犬にゴマを食べさせても大丈夫?アレルギーなどの注意点や栄養素

犬にゴマを食べさせても大丈夫?アレルギーなどの注意点や栄養素

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ゴマは、ゴマ科ゴマ属の一年草です。
ゴマは昔から「食べる丸薬」といわれるほど、優れた栄養価を持っています。
そんなゴマですが、犬は食べても大丈夫な食材なのでしょうか?
この記事では、ゴマの栄養素やアレルギーなど、犬にゴマを与える際に知っておきたい知識を解説します。

犬はゴマを食べても大丈夫

犬はゴマを食べても大丈夫

適量であれば、ゴマは犬に与えても問題ありません
ゴマは小さいながら栄養価が高く、フードに振りかけるだけで手軽に摂取できます。
そのままの状態だと消化しづらいため、犬に与える際は細かくなるまですりつぶしましょう

ちなみに、市販のすりごまは加工の段階で栄養価が落ちていて、香りも少ないものが多いです。
愛犬の食いつきをアップする目的でゴマを使うなら、面倒でも自分ですりつぶしたほうがいいでしょう。

なお、ゴマのあげすぎは体調不良の原因になります。
ゴマは食物繊維と脂質が多く、食べすぎは胃腸に負担をかけることにつながります。
ゴマは犬の食いつきも良い食材ですが、欲しがるだけあげることはせず、トッピングとして少量与えましょう。

すりつぶすのは与える直前がベスト

すりつぶすのは与える直前がベスト

ゴマをすりつぶすタイミングは、与える直前がもっとも良いとされています。
ゴマは油分が多く、細かくすりつぶした後、時間がたてばたつほど酸化が進んでしまいます。
酸化した油は発がん性を持ち、風味も落ちてしまうため、犬に与える食べ物としてはおすすめできません。
ゴマの栄養素を安全かつ効率的に摂取するためにも、犬用のゴマは与える直前にすりつぶしましょう。

【ゴマのメリット】肝機能のサポート、老化防止、便秘改善、免疫力アップ、皮膚・被毛のツヤ出しなど

【ゴマのメリット】肝機能のサポート、老化防止、便秘改善、免疫力アップ、皮膚・被毛のツヤ出しなど

ゴマには、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
カルシウムとマグネシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素であり、バランスよく摂取することで効果を発揮します。
ゴマにはどちらの栄養素もバランスよく含まれているため、非常に使い勝手が良いといえるでしょう。

更に、ゴマは「ゴマリグナン」という、高い抗酸化作用を持った特有の成分を持っています。
主なゴマリグナンとしてはセサミンやセサモリンなど。いずれも体内の活性酸素を抑えてくれ、老化防止に役立ちます。
ゴマリグナンは少量でもしっかり肝臓まで届くため、肝機能のサポートにも効果が期待できるでしょう。

また、ゴマにはリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸も多く含まれています。
不飽和脂肪酸には、免疫力を高めたり、皮膚・被毛の健康を保ったりなど、さまざまな役割があります。
ゴマの成分は50%が不飽和脂肪酸を含む油分のため、少量の摂取でも十分皮膚の乾燥を防ぎ、被毛のツヤを維持してくれます。
なお、ゴマの食物繊維は消化されにくいぶん腸までよく届き、整腸や便秘改善のために働きます。

ゴマの種類によって栄養価は変わらない

ゴマの種類によって栄養価は変わらない

ゴマには大きく分けて「白ゴマ・黒ゴマ・金ゴマ」の3つがありますが、栄養成分はほとんど変わりません
いずれも約50%は脂質で、タンパク質と炭水化物が約20%ずつと、かなり栄養価が高い食材といえるでしょう。
ゴマに含まれるタンパク質は体内での利用効率が良く、アミノ酸スコアも高いため、良質なタンパク質とされています。

白ゴマ 脂質がやや高い。ゴマ油の材料として使われる
黒ゴマ 抗酸化作用のあるアントシアニンと不溶性食物繊維リグニンが豊富
金ゴマ 風味豊かで、抗酸化作用のあるフラボノイドを含む

ゴマは「1日の最適カロリー量の10%以内」を目安に与えて

ゴマは「1日の最適カロリー量の10%以内」を目安に与えて

犬にゴマを与えるときは、1日の最適カロリー量の10%以内にしましょう。
ゴマは栄養価が高い食材ですが、あげすぎはかえって栄養バランスを乱し、体調不良につながります。
特に胃腸が弱い犬の場合、10%近く与えるとおなかを壊したり、消化不良で嘔吐をしたりする可能性があるため、要注意。
ゴマによる肥満防止のためにも、10%はあくまで目安と考えたうえで、トッピング程度に与えましょう。

体の大きさ別・ゴマの給与量

超小型犬 1日あたり小さじ1/2杯程度
小型犬 1日あたり小さじ1杯程度
中型犬 1日あたり小さじ2杯程度
大型犬 1日あたり大さじ1杯程度

【注意点①】アレルギーに注意して少量ずつ与えよう

【注意点①】アレルギーに注意して少量ずつ与えよう

ゴマに限らず、はじめての食べ物を犬に与えるときは、少量ずつ味見程度から!
ゴマにアレルギー反応を起こす犬は多くありませんが、犬の体質や体調によって症状が出る可能性もあります。
ゴマアレルギーでは、下痢や嘔吐、口元のかゆみなどがみられるため、食後は注意して様子をみましょう。

なお、ゴマアレルギー以外の犬も、ゴマの食べすぎは体調不良の原因になります。
消化機能が弱い子犬や老犬では特に注意し、いつもと違う様子がみられた場合は動物病院を受診してください。
やや軟便程度であれば、1~2日程度ごはんの量を減らしたり、温めたウェットフードを与えたりすると良いでしょう。

【注意点②】人間用の加工品は与えない

【注意点②】人間用の加工品は与えない

ゴマ団子やゴマプリン、ゴマせんべいなどの加工品は、犬の健康によくありません
これらの食品には糖分や塩分が多く含まれており、犬の肥満や腎臓病のリスクが高まります。
犬にゴマを与えるときは、フードにゴマそのものをトッピングするか、犬用のゴマおやつを選びましょう。
ゴマクッキーやゴマせんべいなど、犬用として作られた商品は色々あるため、良さそうなものを探してみてくださいね。

ちなみに、ゴマ油なら人用でも犬に与えて大丈夫です。
ゴマ油は香りが強いため、食欲が落ちた犬も喜んで食べてくれますよ。
脂質が高いぶん肥満には注意が必要ですが、手作りご飯の仕上げやフードのトッピングなどにも活用できます。

ゴマは犬に与えてもOK!ただしあげすぎには注意しよう

ゴマは犬に与えてもOK!ただしあげすぎには注意しよう

栄養満点のゴマは、適量であれば犬へのメリットも大きい食材です。
肝機能のサポート、老化防止、便秘改善、免疫力アップ、皮膚・被毛の健康維持など、期待できる効果はたくさん。
フードにパラパラッとふりかけたり、ゴマ油を少量垂らしたりして与えれば、犬の食いつきも良くなります。
ただし、あげすぎは消化不良を起こす可能性があるため、与える際は適量を守って活用しましょう。

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