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犬の体内時計について考えてみよう~仕組み・乱れる原因・整え方~
犬と暮らしていると、愛犬の体内時計の正確さに驚く場面も多々あると思います。
体内時計とは、生き物が生まれつき持っている時間感覚のことで、人間をはじめ、犬にも備わっているもの。
今回は、そんな体内時計の仕組みや乱れの原因、また体内時計の整え方についてご紹介します。
目次
体内時計=生体のリズム
![体内時計=生体のリズム](https://wancolab.com/wp/wp-content/uploads/2021/07/dog-biological-clock-01.jpg)
生き物が生まれながらにして持っている生体リズムのことを、体内時計と呼びます。
体内時計は、睡眠や体温、血圧やホルモン分泌などを調整する役割を持っており、主な種類は5つ。
種類に関わらず、すべての生体リズムは脳の視床下部「視交叉上核」に存在しています。
このうち、犬の健康に大きく関わっている体内時計を、サーカディアンリズムといいます。
サーカディアンリズムとは、約24時間周期の体内時計のことで、概日リズムとも呼ばれているもの。
サーカディアンリズムが乱れると、睡眠障害やストレス性の問題行動など、様々なトラブルが引き起こされます。
ぜひサーカディアンリズムを正常にコントロールし、愛犬の心身を健康に保ちましょう。
体内時計は太陽の光によってリセットされる
![体内時計は太陽の光によってリセットされる](https://wancolab.com/wp/wp-content/uploads/2021/07/dog-biological-clock-02.jpg)
愛犬の心身のバランスを整えるためには、しっかりと太陽の光を浴びることが大切です。
毎朝、同じ時間に起きて散歩に行き、朝ご飯を食べるという行動も、体内時計のリセットには効果的。
日々のリセットを上手に行うことで、愛犬の生活リズムを効率よく整えることができるでしょう。
※太陽の光を浴びると、犬の脳内ではセロトニンとメラトニンというホルモンが分泌されます。
セロトニンには精神のバランスを取る役割があり、メラトニンが不足すると寝つきが悪くなる原因になります。
メラトニンはセロトニンを原料としているため、どちらが不足しても心身の乱れにつながります。
体内時計の乱れは、自律神経の乱れにつながる
![体内時計の乱れは、自律神経の乱れにつながる](https://wancolab.com/wp/wp-content/uploads/2021/07/dog-biological-clock-03.jpg)
体内時計の乱れは、そのまま自律神経の乱れに直結しています。
また、ストレスによる不眠症、高血圧、糖尿病、肥満などを起こすこともあるため、要注意。
飼い主さんに合わせて夜型の生活をしている犬は、そうでない犬に比べて太りやすいことが分かっています。
もし愛犬の減量が上手くいかないようなら、まずは体内時計を整えてみてはいかがでしょうか?
なお、「小型犬は散歩の必要がない」といわれることがありますが、これは大きな間違い。
日々の散歩には、犬の生体リズムを整える効果があり、なにも大運動だけを目的に行うわけではありません。
また、犬は被毛の量を季節によって調整しているので、外の空気に触れることはとても重要です。
愛犬の体の大きさや運動量の多さなどにかかわらず、散歩はできるだけ毎日行うようにしましょう。
体内時計が狂ってしまうのは、不規則な生活が原因?
![体内時計が狂ってしまうのは、不規則な生活が原因?](https://wancolab.com/wp/wp-content/uploads/2021/07/dog-biological-clock-04.jpg)
私たち人間と同じく、不規則な生活は犬の生活リズムを乱す原因になります。
通常、犬は太陽が昇るとともに目を覚まし、太陽が沈むと眠ります。
しかし、近年は完全室内飼いの犬が多くなり、人間の生活リズムに犬が合わせる場面も多いもの。
日中カーテンの閉まった部屋で過ごしたり、遅くまで部屋の電気がついていたり、といったことも多いですよね。
「朝しっかりと太陽の光を浴びて、夜はぐっすり眠る」
当たり前のように思える行動ですが、これこそが正確な体内時計を維持するヒケツです。
また、電化製品などが発する電磁波も、犬の体内時計を乱す可能性があるといわれています。
なんでも、電磁波にはメラトニンを破壊する作用があり、睡眠のリズムを崩してしまうのだとか・・・。
あまり神経質になる必要はありませんが、念のため愛犬の寝床と家電は離しておきましょう。
犬の体内時計は「過去の経験」でも養われる
![犬の体内時計は「過去の経験」でも養われる](https://wancolab.com/wp/wp-content/uploads/2021/07/dog-biological-clock-05.jpg)
犬の体内時計の正確さは、個体によって大きくバラつきがあることを知っていますか?
というのも、犬は生まれ持った生活リズムのほか、過去の経験から得た時間感覚も併せ持っているからです。
そのため、驚くほど体内時計が正確な犬もいれば、かなりズレてしまっている犬も存在します。
普段の生活スタイルが習慣になっている犬は、自然と体内時計が整っていきます。
毎日決まった時間になると犬がソワソワし始めるのは、体験によって得た時間感覚が正確だから。
大体このくらいの時間にごはんがもらえる、散歩に連れていってもらえるなど、感覚で分かっているのですね。
なお、散歩前の要求吠えがひどい場合には、わざと生活リズムを乱す方法が効果的です。
毎日決まった時間に散歩へ出るのは止めて、できる限りバラバラの時間に行くようにするのです。
それを繰り返すうち、犬は自分の行きたい時に散歩に行けないことを理解して、要求吠えをしなくなります。
要求吠えは比較的しつけがしやすい問題行動なので、ぜひ前向きに取り組んでみましょう。
シニア犬の夜鳴きは体内時計の乱れが原因かも・・・
![シニア犬の夜鳴きは体内時計の乱れが原因かも・・・](https://wancolab.com/wp/wp-content/uploads/2021/07/dog-biological-clock-06.jpg)
夜中から明け方にかけて突然吠え始める愛犬…「もしかしてボケた?」と不安になりますよね。
しかし、夜鳴きの本当の原因はボケ(痴呆)ではなく、体内時計が狂ってしまったことなのかもしれません。
シニア期は成犬期よりも睡眠時間が増えるため、どうしても体内時計が狂ってしまいがち。
散歩の回数や時間が減って、太陽の光を浴びる機会が少ないというのも、体内時計の乱れにつながります。
シニア期は運動量が減るため、若い時に比べると散歩の必要性を感じないかもしれません。
しかし、散歩はシニア犬にとって健康バランスを維持するために必要なものであり、大切な習慣です。
歩くことで血行も良くなるため、体が本来持つ自然治癒力を高める効果もありますよ!
とはいえ、足腰の弱ったシニア犬を毎日散歩に連れていくのは大変です。
もし散歩が難しい場合には、愛犬のベッドを日が当たる場所に移動してあげるだけでもOK。
気温が上がる夏場は熱中症を起こす可能性があるため、逃げ場もしっかりと確保してあげてくださいね。
愛犬に夜鳴きや徘徊の症状がみられたら、まずは体内時計を整えることから始めてみましょう。
体内時計を整えて愛犬の心身を健康に保とう
![体内時計を整えて愛犬の心身を健康に保とう](https://wancolab.com/wp/wp-content/uploads/2021/07/dog-biological-clock-07.jpg)
私たち人間と同じように、犬にも生まれつき体内時計は備わっているもの。
個体差はありますが、乱れた体内時計は太陽の光をたっぷり浴びることでリセットできます。
もし愛犬の体内時計が少し狂っているかも?と感じたら、ぜひ積極的に散歩へ出かけるようにしましょう。
毎日しっかりと太陽の光を浴びることで、様々な問題行動も減らすことができるかもしれません。
なお、愛犬の体内時計を正常に保つためには、飼い主さん自身の規則正しい生活が重要です。
働き方やライフスタイルが多種多様になった現代では、規則正しく生活するのは難しいかもしれません。
そんな時は、起床時間と就寝時間だけでも固定して、体内時計の調整をはかってみてくださいね!
愛犬の体内時計を正常に保ち、お互いにとって心地よい生活リズムを作っていきましょう。