ウィペットってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ウィペット

お散歩目安 1日60分×2回
ブラッシング頻度 週に1回
トリミング 不要
Whippet

ウィペットってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ウィペットの基本情報

英名 Whippet
原産国 イギリス(イングランド)
寿命 12歳〜15歳
サイズ 中型犬
体重 13kg前後
体高 オス:47cm~51cm
メス:44cm~47cm
分類 10G:視覚ハウンド

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

ウィペットの歴史

ウィペットの歴史

ウィペットは、グレー・ハウンドやテリア種を交配して作出された犬種です。
18世紀頃、ウサギなどの小型害獣を退治する猟犬として、イギリス北部で誕生しました。
ウィペットという名前は、鞭のようにしなやかに走る姿から、ウィップ(ムチ)にちなんで名づけられたのだとか。
そのスラリとした容姿は海外でも高く評価されており、イギリスをはじめ、諸外国で強い人気を誇っています。

ウィペットが作出された当時、イギリスではブル・ベイティングや闘犬が流行していました。
その影響から、囲いの中にウサギを入れてウィペットなどの犬に追わせるゲームが始まり、賭博として広まります。
ウサギ狩りのために早く走ることを追求して作られたウィペットは、このレースに最適な犬種だったのです。

1835年、ブル・ベイティングや闘犬、ウサギ追いゲームは動物愛護法によって禁止されました。
すると、イギリス人たちの関心は犬同士を競争させるドッグレースに移り、評判は徐々に外国に伝わるように。
富裕層は大型のグレーハウンド、庶民の間ではウィペットなどの犬を用いてドッグレースを楽しみました。

ちなみに、ドッグレースで犬を走らせるためには、ちょっとした工夫が必要です。
例えば、獲物の臭いがついた布を先に走らせたり、ゴール付近で振ったりして、犬を上手く誘導するのですね。
足が速く、猟犬の性質を持った犬ほど勝率が上がることから、ウィペットは非常に重宝されたようです。

なお、ウィペットがイギリスケネルクラブに登録されたのは1891年のことです。
全身を鞭のようにしならせて走る姿が美しいことから、この頃からドッグショーにも出陳されています。
ウィペットの美しさは世界中の愛犬家を魅了し続け、現在も多くの愛好家に親しまれています。

ウィペットの特徴や性格

ウィペットの特徴や性格

ウィペットは、無駄なたるみのない、洗練された曲線美が美しい犬種です。
50m短距離走では最速の犬であり、生まれながらのスプリンターとして知られるウィペット。
活発で運動が大好きなので、屋外では鞭のようにしなやかな動きで飛ぶように動き回ります。

また、ウィペットは吠え癖もほとんどなく、愛情豊かで甘えん坊な性格をしています。
基本的に社交的で、穏やかな性格なので、子供や他の動物とも仲良くできますし、家庭犬に最適。
飼い主に対する忠誠心が高く、トレーニングへの順応性もあるため、しつけやすい犬種といえるでしょう。

なお、ウィペットはナイーブなところがあり、あまり厳しくしつけるのは良くありません
いき過ぎたしつけはウィペットとの信頼関係に大きく影響してしまうため、くれぐれも注意してください。

ウィペットの飼い方

ウィペットの飼い方

ウィペットは運動量が多いため、散歩は1日に1時間以上は行いましょう。
走ることが好きなので、できれば小走りや軽いジョギングを交えたり、ドッグランを利用してあげてください。
短毛で皮膚が薄いことから、寒い日は外に出たがらないため、良い室内遊びも探しておきましょう。

また、ウィペットのように頭の小さい犬は首輪が抜けやすく、思わぬ脱走が起こりやすいです。
苦しいのではないか?とゆるく装着してしまうと、散歩中にスポッと抜けてしまい、逃走のリスクがあります。
ウィペットには、幅が広く柔らかい素材の首輪や、胴に巻き付くタイプのハーネスを使いましょう。

ウィペットは抜け毛も少なく、被毛の手入れはほとんど必要ありません。
シャンプーは月に1回程度、普段はたまに濡れたタオルなどで拭いてあげるだけで十分です。
ブラッシングは皮膚を傷つけないよう、柔らかいラバーブラシを使ってください

なお、ウィペットは寒さに弱いため、室内の温度は常に24℃前後に保つようにしましょう。
ペット用のヒーターや毛布を用意したり、特に嫌がらないようなら犬用の洋服を着せてあげると良いですね。
紫外線による皮膚のダメージを防ぐため、散歩時はUVカットの服を着用させることをおすすめします。

ウィペットの毛色

ウィペットの毛色

ウィペットの毛色には、ブラック、フォーン、ブルー、ブリンドル、レッドなどがあります。
ウィペットはあらゆる色・柄のパターンが許容されており、特に認められていない毛色はありません
主な毛色は、グレー、ブリンドル、ホワイトなどで、色がミックスされている個体も存在します。

ウィペットの気をつけたい病気や怪我は?

ウィペットの気をつけたい病気や怪我は?

遺伝病は少ないウィペットですが、そのぶん怪我のリスクが高い犬種です。
走ることが好きなので、追いかけっこに夢中になるあまり、靱帯や関節を損傷してしまうケースも。
ウィペットは跳躍力のある犬種ですが、無理なハイジャンプは骨折につながる可能性もあるため、注意が必要です。

なお、ウィペットがかかりやすい病気としては「皮膚病」があげられます。
ウィペットは皮膚が薄く弱いため、夏場など湿度が高い時期は真菌症や脂漏症に注意しましょう。

また、先天的・後天的に口蓋が裂けてしまう「口蓋裂」にも注意が必要です。
口蓋裂とは、口腔の上壁が裂けて口と鼻の穴がつながってしまう病気で、外科手術が必要です。

更に、ウィペットは白内障の発症リスクが高い犬種といわれています。
白内障が進行すると、目が白っぽく濁って視力が低下したり、最悪の場合は失明する恐れがあります。
ウィペットが中年齢に差し掛かったら、年に1度は動物病院で検診を受けましょう。

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