ブリュッセルグリフォンってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ブリュッセルグリフォン

お散歩目安 1日30分×2回
ブラッシング頻度 2〜3日に1回
トリミング 不要
Brussels Griffon

ブリュッセルグリフォンってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ブリュッセルグリフォンの基本情報

英名 Brussels Griffon
原産国 ベルギー
寿命 10歳~15歳
サイズ 小型犬
体重 3.5kg〜6kg
体高 15cm〜20cm
分類 9G:愛玩犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

ブリュッセルグリフォンの歴史

ブリュッセルグリフォンの歴史

映画「STAR WARS(スター・ウォーズ)」に登場するキャラクター「チューバッカ」のモデルになった犬種としても知られるブリュッセルグリフォンは、かつてベルギー王室で飼育されていた犬種です。
歴史上、ブリュッセルグリフォンが初めて記録されたのは15世紀に描かれた絵画で、それ以前の成り立ちは分かっていません
ブリュッセルグリフォンの犬種名にある「グリフォン」は、尖ったものという意味のフランス語であり、被毛を表しているとされています。

また、ブリュッセルグリフォンの基礎は、アーフェンピンシャーやグリフォンと名がつくベルギー産の他犬だと考えられています。
もともとブリュッセルグリフォンは、害獣であるネズミ退治のため一般家庭で飼われていましたが、特徴的な見た目や性格から人気がアップ。
次第に中流階級の家庭でも飼育されるようになり、現在ブリュッセルグリフォンは多くの家庭で愛玩犬として親しまれています。

なお、あまり知られていませんが、当時のブリュッセルグリフォンは今ほど短いマズルではありませんでした。
現在の鼻ぺちゃな顔立ちが作られたのは19世紀になったころで、目的な犬種の魅力をさらに高めるためだったとされています。
当時かなり流行していたパグをはじめ、様々な犬種との交配が行われたことで、現在の鼻ぺちゃブリュッセルグリフォンが生まれたのです。

ブリュッセルグリフォン交配の過程では、毛色や毛質が大きく違う個体がたくさん生まれました。
同じ母犬から生まれた兄弟でありながら、彼らには別々の名前が与えられ、別の犬種として区別して扱われることになったのです。
原産国のベルギーやFCI(国際畜犬連盟)では、特徴ごとに犬種を3つに分けて扱っており、日本も同様に区別しています。

・パグとの交配で生まれた短毛種:プチ・ブラバンソン
・ヨークシャーテリアとの交配で生まれた毛色の黒い犬種:ベルジアングリフォン

※短毛をブラバンソン、長毛をグリフォンと区別するところもあり、国によって考え方が異なります。

ブリュッセルグリフォンの特徴や性格

ブリュッセルグリフォンの特徴や性格

ブリュッセルグリフォンは、つぶれた顔と丸い頭がチャーミングな犬種です。
体長と体高がほとんど同じスクエアな体型で、体のわりに大きな頭とたれ耳が特徴的といえるでしょう。
被毛はやや固く、短くも長くもない中長毛であり、コームやブラシをかけることでツヤが出ます。

ブリュッセルグリフォンの性格は、知性豊かで愛情深く、かなり人懐こいといわれています。
それなりに警戒心はありますが、基本的に落ち着いていて友好的な性格のため、番犬向きの犬種ではないでしょう。
陽気でフレンドリーな気質を持っているので、小さなこどもや他の動物にも穏やかに接することができます。

ちなみに、ブリュッセルグリフォンは顔の表情が非常に豊かともいわれている犬種です。
考えていることがすぐに顔に出るタイプなので、見ていて飽きませんし、犬だということを思わず忘れた、という人もいるほど。
温厚で優しく、攻撃的な面もほとんどないため、犬と暮らしたことがない人でも飼いやすい犬種といえます。

ブリュッセルグリフォンの飼い方

ブリュッセルグリフォンの飼い方

活発で明るい性格のブリュッセルグリフォンですが、運動量はそれほど必要としません
散歩は1日1~2回程度、1回20~30分程度で十分な運動になりますし、大きな庭や敷地がなくても飼育が可能です。
ブリュッセルグリフォンの遊びたい欲求を満たすには、外よりも室内遊びを充実させてあげるとよいでしょう。

なお、ブリュッセルグリフォンは頑固な面を持っており、しつけはやや難しいといわれています。
家族の行動を注意深く観察し、何を指示されているのか理解する能力には長けていますが、実際に行動に移すかは別物です。
プライドが高いぶん、素直に訓練を受けさせるにはコツがいるため、しつけは根気強く行ってください。

ブリュッセルグリフォンのようなシングルコートの犬は、下毛がないことから寒さには弱い傾向があります。
冬場は散歩時をはじめ、室内でも洋服を着せてあげ、室内は寒すぎず熱すぎない温度・湿度になるよう調整しましょう。

また、シングルコートであるブリュッセルグリフォンの手入れは、難しくありません。
週に数回ブラッシングやコーミングを行えば、十分毛玉予防になるため、継続して行いましょう。
月に1度はシャンプーをして皮膚・被毛を清潔に保ち、皮膚病の予防に努めてくださいね。

ブリュッセルグリフォンの毛色

ブリュッセルグリフォンの毛色

ブリュッセル・グリフォンの被毛は長く、赤みがかったブラウン一色のみです。

ブリュッセル・グリフォンは被毛の長さ・毛色でその種が分かれるという大変珍しいタイプの犬種で、同じ長毛でも黒い被毛を持つ個体は「ベルジアン・グリフォン」、短毛種であれば「プチ・ブラバンソン」という名称に変わります。
この3犬種は同じ親から生まれることも多々あり、ブリュッセル・グリフォンの子どもがベルジアン・グリフォンであったり、プチ・ブラバンソンの子どもがブリュッセル・グリフォンというケースもあります。

ブリュッセルグリフォンの気をつけたい病気や怪我は?

ブリュッセルグリフォンの気をつけたい病気や怪我は?

ブリュッセルグリフォンは「呼吸器疾患・熱中症・膝蓋骨脱臼」に注意が必要です。

ブリュッセルグリフォンのように鼻が短い犬種、いわゆる短頭種は「短頭種気道症候群」のリスクが高いとされています。
短頭種気道症候群とは、軟口蓋過長症や気道狭窄症、気管虚脱など、複数の病気を総称した閉塞性気道障害のことをいいます。
また、ブリュッセルグリフォンをはじめ、短頭種は呼吸や体温の調整が苦手なため、暑い時期は熱中症になりやすいといえるでしょう。

なお、ブリュッセルグリフォンは膝蓋骨脱臼を起こしやすい犬種でもあります。
膝蓋骨脱臼は小型犬に多い骨・関節疾患であり、膝蓋骨がはまっている溝が生まれつき浅いことなどで発症します。
膝蓋骨脱臼は重症化すると手術が必要になる場合もあるため、できるだけ関節に負担がかからないよう、環境の整備が必要です。

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