犬の睡眠時間はどれくらい?睡眠が浅い・短い理由と犬種・年齢との関連性

犬の睡眠時間はどれくらい?睡眠が浅い・短い理由と犬種・年齢との関連性

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犬の睡眠時間は、私たち人間よりも圧倒的に長いですよね。
では、どうして犬の睡眠時間はこんなに長いのか、考えたことはありますか?
今回は、犬の睡眠時間に関する豆知識と睡眠に関わる病気、適切な睡眠環境について解説します。

犬の睡眠時間は12~15時間

犬の睡眠時間は12~15時間

一般的に、犬は平均12~15時間も眠るといわれています。
もちろん個体差はありますが、犬は人間よりも圧倒的に長い時間を睡眠に当てているのですね。

ただし、犬の睡眠時間のうち約8割は浅い眠りであり、熟睡している時間は2割程度しかありません。
犬は寝ている時間のほとんどをレム睡眠状態で過ごしていて、少し物音がすればすぐに起きることができます。

なお。犬が深い眠りに入っている時は、手足がぴくぴくしたり、寝言をいったりします。
犬がお腹を上に向けて寝ている場合、とてもリラックスした状態で熟睡していると考えていいでしょう。
犬にとって熟睡できる時間は非常に貴重なため、できるだけ静かに寝かせてあげてくださいね。

犬の睡眠時間は年齢や犬種で変わる

犬の睡眠時間は年齢や犬種で変わる

犬種や年齢によって、犬の睡眠時間は長くなったり短くなったりします。
例えば、子犬や老犬はより多くの睡眠時間を必要とするため、平均12~18時間は寝て過ごします。
この睡眠時間は人間の赤ちゃんと同じくらいであり、成犬よりも更に長い時間を睡眠に当てているといえます。

また、柴犬やボーダーコリーなど作業犬と呼ばれる犬種は睡眠時間が短い傾向があります。
個体差はありますが、作業犬の平均睡眠時間は10時間程度といわれており、犬全体の平均値より少し低いのです。

更に、小型犬に比べて大型犬のほうが睡眠時間は比較的長いです。
成犬の場合、小型犬の平均睡眠時間は12時間程度ですが、大型犬は15時間ほど睡眠をとります。
大型犬は身体が大きいぶん、体力の回復にも時間がかかるのかもしれませんね。

犬の睡眠が浅い2つの理由

犬の睡眠が浅い2つの理由

犬は眠りが浅いため、長時間の睡眠を必要とします。
犬が日中のほとんどを浅い眠りで過ごすのは、主に2つの理由があります。
いずれも犬が野生で暮らしていた頃の習性が関係しているので、ぜひ覚えておいてくださいね。

1.危険をいち早く察知するため

浅い眠りであれば、眠っている間も周囲の危険に対応することができます。
動物にとって熟睡している時はもっとも無防備な状態であり、外敵に狙われやすいタイミングです。
小さな物音や動きを敏感に察知するためには、できるだけ浅い眠りのほうが良いのですね。

2.夜行性の生活リズムによるもの

犬はもともと夜行性の動物で、昼間に睡眠をとります。
人間と暮らすなかで昼行性のリズムに馴染んできた犬ですが、夜行性の特性は完全に消えていません。
そのため、本来の生活リズムの影響から、昼間は特に長く睡眠をとっているのです。

犬の睡眠時間には病気のサインが隠れていることも

犬の睡眠時間には病気のサインが隠れていることも

ケガや病気で体調が悪い場合、犬の睡眠時間にも大きな影響が出ます。
寝ている時間が長すぎたり、短すぎたりする時は、なにかの病気のサインかもしれません。
愛犬の睡眠時間が突然変わったと感じた時は、早めにかかりつけの動物病院へ相談しましょう。

具合が悪くて寝ている場合、無理に起こそうとすると犬は非常に嫌がります。
怒って吠える、噛む、悲鳴を上げるなど、過剰な反応がみられることも多々あるでしょう。
起こした時の様子も重要なサインになるので、よくチェックしておいてくださいね。

犬の睡眠時間に影響する病気とは

犬の睡眠時間に影響する病気とは

犬の睡眠時間に影響する病気はたくさんあります。
ここでは、睡眠時間への影響が特に大きい2つの病気を紹介します。

1.ナルコレプシー

犬の意思とは関係なく、突然眠ってしまう病気です。
ナルコレプシーを発症すると、食事や遊びの最中でも突然眠ってしまいます。
ナルコレプシーは神経ペプチドの異常によって起こる病気であり、原因は先天性・後天性のものに分かれます。

2.アルツハイマー(認知症)

睡眠時間が短くなり、夜中に起きて吠えるなどの様子がみられます。
これは加齢によって体内時計が変化して起こるもので、今までのように連続した睡眠ができなくなります。
アルツハイマーになると、昼夜逆転の不規則な睡眠・覚醒リズムになりやすいといえます。

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静かで快適な温度の寝床を用意してあげて

静かで快適な温度の寝床を用意してあげて

浅い眠りが多い犬にとって、熟睡できる時間はとても大切です。
犬はただでさえ物音に敏感な性質を持っているため、不適切な環境では慢性的な睡眠不足を起こします。
犬が落ち着いて眠れるよう、静かで快適な温度の寝床を用意してあげましょう。

年齢や犬種によっても異なりますが、犬にとって快適な室温は以下の通りです。
子犬や老犬は体温調節が苦手なため、急激に室温が変わらないよう注意してくださいね。

【犬の適温】

シングルコートの犬種 夏22~25℃、冬20~25℃
ダブルコートの犬種 夏23~26℃、冬19~23℃

犬の睡眠知識を健康管理に役立てよう

犬の睡眠知識を健康管理に役立てよう

かなり長い間寝ているように思える犬ですが、そのほとんどは浅い眠りです。
不足の事態が起きた時はいつでも対応できるようにしているため、熟睡している時間は意外と短いのですね。

ただ、愛犬の睡眠時間がやけに長い・短すぎるようであれば、なにかの病気が隠れているかもしれません。
これまでと明らかに違う様子がみられた時は、早めにかかりつけの動物病院で相談しましょう。

ぜひ犬の睡眠時間についての理解を深め、愛犬の健康管理に役立ててくださいね。