犬にぶどうを与えてはいけない理由と食べてしまった時の症状・対策

犬にぶどうを与えてはいけない理由と食べてしまった時の症状・対策

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犬にとって、ぶどうは害のある食べ物です。
今回は、犬にぶどうを与えてはいけない理由と食べてしまった場合の症状・対策について解説します。

犬にぶどうを与えてはいけない理由

犬にぶどうを与えてはいけない理由

犬はぶどうを食べると、下痢や嘔吐、急性腎不全などを起こす可能性があります。
中毒のもととなる成分については未だ詳しく分かっていませんが、生のぶどうをはじめ、加熱されたぶどうも犬にとっては有害です。
特に、干しぶどうであるレーズンやぶどうの皮はぶどうの成分が凝縮されており、生のぶどうよりも危険度が高いでしょう。

なお、ぶどうによる中毒は腎臓に障害を与える場合が多く、腎臓に持病のある犬は特に注意が必要です。
高齢の犬は腎臓が弱っていることも多いため、ひと粒でも口にしてしまった場合は迅速な処置が必要といってよいでしょう。

致死量については個体差が大きいですが、健康な犬であっても数粒食べただけで命を落とした事例が過去に確認されています。
もし愛犬が誤ってぶどうを食べてしまった時は、症状の有無にかかわらず獣医師の診察を受けるようにしてください。

犬がぶどうを食べてしまった時の症状

犬がぶどうを食べてしまった時の症状

犬がぶどうを食べてしまうと、食欲不振、嘔吐・下痢、尿量の減少などがみられます。
重篤な場合には、尿毒症によって痙攣を起こしたり、意識を失うなど、命に関わる中毒症状がみられることもあるでしょう。
ぶどうには、犬の腎臓機能のひとつである「糸球体による血液のろ過機能」を停止する働きがあり、腎臓に大きな障害を及ぼします。
血液のろ過機能が停止した場合、毒素を尿として排出できなくなり、結果として体内に毒素が蓄積され、死に至ることもあります。

ぶどう中毒による症状は、多くの場合24~72時間以内に現れます。
急性腎不全による尿量の低下がみられた場合には、放っておくと命に関わるため迅速な処置が必要です。
もし愛犬がぶどうを口にしてしまった時は、すぐに動物病院へ連絡し、適切な処置を受けるようにしましょう。

愛犬がぶどうを食べてしまった時の対処法

愛犬がぶどうを食べてしまった時の対処法

万が一、愛犬がぶどうを食べてしまった時は必ず動物病院に連絡をしましょう。
ぶどう中毒は時間が経過するほど改善が難しくなるため、早期の治療が非常に大切です。
動物病院への連絡後はできるだけ早く身支度を整えて、早急に愛犬を動物病院へ連れていきましょう。
歩かせると毒素のまわりが早くなる可能性があるため、キャリーバッグに入れて移動するか、抱っこして向かってください。
もし愛犬が嘔吐をした場合は、姿勢を縦に保って、吐いたものがのどに詰まらないように注意することも重要です。

動物病院に伝えること

  • 食べてしまったものの種類(生のぶどう、レーズン、ぶどうの皮など)
  • いつごろ、どのくらいの量を口にしたか
  • 現在の愛犬の様子

ぶどう中毒の治療法とは

ぶどう中毒の治療法とは

食べた直後であれば、催吐作用のある薬などを使ってぶどうを吐かせます。
そのほか、活性炭などの吸着剤を飲ませて、中毒成分が体内に吸収されないようにしたり、胃洗浄を行う場合もあるでしょう。
腎臓を保護するために点滴を行ったり、利尿剤を投与して毒素の排出を促すなど、動物病院での処置は多岐にわたります。
ぶどうによる腎機能障害を防ぐためには、これらの処置をできるだけ早く受ける必要があります。

自己判断で吐かせるのは危険

自己判断で吐かせるのは危険

ぶどうを誤食した際、もっとも有効な手段は吐かせることです。
しかし、自己判断で催吐処置を行ってしまうと、かえって犬にとって害になる可能性があるため、むやみな処置は行わないこと。
特に、吐かせるために食塩水を飲ませる等の応急処置は、分量を間違えると食塩中毒を起こす危険性があります。
愛犬を吐かせる際は、必ず獣医師に相談のうえ、適切な方法で対処するようにしましょう。

犬の届く範囲にぶどうやぶどうの皮を置かないこと

犬の届く範囲にぶどうやぶどうの皮を置かないこと

愛犬が誤ってぶどうを食べてしまうことがないように、家庭での管理は徹底して行いましょう。
開封したお菓子やパン、食べかけのぶどうなどは冷蔵庫に閉まっておき、ニオイが漏れないようにすることが大切です。
キッチンの三角コーナーや簡単に開けられるゴミ箱などに皮を捨てるのは危険ですので、注意してください。

また、普段から人間の食べ物を欲しがらないようにしつけをすることも大切です。
しつけ中はキッチンに入れないようバリケードを設置したり、絶対に犬がぶどうを口にしないよう対策すること。
家族全員で「チぶどうは犬にとって危険なもの」だと共有し、危機意識を持って生活することで、愛犬の誤食を防ぐことができるでしょう。
特に若い犬は好奇心旺盛で、何でも口に入れたがる傾向があるため、普段からよく観察しておくことが重要です。

正しい知識を持って愛犬の命を守ろう

正しい知識を持って愛犬の命を守ろう

ぶどうの中毒成分はいまだ未解明ですが、犬にとって非常に危険な食べ物であることは間違いありません。
ぶどうやレーズンなどは、愛犬の届く範囲に置かないようにし、残ったぶどうの皮などはニオイの漏れない袋に入れて捨てましょう。

また、ぶどうによる急性腎障害は早期に治療しないと命に関わるため、夜間でも治療が受けられる動物病院を探しておくと安心です。
ぶどう中毒は個体によって致死量が大きく異なるため、様子がおかしいと思った時は迅速に行動するようにしてくださいね。