犬はじゃがいもを食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点

犬はじゃがいもを食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点

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じゃがいもは、私たち人間をはじめ、犬にとってもおなじみの食材です。
ドッグフードの原料にも使われるじゃがいもですが、おやつ代わりにあげてもよいのでしょうか?
今回は、じゃがいもの栄養と効能、愛犬に与える時の注意点を解説します。

犬はじゃがいもを食べても大丈夫

犬はじゃがいもを食べても大丈夫

まず初めに、じゃがいもは、犬に与えても良い食べ物です。
生のままで与えたり、一度にたくさん食べると消化不良を起こすことがあるので、少量を加熱して与えましょう
なお、じゃがいもの皮や芽には有毒物質が含まれているため、必ず取り除いてから調理してください。

じゃがいもはは70℃前後の低温でじっくり加熱すると、でんぷんが糖に変わって甘味が増します
強火で加熱したり、電子レンジを使って温めると、甘味がでにくくなってしまうので、オーブン調理などがおすすめ。
焦げには発ガン性があるため、愛犬にじゃがいもを与えるときは焦げていない部分を選びましょう。

【じゃがいものメリット】便秘解消・免疫力アップ・皮膚の健康など

【じゃがいものメリット】便秘解消・免疫力アップ・皮膚の健康など

じゃがいもはビタミンCが豊富で、栄養価がとても高い野菜です。
ビタミンCは加熱することにより壊れてしまうのが難点ですが、じゃがいもの場合は大丈夫!
じゃがいもに含まれるデンプン質の糊化によって膜が作られるため、加熱してもビタミンCが壊れにくいのです。
ビタミンCには、免疫力向上や皮膚の健康維持などの作用があり、疲労の回復にも効果が期待できます。

また、じゃがいもには利尿作用のあるカリウムも豊富に含まれています。
カリウムとは、体の中の余分な塩分(ナトリウム)を体外へ排出する役割を持つミネラルです。
心臓や筋肉機能の調整をしたり、血圧を調整する働きがあるため、高血圧の予防・改善にも効果的でしょう。

更に、じゃがいもは食物繊維が豊富で、腸内の環境を整える効果が期待できます。
食物繊維には、水溶性・不溶性の2種類がありますが、じゃがいもの場合は不溶性食物繊維のほうが多め。
不溶性食物繊維には、腸の運動を活性化する働きがあるため、特に便秘ぎみの犬におすすめです。

【注意点①】じゃがいもの芽や緑色の皮部分には毒がある

【注意点①】じゃがいもの芽や緑色の皮部分には毒がある

じゃがいもの芽や緑色の皮部分には、ソラニンやチャコニンという毒素が含まれています。
そのため、犬が誤って食べてしまうと、嘔吐や下痢などの消化器症状が現れることがあり、とても危険です。
犬にじゃがいもを与える時は必ず芽を取り除き、しっかりと皮を剥いてから調理しましょう。

なお、ソラニンは水に溶けやすく、皮を剥いてから水にさらしたり、茹でることで減らすことができます。
新じゃがは皮ごと食べられるじゃがいもですが、保存場所や期間によっては皮に毒素を含んでいる可能性があります。
万が一、愛犬の様子がおかしいと感じた時は、できるだけ早く動物病院を受診するようにしましょう。

【注意点②】じゃがいもは血糖値が上がりやすい「高GI値」食材

【注意点②】じゃがいもは血糖値が上がりやすい「高GI値」食材

じゃがいもはGI値が高く、食後の血糖値が急上昇しやすい食材です。
GI値とは、食品が体に吸収される速度を数値化したもので、高いほど血糖値が激しく上昇します。
血糖値が急激に上昇するとインスリンの分泌が増え、結果的に肥満や糖尿病、低血糖などを起こすことも…。
あげすぎなければ問題はありませんが、おやつとして日常的に与えるのは避けたほうが良いでしょう。

ちなみに、じゃがいものカロリーは100gあたり約76kcalです。
葉物野菜に比べると高めのカロリーですが、さつまいもやかぼちゃよりは低いですね。
犬にじゃがいもを与える時は、1日の摂取カロリーの20%以内を目安に与えるようにしましょう。
肥満や糖尿病のリスクを抑えるためにも、与えすぎには注意してくださいね。

【注意点③】結石になりやすい体質の犬、腎臓病・心臓病の犬は注意して

【注意点③】結石になりやすい体質の犬、腎臓病・心臓病の犬は注意して

ほうれん草の20分の1程度ですが、じゃがいもには「シュウ酸」が含まれています。
シュウ酸とは、ほうれん草やタケノコ、お茶などにも多く含まれている、いわゆる「アク」の成分のことです。
シュウ酸は、腎結石・尿結石のリスクを高めるため、結石症になったことのある犬は注意しましょう。
なお、シュウ酸は水に溶けだす作用があるため、皮を剥いた状態で茹でれば大丈夫ですよ。

また、腎臓病や心臓病を患っている犬の場合は、じゃがいもに含まれるカリウムが体の負担になることも。
シュウ酸と違い、カリウムの量は調理法による変化が少ないため、与えないほうが無難です。

じゃがいもは犬に与えてもOK!与える量・中毒には注意しよう

じゃがいもは犬に与えてもOK!与える量・中毒には注意しよう

じゃがいもは栄養バランスに優れた野菜で、犬が食べても大丈夫です。
GI値が高いため、与えすぎには注意が必要ですが、適切な量であれば問題ありません。

ただし、芽や緑色の皮部分は強い毒素を含んでいるため、調理時は必ず芽や皮を取り除くこと。
生のままでは消化不良を起こす可能性もあるので、しっかりと加熱してから与えるようにしましょう。
ぜひ、じゃがいもの持つ健康効果を利用して、愛犬の元気をサポートしてあげてくださいね。