ダルメシアンってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ダルメシアン

お散歩目安 1日60分×2回
ブラッシング頻度 週に1回
トリミング 不要
Dalmatian

ダルメシアンってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ダルメシアンの基本情報

英名 Dalmatian
愛称・別名 ダル
原産国 クロアチア
寿命 11歳〜13歳
サイズ 大型犬
体重 オス:27kg〜32kg
メス:24kg〜29kg
体高 オス:56cm〜61cm
メス:54cm〜59cm
分類 6G:嗅覚ハウンド

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

ダルメシアンの歴史

ダルメシアンの歴史

ダルメシアンは、ディズニー映画「101匹わんちゃん」のモデル犬となったことでも知られ、世界的な知名度を誇る犬種です。
原産はクロアチア・ダルメシア地方であるとされ、その地名からダルメシアンと呼ばれるようになりましたが、18世紀中頃にこのダルメシア地方で残された記述よりももっと古くにこの犬種らしい記述が残されている地域もあり、実のところその正確な起源は分かっていません。
一説によると、ダルメシアンは旅商人の伴走犬として各地を回っていたとされ、その歴史からか世界各所にこの犬種らしき記述が残されています。

ダルメシアンは知能が非常に高く、従順で身体能力も高い犬種です。
そのため原産とされるクロアチアでは猟犬をはじめ、番犬や牧羊犬、軍用犬など幅広い役務を担っていました。
また、攻撃性がさほどない気質から交通機関の主流であった馬車の先導を担う事もありました。
その歴史的背景から、ダルメシアンの多くは現在でも馬に対して怖がらずに親しんでいく性質を持っています。

19世紀後半になると他犬種にない特徴的な被毛の模様とスマートな体形、馬車を先導する際の優美な姿が貴族に寵愛されたこともきっかけとなり、ダルメシアンはイギリスで犬種としての認定を受け、さらに広く知れ渡るようになりました。
しかし、その大変美しく珍しい被毛は、毛皮としての注目も同時に浴びてしまうこととなり、一時は飼育頭数が激減してしまうほどの被害を受けた歴史もあります。

日本では前述のディズニー映画「101」がきっかけとなり、人気が高まりました。
当時の日本で大型犬と言えば秋田犬や雑種など丸みを帯びた体形が当たり前とされていたので、洋犬らしいスマートな体形は大変な話題になり、都心部を中心に飼育頭数が増加しました。
しかし、ダルメシアンは大変運動量が多い上に、とても繊細な気質で神経質と言われるほどの性質を持っています。
そのため家庭のペット、子供の遊び相手という役目には適さず、飼育頭数は減少の一途をたどっています。
今では一部の愛好家の下やドッグショーでしか見かけることの出来ない大変希少な犬種となっています。

ダルメシアンの特徴や性格

ダルメシアンの特徴や性格

元猟犬、軍用犬という歴史を持ってはいるものの、ダルメシアンの性格は大変繊細です。
突出した攻撃性はありませんが自衛本能が強く、不快感や警戒心を抱いた時は自衛のために強い行動に出ることがあります。
また、大変頑固でこだわりが強い一面があり、たとえ主従関係にある飼い主が相手でも指示に従わなかったり、拒絶姿勢を見せることもあります。
このような場合に強く叱責をしてしまったり、体罰を与えるという行為は全く効果がなく、かえって関係性を悪化させるにすぎません。

大型犬ゆえに日本では屋外で飼育する家庭もありますが、繊細過ぎる性格は屋外での単独生活には不向きです。
その結果、過度な緊張とストレスから無駄吠え問題を起こすことが多々あります。

ダルメシアンはとても知能が高く、適切なしつけを行えれば従順な家庭犬になります。
ただし、しつけにおいても激しい叱責や体罰は繊細な性格に悪影響を及ぼし不適切です。
ダルメシアンを飼育する際には、その特性を十分に理解し、ドッグトレーナーの指導を受け基本的なしつけ、生活ルールの習得を心がけましょう。

ダルメシアンの飼い方

ダルメシアンの飼い方

ダルメシアンは大変運動量が多く、活動的な犬種です。
日常的に十分な運動をさせ、ストレスを発散させることは必要不可欠です。
知能が高い事からフリスビーなどのドッグスポーツや、ドッグダンスを飼い主と共に楽しむことが向いています。

ダルメシアンはその繊細な性格から食へのこだわりが強く出ることもあり、食欲が不安定になることがあります。
また胃腸が弱く、ストレスを感じると下痢などの症状を見せることもあり、丁寧なケアが必要となります。
犬種の特性上肥満になることは少ないものの、食事は適量を与え体重管理にも目を向けておきましょう。

被毛のお手入れは自宅でのシャンプー、ブラッシング、爪切り、耳掃除で終えることが出来、比較的簡単です。
ただし、垂れた耳は通気性が悪く、たびたび外耳炎を発症します。
週に数回は耳掃除を行い、清潔な状態に保つことが大切です。

屋外での飼育、長時間の留守番は不向きで、その結果無駄吠えなどの問題行動が起こることが多々あり、注意が必要です。

ダルメシアンはとても知能が高く、従順ですが、小さな子供の相手をすることには必ずしも向いてはいません。
大人との関係性、犬同士の関係性をより好む傾向があり、小さな子供のいる家庭で生活をする場合は愛犬だけでなく、子供の方にも接し方のルールを身に着けさせる必要があります。

ダルメシアンの毛色

ダルメシアンの毛色

ダルメシアンの多くは白地に黒の斑点を持つ毛色をしています。
ごく稀にレバー色の斑点やブラウンの斑点を持つ場合もあり、毛色の認定では単色の斑点は正式に認定されているものの、複数色の斑点が混ざることは対象外とされています。

ダルメシアンの斑点はたとえ親兄弟であっても決して同じ模様は生まれないことから、世界に一頭だけのオリジナリティだとされ、人気の理由のひとつとなっています。

ダルメシアンの気をつけたい病気や怪我は?

ダルメシアンの気をつけたい病気や怪我は?

ダルメシアンは特徴的な遺伝子を持つ犬種です。
それゆえに先天性疾患を抱えることが多々ある繊細な性質を持っています。

中でも視覚異常の発症率は大変高い傾向があります。
犬の視力の確認は生後間もない時点では判別できないこともあり、しばしば繁殖者と購入者の間でトラブルが起こります。

このほかにも尿結石や腸捻転、胃捻転の発症、敏感な皮膚などがみられ、デリケートな体ゆえの特別なケアは欠かせない犬種となっています。

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