犬は大根を食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点

犬は大根を食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点

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アブラナ科ダイコン属の大根は、煮物や炒め物など様々な料理に使える野菜です。
日本人にとって非常に馴染み深い食材である大根ですが、愛犬に与えても問題はないのでしょうか?
今回は、そんな大根の栄養と効能、愛犬に与える際の注意点について解説していきます。

犬は大根を食べても大丈夫

犬は大根を食べても大丈夫

まずはじめに、大根は犬に与えても良い食べ物です。
根っこ(主に食べる白い部分)はもちろん、葉の部分も与えて構いません。

葉の部分は生のままだと硬くて消化しにくいため、炒めたりしてから与えてください。
根は生のままでも大丈夫ですが、すりおろしたり、柔らかく煮てから与えると消化がしやすくなります。
大根の根は葉に近いほど甘味があるため、犬に与える際はできるだけ上の甘い部分を選んであげるといいでしょう。
そのほか、愛犬の胃腸の調子が悪い時は、大根のしぼり汁をフードにトッピングするのもおすすめです。

【大根のメリット】免疫力アップ・便秘改善・ガン予防・視力回復・殺菌作用・ダイエット・水分補給など

【大根のメリット】免疫力アップ・便秘改善・ガン予防・視力回復・殺菌作用・ダイエット・水分補給など

大根の葉には、ビタミンA・C・K・カルシウム・鉄分・食物繊維など、様々な栄養素が含まれています。
ビタミンAには皮膚や粘膜を丈夫にする働きがあり、ビタミンCと一緒に摂取することで免疫力アップが期待できます
食物繊維も豊富に含んでいるため、便秘改善をはじめ、様々な胃腸のトラブルを起こしにくくしてくれるでしょう。

また、大根の葉に含まれるβカロテンには、ガンの予防や免疫力を高める働きがあります。
これらの物質は強い抗酸化作用を持っており、老化を抑えたり、視力・皮膚の健康維持にも効果的です。
活性酸素を減らす働きがあるので、シニア犬や運動量の多い犬は、ぜひ積極的に摂取しましょう。

対して大根の根には、消化を助ける作用のあるアミラーゼとオキシターゼ、ビタミンCが含まれています。
アミラーゼは市販の消化整腸剤にも使われている成分で、でんぷんを分解し、胃腸の機能を高めてくれる働きがあります。
オキシターゼはタンパク質や脂質の消化を助ける作用があり、ビタミンCには免疫力を高める効果があります。

また、大根のピリッとした辛みは「イソチオシアネート」という辛み成分によるものです。
この成分は大根をすりおろしたり、切ったりすることで生成され、根の先端ほど含有量が多いとされています。
イソチオシアネートには、血液の循環をサポートする働きがあり、高い殺菌作用や発がん抑制作用を持っているのだとか。
なお、大根の根は水分が多くヘルシーなため、ダイエット中のおやつや夏場の水分補給としてもおすすめできます。

※「βカロテンの過剰摂取はビタミンA中毒を起こす」というのは、誤った情報です。
βカロテンは必要な量だけがビタミンAとして変換されるため、たくさん摂取しても心配ありません。
水溶性ビタミンの一種なので体内に蓄積することもなく、安心して摂取できる成分です。

切り干し大根はOK、大根の漬物はNG

切り干し大根はOK、大根の漬物はNG

細切りにした大根を天日干しした「切り干し大根」は、犬に与えても良い食材です。
ただし、切り干し大根は食物繊維が凝縮されており、犬が消化しにくいため、水に戻した後は細かく刻んで与えましょう。
切り干し大根はカルシウムを豊富に含んでいるため、手作りご飯の食材としておすすめですよ。

なお、大根の漬物は犬に与えないようにしましょう。
漬物には塩や調味料が大量に使われており、犬の腎臓や心臓に負担をかけてしまいます。
漬物によってはネギ類や香辛料など、犬にとって害のあるものが含まれていることもあるため、注意してくださいね。

大根は「1日の総カロリーの20%以内」を目安に与えて

大根は「1日の総カロリーの20%以内」を目安に与えて

愛犬に大根を与える時は、1日に必要な総カロリーの20%以内にしましょう。
大根はあくまで毎日のおやつやトッピング程度にし、与えすぎには注意してください。

ちなみに、大根のカロリーは、100gあたり約18kcalです。
カロリーは低いですが、与えすぎは栄養バランスの乱れにつながるので、要注意。
下痢や消化不良などの健康トラブルを避けるためにも、愛犬に大根を与える時は適量を意識しましょう。

【注意点①】甲状腺機能低下症の犬には与えないほうが無難

【注意点①】甲状腺機能低下症の犬には与えないほうが無難

大根をはじめ、アブラナ科の野菜には、甲状腺機能を低下させる「グルコシノレート」が含まれています。
グルコシノレートは体内でゴイトリンという物質に変化し、ヨウ素の吸収を阻害し、甲状腺ホルモンの合成を抑制します。
毎日大量に食べなければ問題はないといわれていますが、すでに甲状腺の疾患を持っている犬は気をつけたほうが良いでしょう。
ホルモン治療に影響が出てしまう可能性を考え、甲状腺疾患を持っている犬には与えすぎないようにしてくださいね。

【注意点②】大根おろしにすると辛みが出ることがあるので注意しよう

【注意点②】大根おろしにすると辛みが出ることがあるので注意しよう

大根はおろすと辛みが出ることがあるため、犬によって好みが分かれやすい野菜といえます。
問題なく食べてくれる場合は構いませんが、もし愛犬が嫌がるようなら無理に与えないようにしましょう。
大根の辛みが苦手な犬には、茹でて甘くなった状態の大根を与えると喜んで食べてくれますよ。

なお、大根の辛み成分には殺菌作用や抗酸化作用がありますが、おろしてから時間が経つと作用が減少していきます。
愛犬に大根おろしを与える時は、与える直前にすりおろすようにしてくださいね。

大根は犬に与えてもOK!ただし甲状腺疾患を持っている犬には与えないこと

大根は犬に与えてもOK!ただし甲状腺疾患を持っている犬には与えないこと

大根は水分量が多く、消化を助けたり、効率的な水分補給ができる野菜です。
大根の葉は栄養価が高いため、白い部分だけでなく、葉の部分まで残さず与えることをおすすめします。
また、甲状腺疾患を持っている犬には与えすぎないようにし、漬物など塩分が高い加工品は避けるようにしましょう。
ぜひ大根の持つ健康効果を利用して、愛犬の元気をサポートしてあげてくださいね。