犬が唸るのは威嚇だけじゃない!唸りながら甘えてくる犬の気持ちとは

犬が唸るのは威嚇だけじゃない!唸りながら甘えてくる犬の気持ちとは

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犬がボールで遊んでいるときや、他の犬を見たとき「ウゥー」と唸る瞬間を見たことがありませんか?
犬が唸るというと「威嚇」にも思えますが、実は「嬉しい!もっと遊ぼう!」と感じている場合もあります。
今回はそんな犬が唸る様々な理由や、その時の気持ちを解説します。

犬が唸る6つの理由

犬が唸る6つの理由

犬が唸る理由には、犬の「社会的本能」が関係しているといわれています。
社会的本能とは、犬の遠い祖先であるオオカミが持っている本能で、群れ社会で生きていく上で必要不可欠な本能です。
現代の犬たちにも、その本能は受け継がれており、6つの社会的本能を持っています。

群棲本能

リーダーに従う本能です。
犬は、相手(人や動物)より自分の方が上だと思うと「自分がリーダーだ!」と、相手を唸ります。

権勢本能

リーダーになりたい本能です。
飼い主さんが愛犬のわがままをすべて叶えていると、愛犬は、「自分の方が上だ!」と思ってしまい、自分の希望が通らないと唸ります。

服従本能

リーダーに従い、群れの中で平和に暮らしたい本能です。
犬は、相手(人や動物)にリーダーシップを発揮されると安心し、喜んでリーダーに従う本能があります。
社会的本能の中で、犬が唯一唸ることがない、威嚇しない本能です。
飼い主さんをリーダーだと認識している犬は、「飼い主さんの言うことを聞いていれば、良いことが起こる!」と学習していますので、無駄吠えも防ぐことも出来ます。

警戒本能

縄張りをつくって侵入者を警戒する本能です。
愛犬が、散歩中にマーキングした場所は、自分の縄張りです。
そこに近づく犬には容赦なく唸り、威嚇します。

防衛本能

仲間を外敵から守る本能です。
犬は、飼い主さんなど、共に暮らす人や動物を仲間だと認識しています。
そのため、犬は自宅(犬にとっては縄張り)に来た人を外敵と判断し、唸ることや、吠えることで威嚇をします。

監守本能

いったんくわえた自分の獲物は、離さない本能です。
犬は、どんな物もおもちゃに変えてしまう天才です。
愛犬に、スリッパやタオルをかまれてしまい、離してくれない光景は珍しくありません。

愛犬が唸る理由をボディーランゲージで読み取ろう

愛犬が唸る理由をボディーランゲージで読み取ろう

犬は、言葉を話せないため、唸ることや身体のあらゆる部位を使って、自分の気持ちを表現します。
愛犬が唸っていた時、どんな様子でしたか?
愛犬が、弓なりの体勢や耳をピン!と立てている、または耳をペターと寝かせている場合は、「楽しい!」「もっと遊んで!」「飼い主さん大好き!」等と甘えて、唸り声をあげています。
以下の表で、犬がどんな心理の時に、どんなボディーランゲージをするのか確認してみましょう。

快の感情
甘えて唸っている
立つまたは、寝ている
不快の感情
怒って唸っている
立つまたは、寝ている
不安の感情
おびえて唸っている
少し後ろに、寝ている
尻尾
快の感情
甘えて唸っている
振る
不快の感情
怒って唸っている
振る、下がる
不安の感情
おびえて唸っている
後ろ足の間に巻き込んでいる
快の感情
甘えて唸っている
立っていない
不快の感情
怒って唸っている
背中の毛を立てる
不安の感情
おびえて唸っている
背中の毛を立てる
快の感情
甘えて唸っている
キラキラと輝く
不快の感情
怒って唸っている
見開く、するどい
不安の感情
おびえて唸っている
目線をそらす
表情
快の感情
甘えて唸っている
笑っているような表情
不快の感情
怒って唸っている
鼻にシワを寄せ、歯をむき出す
不安の感情
おびえて唸っている
弱々しい表情
腰の引け具合
快の感情
甘えて唸っている
通常、もしくは弓なり
不快の感情
怒って唸っている
身体を小さくし、後ずさりする
不安の感情
おびえて唸っている
前かがみ
体の部位/犬の心理 快の感情
甘えて唸っている
不快の感情
怒って唸っている
不安の感情
おびえて唸っている
立つまたは、寝ている 立つまたは、寝ている 少し後ろに、寝ている
尻尾 振る 振る、下がる 後ろ足の間に巻き込んでいる
立っていない 背中の毛を立てる 背中の毛を立てる
キラキラと輝く 見開く、するどい 目線をそらす
表情 笑っているような表情 鼻にシワを寄せ、歯をむき出す 弱々しい表情
腰の引け具合 通常、もしくは弓なり 前かがみ 身体を小さくし、後ずさりする

犬が唸ってしまうほど楽しい遊び4選

犬が唸ってしまうほど楽しい遊び4選

犬は、飼い主さんと一緒に遊ぶことが大好きです。
そのため、嬉しさのあまり唸ってしまう子もよく見かける光景です。
愛犬が思わず唸ってしまうほど楽しい遊びには、次のようなものがあります。

引っ張りっこ遊び

引っ張りっこ遊びは、犬の狩猟欲を満します。
「ロープトイ」や「ボアトイ」など、愛犬の好む物を使用し遊んであげて下さい。
遊ぶ時間は、愛犬が「まだ遊びたい!」と思う程度で終わらせ、おもちゃは必ず片づけるようにしましょう。
すると愛犬がおもちゃに飽きることが少なく、そのおもちゃを見せるだけで「楽しいおもちゃだ!」と学習し、とても喜びます。

宝探しゲーム

愛犬のお気に入りのおもちゃを、シーツの下などに隠して見て下さい。
愛犬は夢中で探します。
そして、おもちゃを見つけた時、飼い主さんは愛犬をとびっきり褒めてあげましょう。
きっと愛犬は唸るほど喜びます。

水遊び

レトリーバー系やニューファンドランドなどの狩猟や漁を手伝ってきた歴史を持つ犬種は、水遊びが大好きです。
中には、嬉しすぎて「ウーウー」や「キューンキューン」などの唸り声を挙げてしまう子もいます。

ボール遊び

犬は基本的に動くものを追いかける習性があります。
愛犬は本能が刺激され思わず、唸ってしまいます。

他にも犬が唸ってしまうほど楽しい遊びは沢山あります。
また、愛犬の性格によっても楽しい遊びは異なりますよね。
是非、愛犬が楽しいと思える色々な遊びを試してあげてみて下さいね。

愛犬にもっと甘えて欲しい!そんな飼い主さんへのご提案

愛犬にもっと甘えて欲しい!そんな飼い主さんへのご提案

愛犬の性格によっては、クールな子もいますよね。
たまに甘えてくるツンデレな子も、たまらなく可愛いですが「もっと甘えて欲しい!」と考える飼い主さんもいるのではないでしょうか?

そんな飼い主さんに、今日から出来る1つのことをご提案します。
犬は、大好きな人になでられると、こころも体もリラックスします。
特にあご下や耳の付け根、首や尻尾の付け根を、やさしくなでられると心地よいと感じます。
犬によっては、心地よく感じる部位は多少異なりますので、毎日愛犬をなでてあげて、愛犬が心地よいと感じる部位を見つけてみて下さい。
愛犬は「飼い主さんの傍に行くと、いつも心地良い気持ちになる!」と学習し、自分の方から「なでて!」と甘えに来てくれるはずです。

一方で、犬は2歳から2歳半の子どもと同じ感情を持っていると考えられています。
そのため「今はほっといて!」と機嫌が悪い時もあります。
また人に構われるのがあまり好きではない子もいるでしょう。
紹介したことは、愛犬の気持ちの状態や性格に応じて実践してみて下さいね。

愛犬と気持ちを通わせるために、飼い主さんが出来ること

愛犬と気持ちを通わせるために、飼い主さんが出来ること

愛犬が唸る理由は、甘えている時や怒っている時、おびえている時など様々ありました。
愛犬の唸る理由は、犬のボディーランゲージで読み取ることが出来ますね。

犬は、飼い主さんが自分の気持ちを理解してくれると、嬉しくなります。
もし愛犬の唸っている理由が、甘えている時だったら、沢山の愛情を注いであげて下さい。
愛犬は、大好きな飼い主さんに褒められることに、一番の幸せを感じます。

また、愛犬がキラキラした目で見つめて来たら、飼い主さんは、優しい目で見つめ返し、「いい子ね」と声のトーンを上げて優しく話し掛けてあげて下さい。
犬も人も「オキシトシン」という幸せホルモンが放出され、幸せな気持ちになれるでしょう。
愛犬とスキンシップをたくさん取って、幸せなドッグライフを過ごしてくださいね。

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