愛犬の散歩「引っ張り癖を直すトレーニング方法」

愛犬の散歩「引っ張り癖を直すトレーニング方法」

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ここだけの話、あなたは愛犬との散歩が苦痛だと思っていませんか?
犬の健康維持はもちろん、愛犬とのコミュニケーションやスキンシップにも役立つお散歩。
ですが、愛犬があなたを無視してグイグイとリードを引っ張ってしまっては、楽しむどころではありませんよね。
引っ張り癖のしつけに必要なポイントをしっかりと押さえて、お散歩を心から楽しめるようにしましょう!

引っ張り癖は様々なトラブルのもと

引っ張り癖は様々なトラブルのもと

犬の引っ張り癖は様々なトラブルを引き起こす原因になります。
引っ張り癖によって起こる主なトラブルとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 犬が車道に飛び出して事故に遭う(飼い主や犬を避けようとした人間も危険)
  • 犬が飛びついたり、噛みついたりすることで他人や他犬にケガを負わせてしまう

特に大型犬の場合は力が強いため、飼い主が引きずられるようにして歩かなければならないことも…。
まるで犬のほうが飼い主さんを散歩に連れ出しているようにも感じられるほど、犬が自信満々で歩いています。
しかし、犬を抑制できないまま屋外に出るということは、犬の周囲にいるすべての人や動物に危険が及ぶ可能性があるのです。
思わぬ事故を防ぐためにも、愛犬の引っ張り癖はできるだけ早く改善させる必要があるといえるでしょう。

引っ張り癖は自発的に止めさせよう

引っ張り癖は自発的に止めさせよう

引っ張り癖のしつけでは、犬自身に「飼い主から離れると歩きづらいなぁ…」と感じさせることが重要です。
犬が勝手な方向へ進もうとするとリードがピンと張って動きにくくなれば、犬は自然と飼い主の傍によって歩くようになります。
引っ張り癖を改善するためには、犬が自発的に飼い主の傍によって歩くように「リーダーウォーク」を徹底させましょう。

リーダーウォークとは犬にリーダー的対応を示す際に効果的な歩き方のことで、主導的歩行とも呼ばれています。
犬のしつけでは、まずこのリーダーウォークを徹底させることが重要なのですが、中途半端なやり方をしても何の意味もありません。
リーダーウォークを行う時は正しい方法で、かつ「飼い主がリーダーになることは犬にとって良いことだ」と自信を持って取り組んでください。
犬は飼い主の心を敏感に読み取ることができるため、飼い主が自信のない態度ではけっして正しいリーダーウォークはできません。

リーダーウォークの3原則

  • けっして犬と目線を合わせない
  • 犬とは真逆の方向へ逆らって歩く
  • 犬に話しかけない(注意もしない)

犬が引っ張りを止めない時は

犬が引っ張りを止めない時は

とはいえほとんどの犬は、歩きづらさを感じたり、首や胸が苦しかったりするくらいでは引っ張りを止めません。
なぜなら犬にとって、屋外の散歩はアミューズメントパークのように感じられる空間であり、すべての刺激が楽しくて仕方ないのです。
中型犬や大型犬の場合は、飼い主が思いっきり踏ん張っても引きずられるほどの力で引っ張るため、立ち止まらせることすら難しいでしょう。

また、散歩中の引っ張りを「飼い主との綱引き(遊び)」と認識してしまった犬は、散歩のたびにグイグイ引っ張ること自体がクセになっている場合もあります。
飼い主さんの多くは事故などのトラブルを考えて「犬に引っ張らせまい」と無意識にリードを強く引いてしまいますが、犬にとってはこれが逆効果になっているのかも。
犬が引っ張り癖を止めないからといって力で対抗するのは引っ張り癖を助長させる恐れがあるため、絶対に避けるようにしてくださいね。

引っ張り癖のしつけはハーネス選びから

引っ張り癖のしつけはハーネス選びから

引っ張り癖を直すには、首輪よりもハーネスを利用したほうが上手くいきます。
なぜなら犬用のハーネスは犬の動きを制限しやすいという特徴を持っているため、弱い力でも犬を抑えることができるからです。
引っ張り癖のある犬に首輪を装着してしまうと首に大きな負担がかかってしまい、気管虚脱や頸椎ヘルニアなどの病気を引き起こす可能性があります。
犬の引っ張り癖をしつける時は、必ず愛犬の体格や引っ張る強さに合ったハーネスを選ぶようにしましょう。

ハーネスの種類

バッククリップ リードとの結合部が背中についているハーネスで、小型犬用に多くみられるタイプです。(小型犬・力の弱い中型犬向き)
フロントクリップ リードとの結合部が胸元についているハーネスで、バッククリップハーネスよりも動きの抑制力が高いという特徴があります。(中型犬向き)
コントロールハーネス 犬が引っ張れば引っ張るほど肩甲骨周りが締め付けられ、足を前に踏み出しにくくなるハーネスです。(中型犬・大型犬向き)
ヘッドカラー 犬が引っ張るとリードに引っ張られて顔が横向きになるように作られたハーネスで、リードの一部を口元に巻きつけて使用します。(中型犬・大型犬向き)

引っ張り癖はこう直す!正しい引っ張り癖の直し方

引っ張り癖はこう直す!正しい引っ張り癖の直し方

準備が整ったら、実際に犬の引っ張り癖を直していきましょう。
いきなり屋外に出ると犬の興奮が一気に高まってしまうため、まずは室内で練習してくださいね。

引っ張り癖を直すトレーニング手順

  • ①犬が好きなオヤツを小さくカットして、ポケットやウエストポーチに入れておく(すぐに取り出せるよう直に入れておくこと)
  • ②犬にハーネスとリードを装着し、飼い主の横にオスワリさせる(屋外での練習は犬が風や音・地面の感触などの刺激に慣れて、いったん落ち着くまで待つ)
  • ③リードを短めに持った状態で歩きだし、犬の引っ張りでリードがピンと張った瞬間に停止する(停止中は絶対に犬を見ない・話しかけないこと!)
  • ④犬が前に進めず飼い主の傍に戻ってきたら、すかさずオヤツを与える(戻ってこない場合はリードをゆっくりと引いて、飼い主に注意を向けるようにする)

オヤツを与える時は、犬の目線に合わせてしゃがむ必要はありません。
小型犬の場合は多少腰をかがめる必要がありますが、基本的には立ち姿勢のままで行いましょう。

また、毎日の散歩は決まった時間に行かず、飼い主の好きな時間に不定期で行うようにするのも効果的です。
愛犬が外でしか排泄できない場合は、室内でトイレができるようにしてから引っ張り癖のしつけを直すようにします。
引っ張り癖を直すためにはなにより飼い主さんの毅然とした態度が重要なポイントですから、自信を持って取り組んでくださいね!

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