オーストラリアンキャトルドッグってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

オーストラリアンキャトルドッグ

お散歩目安 1日60分×2回
ブラッシング頻度 週に1回
トリミング 不要
Australian Cattle Dog

オーストラリアンキャトルドッグってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

オーストラリアンキャトルドッグの基本情報

英名 Australian Cattle Dog
愛称・別名 ブルーヒーラー
原産国 オーストラリア
寿命 12歳〜16歳
サイズ 中型犬
体重 16kg〜23kg
体高 オス:46cm〜51cm
メス:43cm〜48cm
分類 1G:牧羊犬・牧畜犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

オーストラリアンキャトルドッグの歴史

オーストラリアンキャトルドッグの歴史

オーストラリアン・キャトル・ドッグの祖先は、かつて牧牛犬として存在していた「ティモンズ・バイター」という名前の犬種です。
オーストラリアは1800年代に農業や牧畜などの産業が一気に発展し、多くの牧牛犬を必要としていました。
とりわけティモンズ・バイターは牧牛犬として優秀な働きを見せていましたが、牛のかかとを噛みすぎてしまい、時折怪我をさせてしまうという欠点もありました。
そのためティモンズ・バイターはあまり人気が出ず、欠点を直し「ヒーラー」としてより完璧な犬種を作出しようという計画が始まります。

「ヒーラー」とは「かかとを追う者」の意味を持ち、牛追いで使役する犬のことを指します。
オーストラリアン・キャトル・ドッグは、このヒーラーの目的一点に特化し、誕生した犬種です。
ティモンズ・バイターにスムース・コリーや野生の犬種ディンゴ、オーストラリアン・ケルピー、ダルメシアンなど様々な犬種を複雑に交配し誕生したオーストラリアン・キャトル・ドッグは、牛のパワーに負けない強靭な肉体を持ち、人間の求める動きが出来る高い知能を併せ持つ犬種として、1890年に完成しました。
ティモンズ・バイターの優れた部分はすべてオーストラリアン・キャトル・ドッグへと受け継がれ、オーストラリアン・キャトル・ドッグは別名「ブルーヒーラー」や「オーストラリアン・ヒーラー」などとも呼ばれ、ヒーラー犬の代表格といわれる程優秀な牧牛犬となっていきます。

無駄に吠えず、ヒーラーとしてのテクニックを使い分けるオーストラリアン・キャトル・ドッグの牛追い能力は、牧畜産業に大きな影響を与え、その後半世紀に渡って牧牛犬としての活躍を続けてきました。
近年でもオーストラリアやニュージーランドといった一部の地域では、現役の牧牛犬として活躍しているケースも少なくありませんが、時代の流れとともに次第にその役目を終えた多くのオーストラリアン・キャトル・ドッグは、ペットとして人間と暮らすようになってきています。

日本ではあまり見かけることの少ない犬種ですが、広大な敷地を持つ海外の国では比較的ポピュラーな犬種で、現在ではワーキングドッグ、ペット以外にもショードッグとしても数多くのオーストラリアン・キャトル・ドッグが飼育されています。

オーストラリアンキャトルドッグの特徴や性格

オーストラリアンキャトルドッグの特徴や性格

オーストラリアン・キャトル・ドッグはがっしりとした筋肉質な体を持ち、ディンゴの血統が入っていることから野性味のある精悍な顔つきをしています。
また、キツネのようなフサフサとした尻尾が可愛らしく垂れ下がっているのも特徴的です。

1900年代中頃まではほとんどのオーストラリアン・キャトル・ドッグが牧牛犬として活躍していたため、その頃の気質は健在で、性格は頑固で忍耐強さが全面に出るタイプの犬種です。
飼い主には従順な性質を持ちますが、そのほかの動物や犬種、他人にはあまり慣れない傾向にあります。
これは牛追い稼業を行なっていた頃の本能であり、現在でもその役割が果たせるようにDNAに組み込められているからだといわれています。

オーストラリアンキャトルドッグの飼い方

オーストラリアンキャトルドッグの飼い方

オーストラリアン・キャトル・ドッグはやや大きめの中型犬に分類されます。
同じ牧牛犬であり中型犬のコーギーに比べてもサイズは少し大きいサイズです。

本来牧牛犬として誕生している背景を持つため、その運動量は豊富で大変エネルギッシュなタイプの犬種です。
飼育の際は運動を毎日欠かさず行い、1日2回60分以上の散歩や活発に遊べる時間を作ってあげてください。
また、知能が高いため頭を使うトレーニングなどもおすすめです。体と頭を使うことでストレスなく体力を消費出来るため、愛犬も飽きずに運動が続けられるでしょう。

オーストラリアン・キャトル・ドッグは無駄吠えなどをすることはあまりありません
しかし、ストレスが溜まってしまうと攻撃的になりやすい傾向にあります。
行動が荒っぽくなってきたなと感じたり、言うことを聞かないようになってきたらとにかく運動をさせストレスを発散させてあげましょう。

体毛がやや硬めのオーストラリアン・キャトル・ドッグは、ブラッシングについては基本的に週1回くらいのペースで大丈夫です。
ただし換毛期などの毛が生え変わる時期は抜け毛が多くなるためこまめに手入れをしてあげましょう。抜けた毛がいつまでも体に付着していると、皮膚病の原因となってしまいますので注意が必要です。

頭の良い犬種ですが、しつけはかなり慣れている方でないと難しい犬種です。
元々が牧牛犬として自ら考えて行動する犬種のため、力量不足の飼い主ではまずしつけが出来ません。
しつけの際にはプロのドッグトレーナーなどにお願いするのが良いでしょう。

オーストラリアンキャトルドッグの毛色

オーストラリアンキャトルドッグの毛色

オーストラリアン・キャトル・ドッグの毛色は主にブルー&タンです。
このほかには薄いブラウン系の毛色を持つ個体も見られます。ブルーの色合いは成長に連れて薄まっていくので、最初はブラックのように見えることもあります。

オーストラリアンキャトルドッグの気をつけたい病気や怪我は?

オーストラリアンキャトルドッグの気をつけたい病気や怪我は?

オーストラリアン・キャトル・ドッグは、生まれつき「盲目」や「難聴」などの重度の障害を持つ個体が生まれることがしばしばあります。
複雑な交配をしてきた歴史を持つため、繁殖の際には毛色など遺伝子による先天疾患を避けるための交配前検診が推奨されており、手慣れたブリーダーでないと繁殖は難しいとされています。

また運動能力に優れた犬種が引き起こしやすい「股関節不全」なども発症しやすい傾向があります。散歩中の歩行の様子を日頃から注意して見ておきましょう。

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