あの水玉模様はどうやって生まれる?ダルメシアンの模様の秘密とルーツについて

あの水玉模様はどうやって生まれる?ダルメシアンの模様の秘密とルーツについて

101匹ワンちゃんで一躍有名になった犬種、ダルメシアン。
全身の水玉模様が魅力的ですが、その特徴やルーツについては知らない方も多いでしょう。
今回は、ダルメシアンのルーツや模様の豆知識をご紹介します。

ダルメシアンのルーツ

ダルメシアンのルーツ

ダルメシアンの原産国は、クロアチアのダルマティア地方といわれています。
しかし、その起源については不明な点が多く、エジプトやインド発祥の可能性もあるのだとか。
古代エジプトの彫刻や壁画にもそれらしき犬が登場しており、どこで誕生した犬なのか正確には分かっていません。

ダルメシアンは旅商人の犬として各地を回っていたため、世界各国で記録に残されています。
美術品としては16世紀ごろに、書物には18世紀ごろになって、ダルメシアンの記録が残っているのです。
※ダルマティア地方では、18世紀中ごろにダルメシアンのもととなる犬の存在が記録されています。

なお、ダルメシアンは馬の誘導・伴走能力に長けており、伴走犬としての説も有力です。
一定の役割はなく、護衛犬、番犬、猟犬、害獣駆除犬などとして、その時々に必要な仕事をこなしていたのでしょう。
その美しい見た目から、19世紀後半にはヨーロッパ各国の貴族や富裕層に人気が出始め、親しまれることに。
アメリカでは、消防車の伴走犬を務めていたことから、今も消防署のマスコットとして扱われています。

ダルメシアンの斑点は唯一無二の個性

ダルメシアンの斑点は唯一無二の個性

ダルメシアンの斑点(スポット)には、ひとつとして同じ模様は存在しません
例え同じ親から生まれた兄弟ダルメシアンであっても、斑点の大きさや位置、色はそれぞれ違います。
ダルメシアンの斑点は顔・胴体など、全身に存在しており、なんと口の中にもあるんですよ。

ダルメシアンの斑点には様々なカラーがありますが、スタンダードは黒と茶褐色の2色です。
レモンやオレンジ色の斑点は犬種標準からは外れており、ドッグショーなどでは失格とみなされます。
また、黒&茶褐色など、1頭に複数の色が混在している場合も、スタンダードとはいいません。

生まれたときは真っ白で、生後10~14日で斑点が出現

生まれたときは真っ白で、生後10~14日で斑点が出現

あまり知られていないのですが、ダルメシアンは真っ白な被毛で生まれてきます
一部分だけ大きな斑点が出ている子犬もまれに存在しますが、ほとんどの子犬は全身真っ白。
斑点は生後10~14日以降に表れ始めるため、成長後どんな柄になるかは、後のお楽しみといえるでしょう。

斑点は成犬やシニア犬になっても増え続けますが、もっとも明確に現れるのは子犬の時期です。
スポットの理想としては、直径2~3cmほどの大きさの斑点が、全身にバランスよく分布していること。
ダルメシアンを評価するうえで、全身の斑点は欠かせない要素であり、価格の違いにも影響します。

ダルメシアンの本来の毛色は「黒か茶色」

ダルメシアンの本来の毛色は「黒か茶色」

実は、ダルメシアンの本来の毛色は水玉模様ではありません
白と黒の水玉模様というイメージが強いダルメシアンですが、本来のベースカラーは単色。
遺伝子上、単色で生まれてくることはありませんが、スタンダードの毛色は「黒・茶色」の2色のみです。

※まれに、レバー、レモン、ブルーなどのレアカラーが発現する場合があります。
レアカラーは劣性遺伝子の影響で生まれる色で、長い歴史の中で自然に発現したと考えられています。
これらの色はとても希少価値が高く、ショップなどでは高価格で売られていることが多いです。

斑点はダルメシアン特有の遺伝子によって生まれる

斑点はダルメシアン特有の遺伝子によって生まれる

ダルメシアンの斑点は、犬種が持つ2種類の遺伝子によって生まれます。

  • (1)Piebald遺伝子:色素の発現を抑えて、白色の被毛で覆う
  • (2)T遺伝子:ダルメシアン本来のベースカラーを発色させる

これら2種類の遺伝子は、まだ子犬がお腹の中にいる時に備わっているものです。
まず作用するのはPiebald遺伝子で、生後しばらくの間、本来のカラーは白い毛に覆われています。

しかし、しばらくすると今度はT遺伝子が優位に働き始め、部分的に本来のカラーが発色します。
Piebald遺伝子の影響が少ない部分に働きかけることで、T遺伝子は白い被毛に丸窓を開いていくのです。

つまり、ダルメシアンの斑点は上塗りされたものではなく、本来の地色が発色して見えるもの。
ほくろのように後から色素が付くわけではない、ということを覚えておきましょう。

約30%のダルメシアンは聴覚障害があるって本当?

約30%のダルメシアンは聴覚障害があるって本当?

ダルメシアンは、生まれつき聴覚障害を持っていることが多い犬種です。
完全に耳が聞こえない状態の犬と、片耳が聞こえない犬を合わせると、その数は全体の約30%ほど。
原因は色素の発現を抑える遺伝子「Piebald遺伝子」であり、回避することはできません。

では、なぜPiebald遺伝子が難聴の原因になるのでしょうか?
正常な聴覚を作りだすには、色素細胞であるメラニンが内耳の蝸牛に十分作用する必要があります。
しかし、Piebald遺伝子によってメラニンの生成が妨げられてしまうと、内耳の発達がうまく行われません。
ダルメシアンの場合、このPiebald遺伝子の働きが強いため、難聴を起こしやすいのですね。

斑点が少ない・レアカラー=聴覚障害のリスクが高い?

斑点が少ない・レアカラー=聴覚障害のリスクが高い?

色素の発現を抑える「Piebald遺伝子」が強いほど、聴覚障害のリスクは高くなります。
珍しいカラーや白地が多いダルメシアンは、スタンダードな個体に比べて難聴の可能性が高いといえるでしょう。
特に難聴のリスクが高いといわれているのは、瞳の色が青い「ブルーアイ」と呼ばれるダルメシアンです。

もちろん、レアカラーだからといって必ずしも難聴になるわけではありません。
しかし、可能性だけを考えた場合には、スタンダードのほうが低リスクなのは間違いありません。
難聴の場合、しつけなどの訓練に影響がでることもあるので、子犬を迎える際は慎重な判断が求められます。
もし難聴の子犬を迎えた場合には、耳が聞こえないことを考慮し、訓練や接し方を工夫しましょう。

ダルメシアンには知られざる魅力と不思議がいっぱい

ダルメシアンには知られざる魅力と不思議がいっぱい

ダルメシアンは、全身に散ったスポットがとても美しい犬種です。
101匹わんちゃんで一躍有名になったものの、実はそのルーツや模様の発現には現在も多くの不思議が存在します。
大型犬なので町中で見かけることは少ないかもしれませんが、見かけた時は体の模様をチェックしてみて!
ダルメシアンの被毛の魅力と不思議を、ぜひ間近で感じてみてくださいね。

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