お散歩での危険な拾い食い。愛犬にやめさせる方法と3つの手順
地面のニオイを嗅いでいると思いきや、落ちているものをパクリ。
あっと思った時には時すでに遅く、すでに愛犬のお腹の中に…という経験はありませんか?
食べてしまったのが犬の体に害のない食べ物ならまだしも、外の世界には犬にとって危険なものが数多くあります。
正しい拾い食いのしつけを実践して、愛犬との散歩を思いっきり楽しめるようにしましょう。
目次
犬にとって危険なものはたくさんある
飼い主さんが想像している以上に、私たちの暮らす環境には犬にとって危険なものがたくさんあります。
例えば、部屋の中で落としてしまった人間用の薬やプラスチック片、食べ物のニオイがついているビニール袋などがそうですね。
屋外には犬が口にすると中毒症状を起こすような植物も生えていますし、他の動物の排泄物を食べてしまえば感染症などの危険性もあります。
最近では「犬が好みそうな食べ物に毒を仕込み、犬の散歩コースにわざと放置する」といった卑劣な手口もあり、危険性は高まっているといえるでしょう。
散歩中に拾い食いしやすいもの
- 石ころ
- ティッシュ
- 他の動物のフン
- たばこのすいがら
- ナメクジや昆虫などの生き物
- 焼き鳥の串
- パンの空き袋や飴の袋
- 腐った食べもの
- ビニール袋 など
愛犬の健康を守るために必要な拾い食いのしつけですが、これは同時に飼い主さんのマナーでもあります。
たとえ散歩に出ないとしても、自宅に訪ねてきたお客さんの私物を食べてしまうなどのトラブルも考えられます。
また、愛犬の拾い食いを放っておくことで、犬は飼い主よりも自分の方が偉いと感じるようになり、飼い主の命令に背くようになります。
しかし、犬は自分よりも地位が上の相手を決めることで安心する習性があるため、自分がリーダーでは精神的に安らぐことができないのです。
たかが拾い食いだからと放っておくと、人への飛びつきや噛み癖など様々なトラブルのもとになるため、早急に対処しましょう。
拾い食いをしつけるには普段のしつけも大切
拾い食いのしつけでは「飼い主の命令に応じて、犬が対象物からすばやく目線や鼻先をそらせるかどうか」がポイントです。
そのため普段からアイコンタクトでこれは食べてはいけないと伝えたり、「だせ」「ちょうだい」などのコマンドを教えたりしておくことが大切。
普段から歯磨き等を行って口回りを触る練習をしておくことで、万が一落ちているものをくわえてしまった時も落ち着いて対処することができます。
拾い食いという突発的な行動を未然に防ぐためにも、普段のしつけや接し方から愛犬との信頼関係・主従関係を養っておきましょう。
また、散歩中は必ずリーダーウォーク(主導的歩行)を心がけ、犬が前に出ないように意識してくださいね。
拾い食いのしつけをする前に必要な3つの準備って?
以下3つは、拾い食いを直すために必要なポイントです。
拾い食いのしつけを実践する前に、あらかじめ確認しておきましょう。
1.訓練に集中できる環境を作る
人間でいうと、犬の知能はおよそ2~3歳くらいだといわれています。
それを考えれば、ひとつのことを覚えるだけでも時間がかかるのは仕方ありません。
愛犬ができるだけ集中して訓練に臨めるよう、気が散るようなオモチャなどは片づけておきましょう。
通常、犬の集中力は10~15分程度しか続かないため、気長にじっくり取り組みましょうね。
2.首輪(ハーネス)とリードに慣らしておく
拾い食いのしつけでは、首輪(ハーネス)とリードが欠かせません。
しつけ用として床に落としたおやつを難なく食べられてしまうわけにはいかないため、必ず用意すること。
まだ散歩に慣れていない子犬の場合は、首輪(ハーネス)とリード自体を嫌がって暴れたり、動かなくなったりする可能性もあります。
拾い食いのしつけをする前には、あらかじめ愛犬を首輪(ハーネス)とリードに慣らしておきましょう。
3.愛犬の大好きなオヤツと、そうでもないオヤツを用意する
拾い食いのしつけをスムーズに行うためには、愛犬の大好きなオヤツと、そうでもないオヤツが重要。
何でも喜んで食べてしまう愛犬の場合はそうでもないオヤツ探しに苦労しますが、色々とリサーチしてみてくださいね。
味やにおいの薄いオヤツには、食いしん坊の犬もそこまで魅力を感じにくいはずですよ!
いざ実践!拾い食い癖の直し方
いきなり屋外で練習すると、犬にとっての刺激が多すぎて上手くいきません。
拾い食いのしつけは室内から始め、上達してきたら屋外へ出るようにしましょう。
パート1
- ①犬の見えない場所で、床にいくつか「そうでもないオヤツ」を落としておく
- ②犬に首輪(ハーネス)とリードをつなぎ、室内を散歩させる(リードは短く持つこと)
- ③犬がオヤツに気付いて近づいていったら歩くのを止め、オヤツに届かない距離で静かに待機
- ④犬が諦めて飼い主の傍に戻ってきたら、大好きなほうのおやつを手渡しで与える
この流れを繰り返すことで、犬は床に落ちているオヤツを見つけても食べなくなります。
そうでもないオヤツを諦めて飼い主の傍に戻れば大好きなオヤツをもらえる!と学習するのですね。
犬が諦めた瞬間に「ノー」などのコマンドを出すことで、万が一散歩中に犬が拾い食いしようとしても中断させやすくなります。
パート2
- ①パート1が出来るようになったら、今度は大好きなオヤツを床に落としておく
- ②パート1と同様に犬が諦めるまで待ち、飼い主が拾ってから犬に与える(犬が先に食べないよう、リードを繋いでおいてもOK)
こうすることで「食べ物は拾って食べるものではなく、リーダーの手からもらうものだ」と犬に覚えさせることができます。
犬はリードを引っ張られると反抗して更に強く引っ張る習性があるため、オヤツに突進してもけっしてリードを強く引っ張らないようにしましょう。
拾い食いのしつけは時間がかかりますが、けっして焦らずじっくり取り組むようにしてくださいね。