主さんとのスキンシップ不足など様々。
ここでは、ストレスが原因で起こる皮膚病のなかで最も多い病気をご紹介します。

1.舐性皮膚炎

犬自身が皮膚を舐め続けることによって、皮膚に炎症が起きてしまう病気です。
主に前足に発症することから「肢端舐性皮膚炎」とも呼ばれており、主な原因はストレスや退屈など心理的なもの
というのも、犬はストレスを感じると体の一部を舐めるなど、ひとつの行動を繰り返す行う傾向があるのです。

主な症状 赤み、皮膚がめくれている、脱毛、骨が露出している
治療法 精神安定剤などの投与、塗り薬、患部へのレーザー治療、エリザベスカラー装着など
治療費の相場 5000~1万円程度(診察料、処置料、内服薬、外用薬、レーザー治療代として)

ホルモン異常が原因で起こる皮膚症状

ホルモン異常が原因で起こる皮膚症状

皮膚に症状が出る病気のなかには、内分泌器官から産生されるホルモンが関係しているものもあります。
ホルモンの種類としては、「甲状腺ホルモン・副腎皮質ホルモン・脳下垂体ホルモン」などがあげられます。
ホルモン異常が原因で起こる皮膚炎は非常に治りにくく、症状が落ち着くまでに長い時間がかかります。

1.甲状腺機能低下症(アジソン病)

何らかの原因で甲状腺からのホルモン分泌量が減ってしまうことで起こる病気です。
甲状腺ホルモンには皮膚・被毛の健康を維持する働きがあるため、不足すると脱毛を起こしやすくなります。
また、皮膚のバリア機能が低下することで膿皮症などの合併症を起こしやすくなるでしょう。

主な症状 皮膚の黒ずみ、フケ、被毛のごわつき、左右対称性の脱毛
治療法 甲状腺ホルモンの投与、そのほか合併症の治療など
治療費の相場 2~7万円程度(診察料・T4、FT4、cTSHなどの血液検査)
5000~1万円程度/月(ホルモン剤代として)

2.副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

副腎皮質からホルモンが過剰分泌、あるいはステロイドホルモンの投与によって発症します。
この病気は皮膚症状など初期での外見的な異常がほとんどみられないため、発見が遅くなりがちです。
食欲増進、多飲多尿、お腹が異常にでている(腹囲膨満)など、特徴的な症状もみられます。

主な症状 脱毛、血管明瞭化、石灰沈着症、皮膚萎縮、紫斑、皮膚の黒ずみ
治療法 ホルモン抑制剤の投与、下垂体腫瘍が原因の場合は摘出手術、放射線治療など
治療費の相場 3~7万円程度(診察料・血液検査・複数回の採血にともなう数日の入院費など)
1~6万円程度/月(ホルモン抑制剤代として。放射線や摘出手術を行う場合は数十万円)

免疫機能の異常で起こる皮膚病

免疫機能の異常で起こる皮膚病

自己免疫性の皮膚病は、本来は病原体から体を守るはずの免疫機能に異常が出ることで発症します。
何らかの原因で免疫機能に異常が起こると、体内の免疫細胞は異物ではなく自分の体を攻撃するようになります。
そのため、正常な細胞や組織まで破壊されてしまい、様々な皮膚症状がみられるようになるのです。

1.天疱瘡(てんほうそう)

犬の自己免疫性疾患のなかでもっとも多い病気で、皮膚に水膨れやかさぶたができます。
本来は自分の体を守るための抗体が間違って皮膚の細胞を破壊することによって起こり、紫外線で悪化します。
犬のなかでは、ビションフリーゼなど白い被毛の犬に多く発症する傾向があります。

主な症状 水膨れやかさぶた(特に耳や目、口の周りに多い)、脱毛、化膿による痛み
治療法 副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロン)や免疫抑制剤(シクロスポリン)の投与など
治療費の相場 2~3万円程度/月(診察料・血液検査、ホルモン剤、免疫抑制剤代として)

2.円板状エリテマトーデス

鼻の色が白くなったり、鼻全体にかさぶたができたりする病気です。
原因は不明ですが、寒い地方の犬や白毛の犬に多く発症することから、遺伝的要因が強いとされています。
天疱瘡と同じく紫外線に当たると悪化するため、日中は外出しないようにすることが大切です。

主な症状 鼻の色素脱失、鼻や耳、目の周りに脱毛・紅斑・かさぶたが発生する
治療法 副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロン)や免疫抑制剤(シクロスポリン)の投与、塗り薬など
治療費の相場 2~3万円程度(診察料、血液検査、外用薬、ホルモン剤、免疫抑制剤代として)

3.黒色被毛毛包形成不全(黒色被毛脱毛症)

黒色被毛毛包形成不全は、黒色の被毛のみ抜け落ちていく病気です。
生まれた時は生えていた毛は生後1ヵ月齢になると徐々に薄くなり、最終的には黒毛が一切なくなります
ただし、黒色以外の被毛はしっかりと残っており、痒みや赤みなどの症状がないのが特徴です。

主な症状 黒色の被毛のみ薄毛・脱毛、膿皮症などの二次感染
治療法 松果体ホルモンの投与、必須脂肪酸の内服などがあるが、確定的な治療法はない
治療費の相場 1~2万円(診察料、皮膚検査、ホルモン剤、薬用シャンプー代として)

遺伝性・犬種特有の皮膚病

遺伝性・犬種特有の皮膚病

皮膚病のなかには、遺伝が大きく関係しているものもあります。
ここでは特定の犬種に多くみられる病気のなかで、特に発現率が多いものを4つご紹介します。

1.アロペシアX(偽クッシング症候群)

頭部と四肢以外に脱毛や毛細りが起こる病気で、1~4歳までの間に発症します。
好発犬種は主にポメラニアンですが、パピヨンやサモエドなどの犬種にも報告されています。
この病気は痒みなどの症状が一切ないのが特徴で、適切な治療法も確立していません。
また、一度完治しても再発する可能性が高いため、生涯にわたって付き合っていく必要があります。

主な症状 左右対称性の脱毛(痒みはない)、毛艶の悪化、被毛のパサつき
治療法 ホルモン剤の投与、サプリメント投与、薬浴、ホルモン異常の解消目的で去勢避妊手術など
治療費の相場 3~7万円程度(診察料、血液検査など各種検査、ホルモン剤、サプリメント、薬用シャンプー代として)

2.パターン脱毛症

生後6ヵ月~3歳までの間に発症し、左右対称性の脱毛がみられる病気です。
好発犬種があることから遺伝性疾患であると考えられていますが、正確な原因は不明。
脱毛は年齢とともに進行しますが、痒みやフケなどはなく残っている被毛はしっかりしています。

主な症状 左右対称性の薄毛・脱毛(耳、鼻先、首、胸、お腹、内股、しっぽに多い)、色素沈着
治療法 松果体ホルモンの投与で改善する場合もあるが、個体差が大きい
治療費の相場 1~2万円程度(診察料、血液検査、ホルモン剤代として)

3.表皮形成異常症(アルマジロ症候群)

生後1年以内のウエストハイランドホワイトテリアに多発することから、ウェスティ症候群とも呼ばれています。
この病気は、マラセチア菌などの増殖によって皮膚脂肪が異常を起こすことで炎症が起こり、激しい痒みが現れます。
悪化すると四肢や腹部をはじめとする全身の毛が抜け落ち、アルマジロのように皮膚が硬く・黒くなります

主な症状 激しい痒み、皮膚の赤み・脱毛、皮膚のたるみ、色素沈着
治療法 抗真菌薬の投与、内服薬、塗り薬、薬浴、抗生剤の投与(合併症の治療)など
治療費の相場 2~4万円(診察料、血液検査など各種検査、内服薬、外用薬、薬用シャンプー代として)

4.小胞性皮膚炎

ミニチュアシュナウザー特有の病気で、首から腰にかけてブツブツした小胞ができます。
この小胞は毛穴が炎症を起こすことで発生し、皮脂の分泌量が多いことが原因だと考えられています。
放っておけば自然と消えてしまうこともありますが、再発を繰り返すと背中の被毛が薄くなることもあります。

主な症状 背中のブツブツ、二次感染による炎症(痒み、赤み、かさぶた)
治療法 抗生物質などの投与、ステロイドの投与、薬浴など
治療費の相場 5000~1万円程度(診察料、皮膚検査、内服薬、外用薬、薬用シャンプー代として)

普段から愛犬の皮膚チェックをしておくことが大切

普段から愛犬の皮膚チェックをしておくことが大切

ひとくちに皮膚病といっても、その症状や原因はそれぞれ違います。
ただ、皮膚病の多くは痒みや痛みを伴うため、犬のQOL(生活の質)を下げる大きな原因になるでしょう。
皮膚病は心臓病など内臓疾患にくらべると緊急性は低いと思われがちですが、病気であることに変わりはありません。
皮膚病についての知識を深めておくことで、愛犬が皮膚病にかかった時に迅速な対応ができるようになるはず。
スムーズに治療を行うためにも、普段から愛犬の皮膚チェックを習慣づけられると良いですね。

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