チワワの種類、アップルヘッドとディアーヘッド。違いや見分け方、歴史を解説
チワワといえば、大きな目や耳、小さい体を思い浮かべますよね。
知らない人はいないほど有名なチワワですが、実は2種類のタイプがあることをご存知でしょうか?
今回は、ディアーヘッドチワワとアップルヘッドチワワの違いや見分け方、なりやすい病気について解説します。
目次
ディアーヘッドチワワは「小鹿のような頭をしたチワワ」
ディアーヘッドチワワとは、「小鹿のような頭を持ったチワワ」のことです。
鼻の付け根から額までは約45度の角度で傾斜していて、長いマズルとすらっとした手足が特徴的。
チワワというよりミニチュアピンシャーに近い顔立ちで、成犬時の体重は5~6kg程度です。
頭 | 小鹿のような形で額の盛り上がりはなし |
目 | 普通の犬サイズで突出はしていない |
耳 | バットマンの羽のように大きい |
毛の長さ | スムースコートのみ |
鼻 | 少し長め |
なお、ディアーヘッドチワワは現在「犬種標準から外れたチワワ」という扱いをされています。
JKC・AKCともに、ディアーヘッドをチワワのスタンダードとは認めておらず、ドッグショーに出品することはできません。
アップルヘッドチワワは「リンゴのような頭をしたチワワ」
アップルヘッドチワワは、その名の通り「リンゴのような頭を持ったチワワ」のことです。
鼻の付け根から額までは約90度で、ヘルメットのように丸みを帯びた頭部をしているのが特徴。
顔の比率に対して大きい目をしており、成犬時の体重は1.5~3kg程度しかありません。
頭 | リンゴのような形で額が盛り上がっている |
目 | 顔の比率に対して大きく、前に飛び出している |
耳 | 通常の立耳犬種と同じくらい |
毛の長さ | スムースコートとロングコートの2種類 |
鼻 | 少し詰まり気味 |
一般的に知られているチワワは、このアップルヘッドチワワです。
アップルヘッドチワワは犬種のスタンダードとして認められており、ドッグショーへの出品も可能です。
アップルヘッドチワワはディアーヘッドチワワの改良型
スタンダードとして認められているアップルヘッドチワワは、ディアーヘッドチワワの改良型です。
チワワのもとになった犬種「テチチ」はメキシコ原産の犬ですが、見た目は現在のディアーヘッドチワワそのもの。
その後1880年代にメキシコを訪れたアメリカ人によって改良されたことで、今日のアップルヘッドチワワが生まれたといわれています。
アメリカでははじめ、ディアーヘッドチワワとアップルヘッドチワワを別の犬種として区別していました。
しかし、アップルヘッドチワワの人気が高まるにつれて、次第に「チワワといえばアップルヘッド」というイメージが定着するように。
現在、チワワの原産地であるメキシコ以外では、ディアーヘッドチワワとアップルヘッドチワワを明確に区分している国はないといえるでしょう。
ディアーヘッドチワワとアップルヘッドチワワはどうやって見分ける?
ディアーヘッドチワワとアップルヘッドチワワは、頭部の形状で見分けることができます。
頭部がリンゴのように盛り上がっているならアップルヘッドチワワ、それほど盛り上がっていないならディアーヘッドチワワです。
また、アップルヘッドチワワに比べて、ディアーヘッドチワワは成長後のサイズが大きいのも特徴です。
アップルヘッドチワワの場合、いわゆる通常体型(肥満でない)であれば体重が3kgを超えることはほとんどありません。
どことなく野性的で「なんだかチワワっぽくないな」という場合は、ディアーヘッドチワワの可能性が高いでしょう。
ちなみに、ディアーヘッドチワワには毛が短いタイプである「スムースコート」のみ存在します。
ロングコートのディアーヘッドチワワは存在しないので、毛の長さも参考にするといいかもしれませんね。
ディアーヘッドはチワワ特有の病気になりにくい
アップルヘッドチワワに比べると、ディアーヘッドチワワのほうが病気の発症リスクは低いです。
まず、ディアーヘッドチワワは骨格がしっかりしているので、アップルヘッドチワワよりも関節疾患になりづらい傾向があります。
アップルヘッドチワワのように目が突出していることもなく、眼疾患のリスクも低いため、チワワ特有の病気になりにくいといえるでしょう。
なお、アップルヘッドチワワが発症しやすい病気としては「膝蓋骨脱臼・気管虚脱・眼疾患」などが挙げられます。
すべての病気にかかりにくいというわけではありませんが、どちらかといえばディアーヘッドのほうが健康で丈夫といえます。
これはチワワに限らず、多くの犬種にいえることですが、より原種に近い見た目の犬のほうが病気になりにくいということですね。
どちらも可愛いチワワ!違いは個性と考えよう
ディアーヘッドチワワとアップルヘッドチワワには様々な違いがありますが、日本では明確に区分されていません。
日本の場合、ディアーヘッドチワワ専門のブリーダーは存在せず、見分ける際はあくまで見た目の特徴で判断する必要があります。
どちらのチワワも大きな魅力を持っているので、ぜひそれぞれの違いを個性ととらえて観察してみてはいかがでしょうか?