犬はナスを食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点

犬はナスを食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点

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ナスはナス科ナス属に属しており、熱帯から温帯にかけて世界中で栽培されている野菜です。
小なすや賀茂なすなど、多くの地方品種が栽培されているナスですが、犬に与えても問題はないのでしょうか?
今回は、そんなナスの栄養と効能、愛犬に与える際の注意点について解説します。

犬はナスを食べても大丈夫

犬はナスを食べても大丈夫

まずはじめに、ナスは犬に与えても良い食べ物です。
ナスの皮には栄養が豊富に含まれているため、皮ごと食べやすいサイズに切ってから与えるとよいでしょう。

なお、水ナスなど、一部の品種をのぞき、通常のナスはアクが強いため、水にさらした後はしっかりと加熱してください。
ナスには「煮る・焼く・炒める・蒸す」など、様々な調理の仕方がありますが、加熱方法はどれでも構いません。
ナスは油との相性が良いため、軽く炒めてから与えると柔らかくなって犬の嗜好性が高まります。

なお、犬に与えても良いのは、しっかりと熟したナスだけです。
未熟なナスや非可食部(茎・葉・ヘタなど)には毒性があるため、絶対に与えないでくださいね。

【ナスのメリット】夏バテ予防・老化予防・ガン予防・コレステロール値を下げる・炎症や痛みを抑制する・便秘改善 など

【ナスのメリット】夏バテ予防・老化予防・ガン予防・コレステロール値を下げる・炎症や痛みを抑制する・便秘改善 など

ナスには、ポリフェノールの一種である「ナスニン」や「クロロゲン酸」が含まれています。
ポリフェノールには、体内の活性酸素や過酸化脂質の生成を抑制する働きがあり、老化やガンの予防効果が期待できます。
また、ナスニンにはコレステロール値を下げる作用もあり、高脂血症の予防・改善にも効果的といえるでしょう。

また、ナスにはプロテアーゼインヒビターと呼ばれる物質が含まれており、炎症や痛みを和らげてくれます。
食べ過ぎによる胃炎をはじめ、関節痛や神経痛など、炎症による痛みを落ち着かせてくれるため、病気治療中の犬にもおすすめ。
ビタミンやミネラル類はほとんど含まれていませんが、そのぶん食物繊維豊富で便秘改善にも効果が期待できますよ。

そのほか、むくみ解消に役立つカリウムや、子犬や母犬に必要な葉酸など、ナスには様々な栄養分が含まれています。
近年では、ナスの栄養素である「コリンエステル」に血圧や自律神経の調整作用があると実証され、ナスの注目度はますます上がっています。
加熱の必要があるぶん、与える際の手間はかかりますが、愛犬にナスを与えることで得られるメリットはたくさんあるといえます。

ナスは「1日の総カロリーの20%以内」を目安に与えよう

ナスは「1日の総カロリーの20%以内」を目安に与えよう

愛犬にナスを与える時は、1日に必要な総カロリーの20%以内にしましょう。
ナスはあくまで毎日のおやつやトッピング程度にし、与えすぎには注意してください。

ちなみに、ナスのカロリーは、100gあたり約22kcalです。
カロリーは低いですが、与えすぎは栄養バランスの乱れにつながるので、要注意。
消化不良などの健康トラブルを避けるためにも、愛犬に大根を与える時は適量を意識しましょう。

【注意点①】腎臓病、心臓病の犬には与えないほうが無難

【注意点①】腎臓病、心臓病の犬には与えないほうが無難

ナスはカリウムを比較的多く含んでおり、腎臓・心臓病の犬には良くありません。(※)
カリウムは犬の健康に欠かせない栄養素ですが、腎臓の機能が低下している場合には摂取制限が必要です。
腎不全の犬をはじめ、心臓病の犬にも、念のためナスを与えるのは避けたほうが良いでしょう。

※通常、あまったカリウムは尿とともに体外へ排出されますが、腎臓の働きが悪くなると体内へ蓄積します。
体内にカリウムが蓄積すると、高カリウム血症を引き起こす可能性があるため、注意してください。

【注意点②】実の部分以外は毒があるため与えない

【注意点②】実の部分以外は毒があるため与えない

ナスの葉や茎、ヘタには、有害な毒素であるアルカロイド(ソラニンなど)が含まれています
ソラニンはじゃがいもの芽に含まれていることで知られていますが、実はナスやトマトなどの野菜にも含まれている物質です。
犬がソラニンを摂取すると、嘔吐や下痢、腹痛、めまい、呼吸困難などを引き起こす可能性があるため、誤食には十分注意しましょう。

なお、ソラニンは水溶性の物質で、流水にさらすことで水に溶けだす作用がありますが、熱には強い傾向があります。
加熱しても毒性はほとんど失われないため、「火を通せば大丈夫」などと考えず、実の部分だけ与えるようにしてくださいね。

【注意点③】食べ過ぎは下痢や嘔吐の原因になる

【注意点③】食べ過ぎは下痢や嘔吐の原因になる

ナスは体の熱を取り除く作用があるため、与えすぎるとお腹を壊す可能性があります。
一説によると「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざは、ナスのような夏野菜を秋に食べると体が冷えるという戒めからなんだとか。
暑い夏の間はナスを食べても良いけれど、涼しくなっても食べ続けるのはバランスが良くないということなのでしょう。
ナスを与えたからといって劇的に体温が下がるわけではありませんが、与えすぎには注意してくださいね。

ナスは犬に与えてもOK!ただし実の部分以外は与えないようにしよう

ナスは犬に与えてもOK!ただし実の部分以外は与えないようにしよう

ナスには抗酸化作用のある成分が豊富に含まれており、老化やガンの抑制など様々な効果が期待できます。
生のままだとアクが強く美味しくないため、愛犬に与える際はしばらく水にさらした後、よく火を通すことが大切です。
ナスの葉や茎、ヘタなど、実以外の部分には毒性のある物質があるため、必ず取り除いてから調理しましょう。