ジャックラッセルテリアとパーソンラッセルテリアの違いとは?似ている犬種徹底比較
ドッグスポーツなどでもおなじみの運動神経抜群なジャックラッセルテリア。
実はジャックラッセルテリアによく似た「パーソンラッセルテリア」という犬種が存在するのをご存知でしょうか?
今回はそんなジャックラッセルテリアとパーソンラッセルテリアの違いについて解説します。
目次
原産国は同じイギリス!ジャックラッセルとパーソンラッセルの誕生の歴史
「ジャック・ラッセル・テリア」と「パーソン・ラッセル・テリア」はその名前の類似性からも想像できるように、兄弟犬ともいえる誕生の歴史を持っています。
それぞれの名前に入っている「ラッセル・テリア」。
これはこの犬種たちの基礎犬を作出したジョン・ラッセル(別名:ジャック・ラッセル)牧師に由来します。
1800年代、当時大学生だったラッセル氏は1頭のテリア犬と出会います。
このテリア犬を基礎犬に、キツネやウサギ狩りに特化した犬として誕生したのが後のジャックラッセルテリアです。
ラッセル牧師の死後、ジャックラッセルテリアは更なるハンターとしての能力が求められ、ダックスフンドやコーギーなど、様々な猟犬との交配が行われます。
しかし、外見よりも性能を重視し交配が進んだ結果、本来のジャックラッセルテリアの姿は変わっていってしまいました。
一方で、「ラッセル牧師が目指したテリア」の姿を重視し、育種に取り組んでいたグループもありました。
そこで誕生したのがパーソン・ラッセル・テリアです。
こうして誕生した2つの犬種。
元々が同じテリア犬から派生していったので、見た目が非常に似ているというわけです。
ジャックラッセルテリアとパーソンラッセルテリアの見分け方
ジャックラッセルテリアとパーソンラッセルテリアは、非常に似ているので、パッと見分けるのは難しいかもしれません。
しかし、その生い立ちの歴史を知ると、それぞれの違うところも見えてきます。
分かりやすいところでは「スタイル」。
ジャックラッセルテリアは、ハンターとしての性質を重視してきた結果、ダックスフンドやコーギーの血統が混ざっています。
この2種の外見的特徴的といえばやはり、「胴長・短足」ですよね。
その血が混ざっていることから、ジャックラッセルテリアはパーソンラッセルテリアに比べ胴が長く、足が少し短くなりやすい傾向にあります。
逆にパーソンラッセルテリアは、ラッセル牧師の目指した姿を求め、ショードッグとして披露できる外見を求めた結果、ジャックラッセルに比べ「スタイリッシュ」な印象に。
もちろん個体差もあるため、一概には言えませんが、見分けるポイントとして押さえておくと良いでしょう。
実は少し違う毛色の規定!それぞれの毛質も紹介
素人目には少し難しいところもありますが、ジャックラッセルとパーソンラッセルでは、被毛の毛色規定が少し異なっています。
ジャックラッセルテリアの場合、ホワイトをベースに、ブラックかタンと呼ばれる茶色の差し色が入ります。
中にはホワイト一色のレアカラーや、ホワイトをベースにタンとブラックが混在した「トライカラー」と呼ばれる被毛の子も存在します。
一方で、パーソンラッセルテリアは全体がホワイト一色の場合や、ホワイトをベースに、タン・レモン・ブラックの斑が入ります。
パーソンラッセルテリアの場合、ほとんどが白で、頭部やしっぽのみに色があることが理想とされていますが、ジャックラッセルテリアの規定は「ホワイトが優勢」という程度に留まり、ほぼ制限がないという点も特徴的です。
毛質の種類はジャックラッセル、パーソンラッセルともに、ダブルコートとなっており、短毛の「スムースコート」、ウェーブがかった長毛の「ラフコート」、スムースとラフが入り混じった「ブロークンコート」の3種類があります。
ちなみにスムースコートの場合、トリミングは必要ありませんが一番抜け毛が多いため、毎日のブラッシングは欠かせません。
ラフコートとブロークンコートは毛玉防止のための定期的なブラッシングを行い、トリミングも定期的に行く必要があります。
成り立ちが違っても性格にほとんど違いは見られない
ジャックラッセルテリアとパーソンラッセルテリアでは、特別性格に大きな違いはありません。
というのも、ジャックラッセルテリアとパーソンラッセルテリアは、比較的新しい犬種で、どちらも複数の血統が混ざって誕生している経緯から、性格は個体差が大きいように感じます。
両犬種ともに共通しているのは、基本的にとても活発で、友好的な性格をしていること。
また、非常に賢いためしつけにもそこまで苦労はしないでしょう。
とはいえ「テリア種」独特の気質は持ち合わせており、ワガママ・頑固といった一面も持っています。
本来の狩猟犬としての本能から、攻撃的な一面が垣間見えることもありますので、どちらの犬種も幼少期からのしつけが大切です。
ジャックラッセルテリアとパーソンラッセルテリアはどちらもパワフル、エネルギッシュ
ジャックラッセルテリアもパーソンラッセルテリアも、どちらも非常にエネルギッシュで、走り回ることが大好きな犬種です。
室内ではフローリングの場合、滑りにくいカーペットやマットなどを敷き、怪我には充分注意をしながら、動き回れる広いスペースを提供してあげましょう。
好奇心が旺盛なため、誤飲には特に注意が必要です。
口に入るサイズのものは手の届かない場所へ置いておく、物を落としたらすぐに拾うといったことを心がけ、おもちゃなどは壊して飲んでしまう場合もあるため、飼い主さんが見ている時にだけ遊ばせるようにしましょう。
両犬種とも小型犬の分類ではありますが、運動量は多く必要とし、また運動能力が高いため、愛犬と一緒にアクティブに楽しんだり、ドッグスポーツを一緒にやりたいといった飼い主さんにはぴったりな犬種といえます。
ジャックラッセルテリアとパーソンラッセルテリアのかかりやすい病気
両犬種ともにかかりやすい病気として挙げられるのが「レッグパーセス病(レッグペルテス病)」です。
レッグパーセス病は正式名称を「大腿骨頭壊死」といい、なぜ発症するかは未だ解明されていない原因不明の重疾患の一つ。
原因不明の病のため、予防するのが難しい病気ではありますが、どちらの犬種でもかかる可能性があるというのは念頭に置いておきましょう。
瞬時に見分けるのは難しい!ジャックラッセルテリアとパーソンラッセルテリアはそれほど非常によく似た犬種
ジャックラッセルテリアとパーソンラッセルテリアは元々が同じ犬種であったこともあり、素人目で瞬時に違いを見分けるのは難しいです。
とはいえ体格や毛色など、よく見ると小さな違いがあり、明らかにこっちの犬種といった分かりやすい個体もいます。
見分ける際には、胴長・短足であればジャックラッセルテリア、スタイリッシュで比較的足が長いのがパーソンラッセルテリアといった目安を設けておくと良いでしょう。
どちらにしても、勇敢で好奇心旺盛、そして飼い主さんに献身的な性格を持つ犬種のため、テリア種の性格を理解し、しっかりと信頼関係を築くことで愛着の湧く最高のパートナーになってくれることでしょう。