プードルカットの理由や歴史!犬種の魅力を引き出すカットスタイルの由来とは?

プードルカットの理由や歴史!犬種の魅力を引き出すカットスタイルの由来とは?

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ふわふわの毛が特徴的なプードルは、カットスタイルによって雰囲気が大きく変わる犬種です。
ぬいぐるみのように丸くカットされたテディベアカットやモヒカンカットなど、どれも可愛くて悩んでしまいますよね。
今回は、そんなプードルのスタイルのうち、もっとも古い歴史を持つプードルカットについてご紹介します。
プードル独特のスタイルであるプードルカットは、どのようにして生まれたものなのでしょうか?

プードル独特のカットスタイル「コンチネンタル・クリップ」とは?

プードル独特のカットスタイル「コンチネンタル・クリップ」とは?

プードルには様々なカットスタイルがありますが、もっとも歴史が古いのは「コンチネンタル・クリップ」というスタイル。
顔と腰回りに短く剃りこみをいれつつ、胸と手足の被毛は丸く残す、というこのスタイルは、プードルの特徴的なカットです。
どことなくシャープな印象があるため好みは分かれますが、プードル愛好家からは昔から根強い人気。
17世紀頃から廃れることなく続いてきたコンチネンタル・クリップは、いわばプードルの伝統カットといえるでしょう。

狩猟の効率を高めるために生まれたプードルカット

狩猟の効率を高めるために生まれたプードルカット

コンチネンタル・クリップ、いわゆるプードルカットは、プードルが水猟犬として活躍していた頃にできたスタイルです。
プードルは17世紀頃から主に水鳥の狩猟や回収の仕事を行っており、水の中に飛び込んで泳ぐことも多々ありました。
そこで猟師たちは「被毛が水を吸って重くならないように」と、できるだけプードルの被毛を短くしようと考えたのです。
ただ、時には冷たい水に入ることもあったため、体の中でも大切な心臓と関節周りの被毛は残すようにした、というわけですね。
現在はファッションとして知られているプードルカットですが、もともとは狩猟の効率を高めるために生まれたのです。

コンチネンタル・クリップはドッグショーでの正式なスタイル

コンチネンタル・クリップはドッグショーでの正式なスタイル

犬の姿を審査し、理想に近い形の犬を高く評価する品評会のことを、ドッグショーといいます。
ドッグショーは、犬種それぞれが持つ特徴や能力、性質などを記した「犬種標準書」に沿って行われる大会です。
成犬のプードルの場合、このドッグショーに出る際の正式なスタイルは「コンチネンタル・クリップ」が基本とされています。
大胆な刈り込みが目を引きますし、なによりプードルの豊富な被毛とスクエアな体型をより美しく見せてくれるでしょう。
コンチネンタル・クリップはプードルにしか認められていないカットであり、世界的に人気が高いスタイルです。

なお、ドッグショーに出場できるスタイルとしては、他に「イングリッシュサドルクリップ」というカットもあります。
こちらも伝統的なカットスタイルではありますが、コンチネンタル・クリップよりも刈り込む面積は少なくインパクトは低め。
腰にロゼットという軽いポンポンを残すことで、キュートで愛らしい雰囲気を表現するできるカットといえますね。
ちなみに、手足に作った丸いポンポンのことはロゼットではなく「ブレスレット」と呼ばれるので、覚えておいてくださいね。

人気のスタイル「ペットコンチ」とは?

人気のスタイル「ペットコンチ」とは?

コンチネンタル・クリップは毛が少し伸びただけでも違和感がでるため、日々の手入れが大変です。
また、細身のプードルやマズルが短いプードルの場合は、少し貧相に見えてしまいがちというデメリットも…。
そんなコンチネンタル・クリップの短所を解消できるスタイルとして「ファーストコンチネンタル・クリップ」というカットがあります。

ファーストコンチネンタル・クリップ(通称ペットコンチ)は、コンチネンタル・クリップを家庭でも楽しめるように作られたもの。
頭の被毛は丸く、小さくカットされており、腰や手足には可愛らしいポンポンがついた、クラシカルなスタイルなんです。
顔の剃りこみが少ないこと・首回りを一周バリカンでカットしていることから、手入れがしやすいと評判が高いペットコンチ。
ご家庭でコンチネンタル・クリップを楽しみたいなら、まずは手入れのしやすいペットコンチから始めてみてはいかがでしょうか?

時代が変わっても愛され続けるプードルカット

時代が変わっても愛され続けるプードルカット

プードル独特のスタイルであるコンチネンタル・クリップは、意外と深い歴史を持っています。
今でこそ愛玩犬として愛されているプードルですが、もともとは水猟犬として活躍していた犬種です。
水の抵抗が少ないプードルカットは、この時代のプードルにとって欠かすことのできないカットスタイルでした。

なお、18~19世紀頃にはおしゃれな犬として貴族に人気が出始め、正式なカットスタイルとして定着しています。
猟師をはじめ、上流階級の人や一般市民まで幅広く愛されたカットスタイルが、現在のプードルカットといえるでしょう。
プードルの美しさを最大限に引き出せるカットでもあるので、愛好家なら1度は試してみたいスタイルですね。