犬にさくらんぼをあげても大丈夫?メリットや適量、与える際の注意点

犬にさくらんぼをあげても大丈夫?メリットや適量、与える際の注意点

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バラ科サクラ属に属するさくらんぼは、初夏を告げる果実として知られている果物です。
気軽に食べられる一口サイズのさくらんぼですが、犬に与えても特に問題はないのでしょうか?
今回は、そんなさくらんぼの栄養と効能、愛犬に与える際の注意点について解説します。

犬はさくらんぼを食べても大丈夫

犬はさくらんぼを食べても大丈夫

まずはじめに、さくらんぼは犬に与えてもよい食べ物です。
さくらんぼには多くの品種がありますが、外国産のアメリカンチェリーなども犬に与えて大丈夫です。
ただし、枝と種は消化しにくく、体調不良の原因にもなるため、あらかじめ取り除いてから与えましょう。

なお、さくらんぼを購入する時は、鮮やかな色をした艶のあるものを選びましょう。
さくらんぼは追熟(※収穫後に一定期間貯蔵して完熟させること)ができないため、青みが多かったり、色が薄かったりするものは避けたほうが良いです。
また、枝が茶色っぽく変色しているものは鮮度が落ちている証拠なので避けてくださいね。

【さくらんぼのメリット】視力回復・炎症の抑制・貧血改善・疲労回復・皮膚や粘膜の健康維持・便秘解消 など

【さくらんぼのメリット】視力回復・炎症の抑制・貧血改善・疲労回復・皮膚や粘膜の健康維持・便秘解消 など

さくらんぼには、視力や疲労の回復・炎症の抑制などに役立つ「アントシアニン」が豊富に含まれています
アントシアニンはポリフェノールの一種であり、非常に高い抗酸化作用を持つことで知られている栄養素(色素)です。
さくらんぼの中でも、タルトチェリーと呼ばれる品種はアントシアニンの含有量が多く、栄養価も高いといえます。

また、さくらんぼには鉄分と葉酸が他の果物よりも多く含まれており、貧血の予防・改善に効果が期待できます
小さいながら、ビタミンA・C・クエン酸なども豊富に含んでいるため、疲労回復や皮膚・粘膜の健康維持にも役立つでしょう。

なお、さくらんぼはソルビトールと呼ばれる糖アルコールが豊富で、ダイエットに効果があるといわれています。
意外かもしれませんが、さくらんぼ100g中にはバナナよりも多くの食物繊維が含まれているため、便秘解消や予防にも最適。
室内飼いの犬やシニア犬など、運動量の低下によって肥満・便秘がみられる犬には、特におすすめの果実といえますね。

そのほか、さくらんぼには不眠を解消する作用やアルツハイマーの予防、アレルギー症状を緩和する効果もあるといわれています。
健康効果が高いからといって与えすぎるのは良くありませんが、ぜひ特別な日のご褒美にしてみてはいかがでしょうか?

さくらんぼは「体重1kg当たり3g」を目安に与えよう

さくらんぼは「体重1kg当たり3g」を目安に与えよう

愛犬にさくらんぼを与える時は、体重1kg当たり3gを目安にしましょう。
品種によっても異なりますが、3gというと「種を取り除いた状態のさくらんぼ2分の1個分」にあたります。
さくらんぼは、あくまでご褒美やおやつと考えるようにし、与えすぎには注意してください。

ちなみに、さくらんぼのカロリーは、100gあたり約60kcalです。
果物の中では平均的なカロリーですが、与えすぎは栄養バランスの乱れにつながる可能性があります。
健康トラブルを避けるためにも、愛犬にさくらんぼを与える時は適量を意識しましょう。

【注意点①】さくらんぼの種・枝・葉には毒性があるので与えない

【注意点①】さくらんぼの種・枝・葉には毒性があるので与えない

さくらんぼの種・枝・葉には毒性があり、誤って食べてしまうと中毒を起こす可能性があります。
そのため、さくらんぼは決して丸ごと与えず、種や枝・葉を取り除いてから愛犬に与えるようにしましょう。

なお、種の周りはセルロースという成分でコーティングされているため、丸呑みした場合には問題ありません。
しかし、歯で噛み砕いてしまう可能性や尖った部分で喉を傷つけてしまう危険性を考えると、やはりそのまま与えるのはNG。
面倒に感じるかもしれませんが、愛犬の健康トラブルを避けるためにも、種は確実にくり抜いておいてくださいね。

【注意点②】食べ過ぎは下痢や軟便の原因になる

【注意点②】食べ過ぎは下痢や軟便の原因になる

私たち人間もそうですが、犬がさくらんぼを食べ過ぎると、下痢や軟便を起こす可能性があります。
さくらんぼに含まれるソルビトールという成分には、小腸の水分吸収を低下させる作用があり、便を緩くします。
便秘に良いとされる果物には大抵含まれているソルビトールですが、与えすぎにはくれぐれも注意しましょう。

【注意点③】腎臓病・心臓病の犬には与えないほうが無難

【注意点③】腎臓病・心臓病の犬には与えないほうが無難

さくらんぼにはカリウムが豊富に含まれているため、腎臓病や心臓病の犬は注意しなければいけません。※
カリウムは犬の健康に欠かせない栄養素のひとつですが、腎臓の機能が低下している場合は摂取量の制限が必要です。
もし愛犬が腎臓や心臓に病気を持っている場合には、念のためさくらんぼを与えるのは避けたほうが良いでしょう。

※通常、あまったカリウムは尿とともに体外へ排出されますが、腎臓の働きが悪くなると体内へ蓄積します。
体内にカリウムが蓄積すると、高カリウム血症を引き起こす可能性があるため、注意してください。

さくらんぼは犬に与えてもOK!種・枝・葉は取り除こう

さくらんぼは犬に与えてもOK!種・枝・葉は取り除こう

さくらんぼは栄養価が高く、犬の体にとって様々な健康効果が期待できます。
種・枝・葉には毒性があるため必ず取り除き、体調を崩さないか様子をみながら少量ずつ与えましょう。
ぜひ、特別な日のおやつとしてさくらんぼを取り入れ、愛犬の元気をサポートしてあげてくださいね。